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興味深い stap細胞のことが大騒ぎされたのに 人びとはもう忘れたか。DNAの塩基配列の変化を伴わずに 染色体における変化によって生じる 安定的に受け継がれうる表現形 が定義のよう。生命現象の根源に関与
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DNAが後天的にメチル化する・・・といったくらいにしか知らなかったエピジェネティクス。
発生の話や、ハチの役割分担に至る話など、エピジェネティクスが関与しているのでは、というエピソードの解説があり。私が勝手に考えていたよりも、色々な機構に関連していることを知りました。
これからの研究が望まれる分野だと思いますので、この本で得た知識をもとに注目していきたいです。
なお、細かい概念を噛み砕いて解説してくださっていたのですが、教科書とつきあわせて理解すると、私には時間がかかりすぎて読破できないと思ったので、一部読み飛ばしました。。。
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うーむ、確かにとても興味深い。ゲノムが全てを規定している訳ではないというのは確かに生命観に修正をもたらす。…しかし、複雑で難解だ… 現象面の説明は大変興味深いものの、メカニズムの説明は私にはほぼちんぷんかんぷん。
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エピジェネティクスとは、
「染色体における塩基配列をともなわない変化」「ヒストンの修飾とDNAメチル化による遺伝子発現制御機構」
ひとつの概念であると同時に、その概念が関係する現象、ひいては、学問分野をさす言葉
エピジェネシス(後成説)とジェネティクス(遺伝学)の複合語
単純に考える(オッカムの剃刀)
物事を説明するためには、できるだけ仮定を少なく、最短距離で説明すべきである
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リチャード・フランシスの「操られる遺伝子」で未消化だった箇所が次々に氷解!
特に、遺伝子発現の制御について、前書でDNAのメチル化による、とサラッと流されていた(しかも、ヒストンについての記述はほぼ皆無だった)ところ。二章の後半を割いて説明されており、筆者は「ややこしい分子生物学的説明だから飛ばしても」と、三章以降を読み進めるための最低限の基礎知識を二行に要約しているが、個人的にはココがキモ!
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エピジェネティクスという現象について科学初心者にでもわかるように、という触れ込みだけれども、実際は、二章のかなり技術的に深いことが書いてあってなかなか読み応えがあった。難しくて半分くらいわからなかったけど。
ものすごーく簡単に言うと、DNAだけで説明できない現象を、その読み取り方?によって解釈できないか、という学問分野かな。著者も書いているけれど、無限の可能性を秘めているけれど、その実はもしかしたら一部の現象しか説明できないのかもしれない、というくらい、未だ発展途上の生命科学。ただ、実例として挙げられている明らかにエピジェネティクスが関わっている現象(植物の春化)を見ると、そこまで否定的になる必要もないのかなと思う。コンピューターの二進法のように0か1かという単純な議論はできないけれども、何らかの法則に従っているのではないかなと思う。そもそも、生命に二元論はありえないのだし。
論理学的思考で、まるでプログラミング言語を読み解くように解析していけばある程度深くまで理解できるのではないかな?そこにはある強烈な仮説と信念を持たないと、データ量が多すぎて大変な気もするけど。逆に、人工知能などの学習パターンに応用できる現象ではないかなと思う。
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『生命科学者の伝記を読む』というユニークな本の著者の中野徹が自身の専門でもあるエピジェネティックスについて書いた本。
エピジェネティックスは、DNAの塩基配列でない方法で生物の特質が親から子へ受け継がれるというものだ。生物の表現型は、DNAによって伝えられ、獲得形質は遺伝しない、という原則に反する事実があるというものだ。DNAの発現と抑制を行う仕組み - ヒストン修飾やDNAメチル化など - が世代を通して伝わるというものだ。セントラルドグマ - DNAによる遺伝によって伝わる情報からRNA等の機構に基づきタンパク質などの生成が行われて生物個体での特質が顕現するというもの - を破るものとしてエピジェネティックスが注目を集めているように見える。
最終的に、エピジェネティックスに過大な期待を抱いて読むとやや肩透かしを食ったように思うかもしれない。著者も誠実にも書く通り、「エピジェネティックな状態が遺伝することを確実に示す例は多くない」。そのため、「生命観を変えるとまで言うのは少し大げさな気がしている」というのは正しい認識なのだろう。
いずれにしても、このあたりの技術ってすごく面白いし、急速に発展しているなあ、というのが全般的な感想。
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DNAが解析できれば生物のすべてがわかると思われがちであるが、DNAは生物をつくる材料のレシピであるに過ぎず、材料をつかっていかに体を作り上げるかはDNAには記録されていないのである。
そもそも、すべての細胞に同じDNAが入っているのに、なぜ脳や大腸や皮膚や骨の細胞に分化していくのか。
DNAの特定部分はどのやって読まれるのか。
こうした現象にエピジェネテクスが大きく絡んでいるらしい。らしいというのも、まだまだ研究途上の分野で、こういうことに関連しているのではないかと考えられながらも確実に関係すると思われる部分は多くないようである。
そのためか、仲野先生の書きぶりもかなり慎重である。しかしながら慎重に書かれながらもこれはとても応用分野の広い学問ですよ言いたげである。
正確を期すような書かれ方をしているので、仲野先生がもくろまれたような一般読者向けの入門書とは言い難いが、何がわかったことが、何がわかっていないことはということを明確にしているので類似書を読む為の指針になる本といえるでしょう。
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エピジェネティクスのepiは「後で」を意味する接頭辞でありエピソードと言われるとなんとなくそんな気もする。ジェネティクスは遺伝学、同じDNAを持つ双子も育ち方によっては遺伝子の発現に差が出てくる。後天的な遺伝子発現に関わるのがエピジェネティクスでだが最大公約数的な定義が「エピジェネティックな特性とは、DNAの塩基配列の変化をともなわずに、染色体の変化によって生じる、安定的に受け継がれる表現型である。」なのだがこれではなんのことやら。
DNAはヒストンと言うタンパク質に巻きついているのだが、DNAやヒストンが化学的に修飾されることにより、遺伝子の発現が活性化されたり、抑制されたりする。例えばある疫学調査で生まれた時の体重が軽いほど高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高いというのだ。遺伝ではなく母親の胎内にいる時の栄養状態が遺伝子に化学的な修飾を施し生活習慣病を発現させるスイッチが入る。
育てられ方によりストレス耐性が違ってくるという研究もある。ストレスにさらされるとアドレナリンやコルチゾールと言うホルモンが出るのだが、コルチゾールはまず脳の脳下垂体から出る副腎皮質刺激ホルモン(CRH)によって刺激されるが、視床下部にはコルチゾールの受容体がありコルチゾールを受け取るとCRHの分泌が抑制される。つまりストレスによる防御反応が時間とともに減る=ストレス耐性があると言うことだ。そしてラットの実験ではよく可愛がられ、丁寧な親に育てられた方がほったらかしの親より、ストレスにさらされた時の血中コルチゾール濃度が低くストレス耐性がつよい。ほったらかされた方がストレスに強いイメージは間違っているのだ。毛づくろいなどスキンシップを受けるとセロトニンが分泌されどうもこれがDNAの修飾に関係があるらしいというところまではわかっている。
エピジェネティクスのよく知られた例は同じ遺伝子を持ちながらロイヤルゼリーを与えられたメスだけが女王蜂になることや、同じ遺伝子を持つ三毛猫が同じ模様にならないことが挙げられている。三毛猫が一般にはメスだけなのは2本あるX染色体の一方が茶色を発現し、もう一方が茶色を発現しない遺伝子という組み合わせになっているからだ。X染色体の片方は不活性化されるため、茶色かバックグラウンドである黒になり白はさらに白斑を作る遺伝子で決まる。
生命科学における思考法が紹介されているがこれは一般にも当てはまる。
①確実なデーターに基づいて考える。
②単純に考える。
③一つづつ考える。
④できるだけ厳しく解釈する。
⑤できるだけ甘く解釈する。
①〜③は理詰めの部分だが④と特に⑤が面白い。科学者と言うよりベンチャー起業家のような考え方だ。
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特に、2014年の時点でどの現象がどこまで実験的に示されているかについて整理ができてよかった。ただ、ほぼ出典が書いてないのに、広辞苑だけは何度も言及されるのが謎。
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日経サイエンスの記事に刺激を受けて手にとってみた。中身は相当難解ホークスでした。が、何か新しいことを知ることができて読破してよかったという思いはあります。
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DNAの解読が進みクローンやデザイナーベビー等の問題も上がっているが、DNAの配列だけでなく、その発現の仕組みなどまだまだ謎。
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やっと読めた。エピジェネティクス、ロマンがあります。エピジェネティクス制御を本と付箋と伏せ字に例えてあるのがめっちゃ、分かりやすかった。最後の、夢を持って、でも懐疑的にまとめてあるところが良かった。この本が、理系を目指すたくさんの高校生や大学1年生に届けばいいな。
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読みながら思ったのはオートマトン。情報と、インストラクションとの両方を格納できる番地付きの計算機があると演算がどこで停止するのかはわからない。とかだっけ?DNAは最初は、生命の設計図みたいな説明の仕方がされていて、プラモデルファンの私としては、このプラモデルの設計図と照らし合わせてDNAってのはどんなふうに機能するの?たった四つで?みたいに途方に暮れてて、そもそもその設計図ってメタファーがもう全然ダメだったんですが、DNAをオートマトンの一部として読む機構があってこれがエピジェネティクス。すばらしい。ネットワークとしての生命。
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エピジェネティクスについて別の本を読もうと思って横にあった本。
DNAのメチル化が難解で難解も(笑)読み返した。
まだまだこれからの分野でこれからの展開が楽しみだと思った。数年後この本がどんな位置づけになるのか楽しみ。