紙の本
むちゃモン
2015/01/28 23:43
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投稿者:読書豆小僧 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろなヤクザ関係の本は読んでますが、これを読んで山口組の裏側や他者がいかに美化していたかが如実わかる本でした。
また、こういう生き方もあるのかと思いました。
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「憚りながら」「鎮魂」などと同時期に出版された某組織の引退者の手記。
他の引退者と異なり、組織に属していない期間の話が多い。
消費経済への警鐘や労働者人口の3割が非正規という格差社会の問題の解説など興味深い。
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破門されたり、除名されたりして、日本最大の暴力団・山口組
から離れて行った元ヤクザはたくさんいるだろう。しかし、
「今日限りで堅気になるので盃は返します」と自ら切り出した
元ヤクザってどれだけいるんだろうか。
その稀有な元ヤクザが本書の著者である。盃を受けたのは
三代目田岡組長時代。そして16年後には「堅気になるっ!」
と言って山口組から離れて行った。
それはひとえに母の愛に報いる為だった。著者が刺青を入れ
ようと、人を殺して刑務所に入ろうと、涙を流すことはあって
も見捨てることをしなかった母の為に。
元ヤクザの回想録だ。勿論、自慢話満載である。喧嘩の話なんて
お腹いっぱいになるくらい。一番強烈なのは惚れた女性に結婚を
拒まれて顔に硫酸を浴びせたエピソーゾだ。
どんなに「むちゃもん」でも、これはいか~~~んっ。女性よ、
まして顔よ。いや、相手が男性だっていかんのだけどさ。そんな
ことをした上で「外見が変わっても結婚したい」って何よ~。
そんなのまったく男らしくないわよ~。ゼィゼィ。
このエピソードだけはどうしようもなく嫌悪感が湧くのだが、
著者はヤクザじゃなければ強面だけれど面倒見のいいおっちゃん
なのだろうな。
徐々に金権体質に変わって行った山口組に対する厳しい目は、
三代目田岡組長時代に組から離れたからなのだろう。現在の
六代目司忍組長になってからの山口組への批判はかなり手厳
しい。
「原点回帰」と言いながら、やっているのは三代目の墓参りだけ。
田岡組長が唱えた「原点回帰」を目指すなら、それぞれに正業を
持たせ、上納金制度や通販も辞めるべきだと言う。
元後藤組組長・後藤忠政『憚りながら』、元盛力組組長・盛力
健児『鎮魂』(共に宝島社)と、立て続けに山口組直系組長の
回想録が出版された。本書もその流れか。3作品とも六代目
批判なんだよな。
山口組の未来は暗い?それとも、司忍組長には求心力がないって
ことなのか。そうじゃなくても暴対法や暴力団排除条例なんかで
ヤクザさんたちには生きにくい世の中になってるものね。
後藤氏・盛力氏の作品ほどの面白さはないが、ヤクザを法律で
追い詰めるなら彼らを堅気にする施設を作るべきだととの著者
の持論には賛成したいわ。