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[江東区図書館]
表紙絵的にはちょっとかもしれないけれど、中身はやはり3年生向けに厳選された良著ばかりなので、読みだしてしまえば、面白がる。ちょうど絵も少ない文庫タイプだし、夜の読み聞かせにいいシリーズかも。
一、二年生に次いで三年生用のも借りてきた。
このシリーズは三年生までしかないみたい。
結果的にうちの子は面白がったし、まぁまぁ良書として活用させてもらってはいるものの、やはり数冊見てくると、選書としては個人的に、斎藤孝さんの類似シリーズの方(「齋藤孝のイッキによめる!名作選 小学○年生」、「齋藤孝のイッキに読める!音読名作選 小学○年生」など)に軍配。陰山さんのはキモチ知らないものが多いのと、著者が被りすぎ(金子みすゞ、きむらゆういち、だけだけど、12作くらい×3冊のみのなかではよほどでない限り全部著者を変えてみたら??)なのがちょっと。選書が前衛的なのか、最新的なのか??あと、この本に収録の「王子さまの耳は、ロバの耳/山内清子」は、やはり一般的な「王様の耳は~」で収録してほしかった。しかも、2年生で「きんいろのしか」をインドの昔話としているなら、これにもそれなりの起源を書いておいてほしい。
ただ、今回ネットで調べてみるとこのお話には大きく二種類系統があるような?
ポルトガル民話だと妖精3人によって、今回のようなロバの耳をもった「王子様」が産まれて、最後はその寛容さと潔さから帽子をとると耳がなくなる、という話で、
古くはギリシャ神話のからの流れでイソップ寓話でも取り上げられた話だと、(太陽神アポロンを侮辱した罪でロバの耳をつけられてしまったミダス)「王様」が、最後床屋を許した(ことからアポロンにも許されて耳がなくなった)という感じ?
ただ、いずれにせよ、現2年の子ども自身、題名をきいて、「王様じゃないの?」と不思議がったように、特に変える必要のない「これまでの王道」についてはさほど修正しない方向性で紹介してほしいなぁ。
■収録作品
・風切る翼/きむらゆういち
・天国か地獄か?のまき/たかどのほうこ
・詩 いる/谷川俊太郎
・つるばら村のパン屋さん/茂市久美子
・詩 わたしと小鳥とすずと/金子みすゞ
・とらときつね/中川李枝子
・魔女の無料一日体験(杖をもらう所から)/あんびるやすこ
・詩 世界は一冊の本/長田弘
・王子さまの耳は、ロバの耳/山内清子
・ケイゾウさんはとぶのがきらいです。/市川宣子
・昔屋話吉おばけ話/杉山亮
・教室はまちがうところだ/蒔田晋治