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澁澤龍彦晩年のエッセイ。
プリニウス『博物誌』を引用しつつ、動植物や宝石など、様々なことが語られる……のだが、この引用された『博物誌』、殆ど今で言う『トンデモ本』の類でやたらと面白い。
まさか当時の人も真に受けて読んでいたわけではないと思うのだが……まさかなぁw
大元の『博物誌』、邦訳ってあるのかな。
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その死に方も含めて、プリニウスは澁澤龍彦ご贔屓の学者。ドラコニア城のどこかに研究室を与えてよい気がする。
真摯な学究なのかと思いきや、名高い「博物誌」は後の世でいうトンデモ本だったのか。占星術と天文学、錬金術と化学。動物図鑑もその始まりは怪獣図鑑と大差ない。
あとがきの日付が1986年10月。最晩年の仕事と思えば、感慨 胸を打つ。
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読むと澁澤龍彦も、プリニウスも好きになる。
初めて読んだときは笑いが堪えられず、途中下車してホームで読んだ。
今見るとトンデモない事をもっともらしく解説しているようにも思えるが、世界を知りたい、分類したいという情熱はこんなに昔からあるのだなと感動する。
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世界史の教科書でも紹介されているローマの大学者も、澁澤龍彦が読めば人間味あふれる姿(先人の著述を引用しまくったり、筆が乗るとついさっきまで展開していたペシミスティックな論調を忘れてしまったり)があぶり出されてくる。
エチオピアやインドがなんでもアリの摩訶不思議ワールドになっているのに笑ったが、その一方でどんな事象にも理由付けをしようとする探究心のたくましさに感心したりもする。