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西澤保彦さんという作家は、なかなかに掴みどころがないようだ。書店で見かけて何となく手に取った本作。過大な期待をしたわけではなく、気分的に軽めのものが読みたかったのだが…うーむ、実に評価に困る1作であった。
ナンパ好きだが勝率は極めて低い3人組、アタル、京介、正太郎。彼らの行くところにはいつも怪物が現れて…。そう、怪物である。文字通り、人ならぬ怪物である。これ以上説明しようがない。SF風味、いや特撮風味のミステリーと言えばいいか。
「怪獣は孤島に笑う」。おい、いきなり怪獣だよっ!!! 無人島で怪獣に捕らわれ、1人また1人と犠牲になり…と思ったら何だよそのオチはっ!!! 「怪獣は高原を転ぶ」。おい、また怪獣だよっ!!! どんなオチが…と思ったら普通に推理かよっ!!!
「聖夜の宇宙人」。おい、宇宙人に誘拐されるのかっ!!! と思ったら、何だよその昔の某CMみたいなオチはっ!!! 最も短いが、最も笑える1編。「通りすがりの改造人間」。結論は、最後にある通り、人間の方が怖いってことですかね…。
「怪獣は密室に踊る」。密室なんてしゃらくせえっ!!! 怪獣が密室をぶち壊すっ!!! 詳しくは書けないが、この怪獣って実は救世主??? 「書店、ときどき怪人」。正直、書店のおやじの気持ちもわからなくはない。正義はどっちだ。
最後の「女子高生幽霊綺譚」。おい、最後に幽霊かよっ!!! なぜか3人には見える女子高生の幽霊。彼女が15年前に殺された真相は、とばっちりとしか言いようがなくて泣けてくる…。成仏できるかね。いや、する気がないのか???
以上、設定だけならふざけている全7編。しかし、本格としてロジックにはこだわっているのが本作のセールスポイントなのだろう。そこは理解するのだが、必ずしもこの設定ならではの謎にはなっていないように感じた。例えば、怪獣が登場する3編中、最初の1編は唖然としたが、他の2編に怪獣は必要不可欠なのか?
こういうおふざけ路線を否定はしない。むしろミステリー業界のためにどんどんやってほしい。ただ、どうせやるならもっと徹底的に弾けてはどうか。
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タイトルの通り怪獣が登場するミステリー。
しかし、怪獣が本筋と交わることはほとんどない。
今作でも西澤作品に振り回されてとても悔しい。
……僕の頭が悪いだけだけど。
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いきなりの怪獣登場になんとハチャメチャな!と思って読み進めていた一編目ですが、ラストで思わず、あれが伏線だったとは!と苦笑しました。ナンパがきっかけておかしなものに関わる3人組が何とも情けないのですが、読み進めるうちに話はどんどん本格ミステリになっていき、それとともに彼らもどんどん頼もしくなってきていつの間にかしっかりと楽しんで読み進めていました。怪獣の登場が完璧な「怪獣は密室に踊る」とアタルに同情してしまった「書店、ときどき怪人」安楽椅子探偵として秀逸で最終話にぴったりな「女子高生幽霊綺譚」が好きです。
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みなさんがおっしゃる通り、バカミス(笑)途中でやめようかと思ったけどなんとなくクセになるf^_^;とにかく怪獣やら宇宙人やら改造人間まで出てくるが、何故そんなのが出現するか…理由は明かされない。どこからきてどこへいくのかも明かされない。くだらないのですが、なんか肩の力が抜ける。ミステリとしての謎解きもちらっとありつつ。それにしても難読名字が多いのが…何回も戻ってしまった。読み終わると、続編ないのかな…とか思ってしまう不思議な本です。