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繰り返される小テロ。
小口だろうと、なんだろうと、テロはテロ。
無関係の人を無差別に傷つけるなんて、
許されるわけはない。
置かれた状況が、彼等を駆り立てたことも、
その絶望感を利用して唆したやつがいることも、
言い訳にはならない。
でも、、、
責めるよりも、やりきれない気持ちになってしまう。
トベとは、一体誰なのか。
どのような人物であるのか。
その正体と動機には驚いた。
まさか、あの事件がそういう意味だったなんて。
ところで、「トベ」は「跳べ」なのかな。
そのHNの意味も明かしてほしかったな。
(何か読み落としているんだろうか。。。)
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社会を逆恨みしてテロに走る貧困層。ステレオタイプだなー。このタイトルの意味は、登場人物の誰かが自分に似てると思うかららしいんんだけど、残念ながら私は見つからず。
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社会的弱者、ワーキングプア、生きる希望を失った人たち…なぜ彼らが小口テロという新しい形のテロに走って行くのか。
小さな幸せを、手のひらサイズの満足を、明日一日の夢を、誰が壊しているのか。
読んでいくうちに、豊かで美しいと言われる日本の、これが現実かと、暗澹たる気持ちになっていった。
追い詰められ出口を失い立ち止まることさえできない彼らの選んだテロという道は、理解することはできても共感はできない。その紙一重のところで彼らと私は隔たっているだけなのかもしれない。
明日、私がテロを犯さないと、誰が言えようか。
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日本で続発する小規模なテロ。自らを《レジスタント》と称する実行犯たちに、直接の接点は見出せない。いつしか、一連の事件は《小口テロ》と呼ばれるようになり…。
現実に、秋葉原連続殺傷事件など、テロと呼んでも差し支えない事件が発生しているのだから、この設定は絵空事ではない。貫井徳郎さんの新刊は、テロをテーマにした異色の連作短編集である。全10編の語り部はすべて異なる。
テロの実行犯。直接の接点はないが実行犯を見下す者。捜査関係者。何より忘れてはならない、被害者や犠牲者の遺族。様々な関係者の目を通し、テロを多面的に切り取っているのが興味深い。《小口》なだけにリアリティは高く、胸が締めつけられる。
生活に困窮する人々が誰でもテロに走るわけではない。誤解を招く面もあるだろう。実際、作中でもほとんどの人は難色を示すが、ごく一部が一線を越えてしまった背景とは…。実際にも起こり得るのではないか。作中同様、捜査陣は手を焼くに違いない。
小口だろうが大口だろうが誰かが傷つく、それがテロ。どんな大義があろうが決して許されない。しかし、実行犯に共感する者もいる事実。今は見下す側でも、いつ転落するかわからない時代に、我々は生きている。家族のためにも、現在の生活を維持したい。しかし、いざ転落してしまったら…。100%他人事と言い切れるのか。
登場する多くの関係者たちに共通しているのは、誰も救われていないということ。世界中で連日発生する無差別テロは、新たなテロを生む。《小口テロ》とて同じ。何の解決にもならないことなど、最初からわかっていただろうに…。
このまま読者も救われずに終わるのかと思ったら、最後に舞台がクアラルンプールに飛び、意外な結末が用意されていた。だが、「彼」のように考えられる人間は少数派だろう。
日本という国が問題だらけなのは確かである。作中のHさんのように日本批判を繰り返す有識者は多いが、僕は基本的に日本が好きだ。好きな日本であり続けるために、我々にできることは何か。問題意識は持っていたい。
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この作品は政治的思想が深く絡み合っているため、すごくリアルな作品に仕上がっている。テロというのは政治的思想が切っても切り離せない主張だと思うので、そういう部分を上手く織り混ぜて書いてあり、読んでいて面白い。近い将来、このような手口で日本もテロが増えそうな気もする。
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ワーキングプアの人達を使ってテロを起こす話。
バットエンド。日本のあるある労働と人の閉鎖感覚がダイレクトに描かれた作品。
自分も似たことをやったりするので、自分に悲しくなった
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2008年に発生した「秋葉原無差別殺傷事件」をヒントに、
同種の犯罪を、新たに「小口テロ」とカテゴライズして、
これらに、直接的もしくは間接的に係わる複数の個人を、
それぞれ主人公に据えた、犯罪の内面に迫る連作短編集。
無差別殺傷事件や通り魔事件といった従来からの名称を、
小口テロと呼称し、犯人をレジスタントと呼ぶことで、
バブル以降の格差社会やネット内の仮想社会といった、
現代の犯罪背景が、よりセンセーショナルな印象に…。
でも…、
終盤では、短編中の1編がうまくミスリードされており、
意外性もあったけど…、お話を終局するためもあってか、
もぅ少しシンプルな着地も、あったかもしれなぃな~。
あと…、欲を言えば…、
総理大臣や官僚、企業経営者などの上位層に焦点を当てた
短編もあれば、より濃ぃ小説になったかもしれなぃな~、
なんて…。でも…、やってみると、やはり難しぃかな~?
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読んだ後味がどうも悪くて・・
もっと前の作品の話しは、犯罪を犯したとしても“犯人“と呼んでしまうには忍びない様な、切ない様な感情を抱いたけれど、最近の話しにはそれがない。
でもそこが大事なんでは・・?
内容(「BOOK」データベースより)
小規模なテロが頻発するようになった日本。ひとつひとつの事件は単なる無差別殺人のようだが、実行犯たちは一様に、自らの命をなげうって冷たい社会に抵抗する“レジスタント”と称していた。彼らはいわゆる貧困層に属しており、職場や地域に居場所を見つけられないという共通点が見出せるものの、実生活における接点はなく、特定の組織が関与している形跡もなかった。いつしか人々は、犯行の方法が稚拙で計画性もなく、その規模も小さいことから、一連の事件を“小口テロ”と呼びはじめる―。テロに走る者、テロリストを追う者、実行犯を見下す者、テロリストを憎悪する者…彼らの心象と日常のドラマを精巧に描いた、前人未到のエンターテインメント。
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自分の今の境遇が悪いのは社会のせいにして自分とは全く関係の無い人を巻き添えに事件を起こすテロ。自分勝手過ぎる行動は絶対に許されない。周りの多くの人が普通に暮らせる世の中でまともな仕事も得られず、生きて行くのは自分を追い詰めてしまう。他人と比べてしまう人間の多くはどうしてもそんな思考にとらわれてしまうんだろう。もちろん自分も例外ではない。最後に、この作品も以前の切れ味のいい貫井作品ではない。
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1編1編主人公が違い、社会に対していろんな視点でいろんな思想・感じ方が書かれている、「小口テロ」を取り巻く連作短編集。
タイトルの通り、誰もが「あ~ このひと、自分に似てるわぁ」って登場人物がひとりはいると思われ。
■ ■ ■ ■ ■
最初の1編は「なんか貫井さん、丸くなったんじゃね?」と
物足りなさ感じたんだけど、先に進むにつれて右肩上がりに面白くなって一気読み。
で、最後のお話で、最初のお話のおんなのこの言葉がフィードバックした。
まったくもってその通り!
ほかにもちょっとした仕掛けがあったりはしたけど
「ミステリ」ではなく「小説」として読んだほうが良さげな本でした。
■ ■ ■ ■ ■
読んだあとはカバーイラストの的確さに「おお!」って言ってしまったよ。
内容とのリンクさったらパない。
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小規模なテロが頻発するようになった日本。ひとつひとつの事件は単なる無差別殺人のようだが、実行犯たちは一様に、自らの命をなげうって冷たい社会に抵抗する“レジスタント”と称していた。彼らはいわゆる貧困層に属しており、職場や地域に居場所を見つけられないという共通点が見出せるものの、実生活における接点はなく、特定の組織が関与している形跡もなかった。いつしか人々は、犯行の方法が稚拙で計画性もなく、その規模も小さいことから、一連の事件を“小口テロ”と呼びはじめる―。テロに走る者、テロリストを追う者、実行犯を見下す者、テロリストを憎悪する者…彼らの心象と日常のドラマを精巧に描いた、前人未到のエンターテインメント。
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十人がそれぞれ主人公になった十の連作短編である。初めは、この人物たちにどんなつながりがあるのだろうという興味で読み進み、次第に小口テロをインターネット上で巧みに唆す<トベ>と名乗る人物への興味も加わり、著者はこの物語にどんな決着をつけるのだろうかという興味もさらに湧いてくる。各章が、必ずしも時系列に並べられているわけではない理由が最後に判り、さまざまなことが腑に落ちる。そもそもの始まりが、思い描いていた<トベ>像とあまりにも違うことに驚かされ、そんなこと――というのは語弊があるかもしれないが――からここまで広がってしまうインターネットの力に改めて恐ろしさも感じる。ないとは言えないレベルの物語なのも厭な感じである。華々しい盛り上がりはないが、ずんずんと胸の奥に迫ってくる一冊である。
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タイトルを見て主人公が誰かに似ている話なのかと思ったら読み手がこの短編集の中の「誰にあてはまるか」を提示していたことに読んでいて気づいた。
小口テロという某事件を彷彿とさせる殺人事件の被害者、加害者、傍観者、そしてネットの中。どこかに自分と考え方の似ている人物が一人はいるのではないだろうか。自分も「あ、これは自分に似ている」とあてはまる人物がいた。だからこそ身近に感じ、考えさせられた作品だった。多少ラストは唐突な気がしたが面白かった。
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小規模なテロが頻発するようになった日本。テロに走る者、テロリストを追う者、実行犯を見下す者、テロリストを憎悪する者…。彼らの心象と日常のドラマを精巧に描く。
10人の登場人物が薄くつながる連作短編集。現代日本の社会への不満や怒りをどこへぶつけたらいいか答えのわからない難問を、小規模テロを絡めて描く。ラストがやや物足りない気もしたが、そこまでは読ませる力は十分だった。
(B)
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「トベ」に翻弄される人たちの連作短篇集。
大元の「トベ」の招待には意表をつかれたが、我が身や周りの人に起こる不運や不幸をなんでもかんでも社会のせいにしたらダメだわな。。。
現実社会はもともと不公平なもの、どうにかして折り合いをつけて生きていくしかない。
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なんとも不愉快な本でした。
分かり切ったこと、言わずもがなのことを
クドクドと、押し付けがましく書かれると辟易する。