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表紙がコミック百合姫(なもり)っぽかったので、百合か?と思ってたのですが、中身は結論の出ない並行宇宙もの、といった感じ。『四畳半神話大系』みたいな感じでした。個人的には楽しめたけど……
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小川一水の短編集「老ヴォールの惑星」
そのなかに「ギャルナフカの迷宮」
という話があります
これは迷宮の中に文化を築くという話です
これを読んだことがあるのでそんなに衝撃はありませんでした
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これってSFなのだろうか。個人的にはダメでした。深遠な解釈もできるのだろうけど、広がった妄想をまとめずにぶん投げただけにも思える。
小説といい映画といい、最近は根本の「Why?」のSF的解釈を描かないケースが多いのかな。映画「クロニクル」「ルビー・スパークス」のように、そのうえで魅力的な物語が描かれているのならいいけど、これではなあ。。。
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唐突に。「CUBE」って洋画を思い出しました。読んでいてこの意味も出口も無い無差別的な(この小説では少女限定ですが)人選、実は何もしない動かないことが正解(なのかもしれない映画も小説も)というより寄り添うことが。仲間を集いどんなに突き進もうと栄枯衰退は変わらず違う場所で同じ足踏みを繰り返している。中心的な富裕層と端に広がる貧困は今の世界だって変わりはしない極端だが縮小図に思えなくもない。「CUBE」も〔少女庭国〕もラストは明確に書かれていないいや補われていない私たちには知る術が無い。
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とんでもない傑作では…。拙い読書量の私では判断できないがとにかくすごく面白かった。
<ネタバレかも注意>
途中まで読んだとき、(拙い読書量の私でも)いくつかの思考実験の小説を思い浮かべたけど、読み終るとこの作品は今までのものを更に一歩進めたような斬新さを感じた。
と言うのも...
まるで作者が作った要素を単純化した複雑系のシミュレーションモデルをグルグル回し、出力結果の一部(他は省略)を小説に仕立て直したように感じたからだ。出力された結果(と勝手に思うもの)の多様さや壮大なスケール感はSF好きとして楽しめるし、目的や出力結果の一部が省略されている(と勝手に思う)ことで高まる恐怖感も最高である。
小説を書いたことも無いしそもそも文才も無いわたしが「うわぁぁこんなやり方があったのかあ~やられた~」と思った。
無責任に言いきれば、国境を越えるべき作品である。もちろん海外でもグロいとか不謹慎といった反応もあるだろうけど、客観的にこの構造を評価する人も多く出てきそうな気がして、<庭国もの>または<庭もの>といった亜流が生まれるのではと勝手に期待する。
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壮大なる思考実験の結果と言う感じ。いろいろとすごい。
萌え要素込みでアニメ化しないだろうか。でも怖いから見たくない気もする。
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ホラーっぽさ出ると思ったのに最後の最後まで謎は謎のまま~みたいなほんわかしたありきたりな終わり方。グロも全然なくてあっさり。真相を放り投げるの大っ嫌いだ。SFに真相求めちゃったのが間違いなんだろうけど。
文体も意図的なのかところどころ脱字が目立つ。読んでてきもちわるい。
最初の数例だけ読めばよかった。本当につまらなかった。
ドアDといいこれといいこの形式は上手く終われないのかな。
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卒業式に向かっていたのに、いつの間にか石の部屋に閉じ込められてしまった女の子達のお話です。
脱出するには卒業試験を終えなきゃいけなくて、それは、自分以外生きていてはいけないという条件で、女子高生たちがどのように行動していくかとなっています。
表題作品自体は、閉じ込められ系ホラーで、女子高生がワイワイしている感じで楽しいです。
ところどころ、妙にクールすぎる部分が出てきたりしますが。
それより、ほんの半分以上を占める補遺の部分がすごく面白い。
番号付けされて名前とそのエピソードが綴られていて、当初は隣の部屋の子をさくっと殺して終了だったのが、先に進むと集団形成したり、開拓したり、入植したり、自治したり、街を作ったり、畑作ったりと壮大になっていきます。
部屋は一方通行になっており、扉が2枚、片方にのみ取っ手あり、その扉を開けると、同じ部屋が存在し、そこに女の子が一人寝ているという状況が延々と続く世界です。
扉を開くと、寝ている女の子が動き出すので、取っ手のある側を未来、無い側を過去として、補遺は語られています。
開拓や文明の発展が成功した組は概ね過去への開拓も行って、そこにはそれ以前の卒業生たち(補遺の中では番号の若い方になるのかな)の跡が残っています。
卒業生が目覚める条件は、その女の子いる部屋の過去方向の扉が開くということだけ、明示されていたんですが、過去方向の部屋で卒業試験が終了した場合についても目覚めるんだろうなとは思いました。
一応レーベルがSFだったので、そのつもりで読み始めたら、あれ?ホラー?という感じだったのですが、補遺でSFになりましたね。
なかなかに面白かったです。
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狂っている。延々と続く無限地獄。
異常としか言い様のない世界観はただひたすらに恐ろしい。そういう意味ではたしかにホラーなのだろう。
でもたぶん、こんなものを書く著者の存在自体が僕にとってはホラーだ。
内向きの小説のどこにも、カタルシスはない。
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[図書館]
読了:2017/5/14
合わなかった。
あらすじを読んで想像するのとはまったく違う方向に展開して行く、というのは確かなんだけど、それをあらかじめ知っていて読んだので、もうその時点でわたしにとってのこの小説の面白いところは終わっちゃってたなぁと思った。
正直、水がまったく手に入らない場所で人肉食とわずかな農耕だけで街ができるほど人が増え文明ができていくとは思えないし。
文章も読むのがしんどいレベルで、
「齟齬を頭で戸惑い始めた」
「それ以上のことは情報量的に意味不だったものの」
「手で部屋をマイナスに出来ない程度にはドアを開けられた部屋とは間取り上2から存在してしまうので」
ちょっと頭の弱い女子中学生の思考を再現しているつもりだからこうなのか?
中盤に頻出するの世界史の教科書っぽい記述は、わざとそうしていることは分かったけれども、わざわざ味わいたくなるような文でもなかったので、筋を追うだけでほぼ読み飛ばしていた。
じっくり読まなくてよかったと思う。最終的にこの小説世界の仕組みが解明されるわけでもなくこの辺の記述が解明の手がかりになるわけでもなかったから。
上記の通り私にはこの「閉ざされた石室という舞台設定の中で少女たちは文明を作り上げて行った」という流れに無理を感じるので、観察記録としてもあまり面白くないし(こんなことは起こらない、ゆえにこんな冗長な記述に意味はない、で終了)、小説としても文章を楽しめなかった。
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"講堂へ続く狭い通路を歩いていた卒業生は気が付くと暗い部屋に寝ていた。部屋は四角く石造りだった。部屋には二枚、ドアがあり、内一方には貼り紙がしてあった。
貼り紙を熟読した彼女はドアを開け、隣室に寝ている女子を認めるとこれを殺害した。"
そんな無数の女子達によって構成された小説。
面白かった。
少女が箱庭に閉じ込められて殺し合うような物語をその内側から批判しひっくり返すような構造をもっていて、そうした構造のなか描かれたのはいかにして少女たちが共存しうるかという問題で、それは本来卒業するはずだった「学校」における社会と、石の部屋を拓いてつくられる「少女帝国」での社会に通底して回帰する。
ということも小説としてのていをなすために外からあてがわれたテーマという感がしなくもない。
思うにこの作品の本質は、「物語のために作られた世界」で生まれた無限の少女たちが永遠にそこから抜け出せることなく見かけオートマチックに行動し、殺し合い時には慰め合うさまを言わずもがな作者が記述している、そこには面白い人生と面白くない人生とが明確に区別されていて、ここでいうところの面白い人生というのは「非合理的な行為」を内包するものに他ならない。
これは小説なのだし、小説として面白くなるものを書くのは当然だ。と、いうこと。
そしてラストの「六二 〔石田好子〕」の章ではその名前が象徴しているように、「石の部屋の女子(=好)」というあからさまに作者がとってつけたような名前の女子の視点で語られる。(それまではほとんど無作為と語感でつけたでしょうという名前だったのに。)
そこでは最初に目を覚ました好子がドア一枚開けて隣室の女子と出会い、会話し、部屋を交換して背中越しに話すだけで終わる。それ以上のアクションをとらない。
特徴的なのは彼女たちが唯一「貼り紙について触れていない(明確に読んでいないか、無視している)」という点で、この「(殺し合いをせよ、という)貼り紙」という「物語のための舞台設定」からある種逃れているとも言える。それはあくまで錯覚であるかもしれないにしても。有り体に言えば彼女たちは「この設定を必要としていない」のである。
彼女たちはこの物語を必要とせず、つかず離れず、25cm厚の石壁を背中合わせに語らい、ささやかな甘い百合に興じる。きっと彼女たちもまた助からず、この無限の少女達の眠る石の空間に出口はないのだが、唯一この小説を終わらせることができる手段があるとすればそれは「彼女たち自身が物語として充足し、〔少女庭国〕という物語を必要としないこと」なのであり、彼女たちはそれを満たしたのだ。少なくとも、作者にとっては。
よって最後の明らかに登場人物の口から出たとは思えないような台詞は作者矢部嵩からの言祝ぎと充足の言葉なのかもしれない。
「そのままでいていいよ/君たちはもう補われたのだから」
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38:現代版、ファジーな耽美のようで少女小説のようでホラーのようでSFのようで。面白がっちゃイカンと思うのだけど、楽しく読めました。が、このいかんともしがたい不条理感! なんだかモヤモヤが拭えない……。
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図書館で。
うん、なんかダメだった。文体なのか内容なのかキャラクターなのかその全部か。まぁもう自分、女子高生が多数出てくると誰が誰だったか認識エラーを起こすのでこちらの適正年齢が合わなくなってるからかもしれませんが。
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「少女庭園」
卒業式を目前に閉じ込めたのは。
結局上辺だけの自己紹介から得た知識のみで導きだされた答えだったが、あの場に閉じ込められてから相手を知るにはそれしか無かったのだろうな。
「少女庭園補遺」
書類を見て各々が起こした行動。
他人を殺して生き残る者もいれば自殺をし相手を生かそうとする者、皆を集め行動する者など人の生死が関わるとそれぞれの人間性が見えてくる物だな。
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再読完了~やっぱりすごい小説だと思う。
この本を読むとこの世に生きる意味が少しだけつかめる。
この小説の「無意味さ」と比べると
鬱々とした時に考えちゃったりする、
自分が世界が無意味かもなんて思うことは間違いだと明らかになる。
どこまでも意味がなくそれを散々あらゆる方向から示されてその果てのなさにゾッとする。
三人称視点で書かれているのだけど
その神視点に女生徒っぽさがいくぶん奇妙ににじみ出ているため
閉じ込められた彼女たちの「今」が
文体のおかげでより伝わってしまう。若さゆえの独特の一瞬の弾けるような楽しさの空気感&絶望とかを読者に共有させる。
設定の理不尽さ、舞台の静かさ、残酷な事態の数々の淡々とした記述、全てがあの部屋そのもののようで不気味さは延々と続く。休憩なしでぶっ続けの不気味さをまとわせるなんてすごいことじゃないか?一切癒されない。すごい。
読後現実に戻ることが憂鬱に感じることはあれど
現実を実感することで安堵するっていう作品なので
やっぱりジャンルはホラーなのかなぁ。ホラーSFかなぁ。