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初桜木作品。
彼女たちに憑依され心が囚われる。
語りの淡々とした様といったら。反作用が半端なく逃げ場がない。
ああ。どうしよう。
他の作品も読みたいけれど、また大嫌いなバリウム飲んだような気分になるのかな。
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女はみんな心に愚かさを持っている。平凡な幸せから堕ちていく自分に魅せられる心も。
それに気付いているかどうかは別として。
そんな女の愚かしさを描いたら今や右に出る者はいない桜木紫乃に、またやられた。
なぜこうなってしまうのだろう、という問いは無駄だろう。
そうなるようにできている、としか言いようのない、女の愚かで哀しい人生の、それでも前に前に進む強さとはかない美しさに、湿ったため息をまたついてしまった。
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咲子、千春、やや子の母子3代の話である。
暗い? 不幸すぎ? というのはカンジは特になく、ただ置かれた環境をそのまま受け止め、淡々と生きてきたにすぎないのだと思う。
子供をほったらかしにするのはどうかと思うが、それほど情がうすいとも感じなかった。
私も情にうすい人間なのか??
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こういうのを読みたいと思って選んだんだけど、こういうの、よく書くなぁ。という感じ。
なんか、普通に大学出て会社員になり、普通に結婚して子どもが就職する。みたいな人生とのギャップが激しすぎる・・・
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ラブレスに続き、一気に読み終えた。
様々な人生を歩み、その人生を自分のものとして踏みしめている登場人物達の描写に引き込まれた。
桜木柴乃作品らしく、心理描写がキレイな表現で、スーッと入り込んでくる。
感動というか、切ないというか、妙な感情を持たせてくれる作品だった。
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よかったです。
特におススメはしませんが、私は好きです。
桜木さんにしては、明るい暗さだったかなw
陰鬱、ではないから、読みやすいかも。
苦手な人は、苦手だろうけど。
うん、私は、この本好きです。
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あれ、またタイトルに「星」がついてる。
図書館の新着コーナーから借りてきたので意図してなかったんだけど……。
一緒に暮らしいなくても母娘って似てしまうものなのだろうか? その人にある素質というものは母娘で似ていても不思議ではないか。
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内容紹介
いびつでもかなしくても生きてゆく
『ラブレス』『ホテルローヤル』の桜木ワールドを凝縮。
直木賞作家による珠玉の作品集
奔放な実の母親とも、二度目の結婚でさずかった実の娘とも生き別れ、
昭和から平成へと移りゆく時代に北の大地を彷徨った、塚本千春という女。
その数奇な生と性、千春とかかわった人々の哀歓を、研ぎ澄まされた筆致で
浮き彫りにする九つの物語。桜木紫乃の真骨頂がここにある!
【目次】
■ひとりワルツ
つとめ先のスナックに時折現れる優男・ヤマさんに、咲子はひそかに思いを寄せている。
中学生になった娘の千春と再会を控えた咲子を、ヤマさんはデートに誘う。
■渚のひと
医大に通う息子が帰省する。
久々に家族三人で囲む食卓の準備で内職を早めに切り上げた育子。
隣家の千春は、息子が卒業した高校の後輩にあたるのだが……
■隠れ家
ススキノの踊り子・麗香は、兄が帰ってきたら舞台を去ると決めていた。
その夜、8年ぶりに兄が姿を現した。
■月見坂
晴彦は高齢の母親と二人暮らしだ。
商品の苦情を述べた母への謝罪に訪れたスーパーの配達係の女性を見て、晴彦は……
■トリコロール
小さな港町で所帯を持って25年。桐子は夫とふたり、理髪店を営んでいる。
ひとり息子は家業を継がずに街をはなれている。
■逃げてきました
市役所勤務のかたわら、詩作をつづけてきた巴五郎。
彼が主宰する詩作教室に、塚本千春という30代の女が入会してきた。
■冬向日葵
罪を犯し、逃げ続けて何年になるだろう――。
能登忠治が道北の小さな一杯飲み屋の女将、咲子と暮らして8年が過ぎた。
■案山子
東京から北海道・十勝に移住、独りで野中の一軒家に暮らす
元編集者・河野保徳の前に現れたのは……
■やや子
図書館司書の田上やや子は、交際半年の恋人に乞われ、彼の母親と会っている。
内心、彼と別れようと考えているやや子だったが……
内容(「BOOK」データベースより)
奔放な母親とも、実の娘とも生き別れ、昭和から平成へと移りゆく時代に北の大地を彷徨った、塚本千春という女。その数奇な生と性、彼女とかかわった人々の哀歓を、研ぎ澄まされた筆致で浮き彫りにする九つの物語。
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主人公である塚本千春の半生を、彼女と関わった人々の視点から語る短編連作。
母、近所の主婦、先輩踊り子、一人目の夫、二人目の夫の母、現代詩教室の講師、母の恋人、元編集者、そして娘。
同じ人物の話だけど、語り手によって少しずつ変わるその姿を想像するのが、なかなかに面白かった。
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千春をとりまく周りの人間からの目線だけで
書かれているぶん、読み終わってから
余計に千春の内実を深く考えこまされてしまう。
肉親にも、土地に対してもこれだけ淡泊に
捉えることに共感はできないが、
不思議と羨ましくもある。
なんだかやや子の気持ち「他人には分かってもらえないだろうが自分たちが分かっていればいい」
っていうのは分かるような。
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初めての桜木作品。
受賞したホテルローヤルより先にこちらを読んだ。
うわ~、暗い暗すぎる。
でも、人生ってこういうものかもしれないとも思う。
人って繋がってるのよね、どこかで誰かと。
ずっと暗いんだけど、最後はちょっとホッとした。
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桜木さん、またしてもこれですか!
ホント、どうしようもない人達ばっかり。
ろくでもないし、救いようがないし、ときにこざかしい。
でもね、愛すべき人達なんだよね。
彼女の作品の根底には常に“赦し”がある。
どんな非道なことをしてもそこを責める姿勢はない。
そもそも清廉潔白な人間なんてそうそういるもんじゃない。
白黒つけるばっかりが正しいばかりじゃないと思う。
そんな優しさが桜木さんの作品にはあるんだよね。
そこがたまらなく好きだな。
なんだろう、この余裕って昭和な感じがする。
この物語の舞台が昭和40年代ってのもあるのかな。
なんだか懐かしいんだよね、レトロで。
この作品な千春という一人の女性とそれにかかわった人達のそれぞれの物語が描かれている。
連作短編集って微妙だけど、桜木さんは巧いですね。
一つ一つの物語もそれだけで成り立つし、そこから千春の生きざまもリアルに浮かび上がってきて。
ラストの短編「やや子」、良かったです。
最後に希望を残して終わって良かった。
千春とやや子、出会う事があるんだろうか。
気になるところです。
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桜木さんが写す世界は,どこかでいつもさみしい。
だから、引き込まれます。
ああ、沼にいるみたいだなあ、
読みたくないなあ、と思いつつ
勝手に手が動く。
どろりとした人たちの小説。
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彼女自身の思いは本人の口から語られないのに、作中の時間の流れと共に徐々に立ち上がってくる塚本千春という人間像。彼女と彼女を取り巻く人々の人生は、暗い、重い、酷い、悲しい、救いがない、痛ましい、そんなふうに形容することしかできない。それなのに、そんな彼ら彼女らに対して時折ふとよぎる、かけがえがない、という感情。あらゆる人間に対し、徹底して肯定的であることが著者の凄みだと思う。
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短編小説なのだけど、つながっていて、おもしろく感じた。
千春は不幸な女だと思うが、それが淡々と描かれていて、不幸さがより際立っていたように思う。
千春という女がつかみどころなくて、ちょっと不気味だった。