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「イノベーションの最終解」(Seeing What's Next: Using Theories of Innovation to Predict Industry Change)は、「イノベーションのジレンマ」、「イノベーションの解」に続いて2004年に出版された「シーイング-ワッツ-ネクスト(Seeing What's Next)」の新訳。
2005年9月
「明日は誰のものかーイノベーションの最終解」(宮本喜一訳)
2014年7月
「イノベーションの最終解」(櫻井裕子訳)
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イノベーション3部作の最終巻。競争戦略論としても示唆に富んでいた。原書発行から10年も経過してようやく翻訳されたのは、少し残念。
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クリステンセンの「イノベーション」シリーズ最新刊、とはいっても2004年までのデータなので通信業界の話など少し古い感は否めない。
非常にまとまった形で論旨が展開してあるので、「イノベーション」をはじめて勉強する人にとっては、これまでのシリーズの中では一番読みやすいと思う。
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イノベーションを起こせる企業と起こせない企業、その謎の解明の長い物語の最終解にあたる本書ですが、前2冊を補完するような内容になっています。ので、本書から読むのでしたら、付録に前2冊での主要な概念が載っていますので、そちらを理解してから読まれることをお勧めします。
しかしながら、1冊目「イノベーションのジレンマ」で既存企業は新興の破壊的イノベーションに勝てない理由を明確にされ「じゃあ、どうすれば良いの?」と絶望を感じました。2冊目「イノベーションの解」でその解への希望を持ちそれでもその困難さにぞっとしました。さらに「解」に踏み込んだ3冊目の本書で大分すっきりしたと思います。イノベーションを起こすにはどうすれば良いのか。どんなアンテナを張っていれば良いのか。具体的な例(教育・航空・半導体・医療・通信)の解説と共に身につけることが出来ると思います。
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クリステンセンのイノベーションシリーズの完結編。
「イノベーションのジレンマ」、「イノベーションへの解」に続く作品です。
解説によれば「イノベーションのジレンマ」は破壊的イノベーションに直面した優良企業は正しい経営を行っていたにもかかわらず敗れ去ってしまうことを解説しています。「イノベーションへの解」はその破壊的イノベーションを起こすためにはどうしたらよいか、それを構築するための戦術指南書といっています。そして本書「イノベーションの最終解」は破壊的イノベーションの兆しを見つけて次に起こることを見通すための兵法書といっています。
本書の前半はその見通すためのツールについて説明されており、後半は実際にさまざまな業界でその未来がどうなのかが語られています。
ツールとしては3つ
変化のシグナル を識別する方法
競争のバトル を評価する方法
戦略的選択 でそれぞれ何ができるか
これらを駆使して、教育、航空、半導体、医療、情報通信、など業界を分析しています。
本作で興味を引かれたのが2つ。
一つ目は変化のシグナルででてくる顧客について。
変化のシグナルを捉えるには、3つの顧客集団を評価する必要があるとして、「無消費者」「満たされていない顧客」「過剰満足の顧客」のそれぞれの兆候を見る必要があるといっています。そして、それぞれの顧客集団からどのようなイノベーションが展開されるかが語られています。
自分たちの業界の顧客はいまどういう状態にあり、新規参入はどの顧客にたいして何を与えようとしているのか?を注意深く見ていく必要があると感じました。
もうひとつが競争のバトルで出てくる非対称性について。
非対称として動機付けの非対称、スキルの非対称を解説しています。
新規参入企業は非対称な動機付けの「盾」に隠れて参入する一方、既存企業はその技術を既存のプロセスと価値基準に詰め込んでしまう。
新規参入企業は成長して改良を進め、既存企業は闘争する。そして、新規参入企業は非対称なスキルという「剣」を利用して、最終的には、破壊的イノベーションで新規参入企業が打ち負かしていくことを解説しています。
それぞれの段階のシグナルを見出すことがとても重要。
そして、その非対称性の剣と盾を持っている企業がいたら要注意となります。
本書の付録として、主要な概念のまとめが載っており、おさらいとしては至れりつくせり。その付録さえ読めば
破壊的イノベーションの理論ってなんだっけ?
とか
資源、プロセス、価値基準の理論ってなんだっけ?
とか
がわかります。これがあれば、前作の2冊は必要ないのでは(笑)
さて、最後にひとこと。
前作同様、読みにくかった。
自分の頭が悪いのもあり、読むのにとても時間がかかりました。
さらに、なんか事例が古いなぁって思っていたら、なんと、本作は2004年に書かれている!!10年も前の作品だったんですね。なぜ、2014年に翻訳して出すんだ!!っと思ったら、いろいろ大人の事情があったようです。(解説に語られています)
しかし、まとめの一冊としてはとても重要な一冊でした。
この一冊だけでたぶん十分(笑)
お勧め!
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良い理論ほど実践的だ、とはよく言われるが使いこなせるだけの読解力が要求される。 使いこなすためには、自分のもつ事例で研究しなくてはならない。これらが私の率直な感想だ。幸いクリステンセン教授の扱ったメインの事例が情報通信業界なので、とても有意義だった。 新しい技術潮流で格好の事例を見つけたので、研究してみたいと思う。
経営学理論の教科書としては最高だと思う。論旨の構造が洗練されていて、変化のシグナル、競争のバトル、戦略的選択、環境要因を含めた影響分析の有機的な関係性の論じ方は、やはりハーバードがトップレベルの大学なんだなぁと感じさせる。ちょっと難解すぎたり、アメリカに偏っている感も否めないので、4つとしておこう。
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クリステンセン。2004年ごろまでの分析を元にした理論だが、2014年時点でもよく当てはまる。具体例の解説が米国ローカルなのが解りにくい部分もあるが、米国市場の勉強というテキストにもなる。おなじような仕事をする人にとって、ひと通り読んであることを前提とされる書であることは間違いない。職場の人で読んだことがある人はいるのかな?
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イノベーションは偶発ではない、戦略である。本書では持続的イノベーションと破壊的イノベーションを明確に区別し、破壊的イノベーションのメカニズムを概説する。
破壊を生み出す「無消費」と「過剰満足」のセグメントや、「剣と盾」と称する動機の非対称性など洞察の鋭さが光る。第2部では特定産業が取り上げられており、医療や教育、国家というおおよそイノベーションとは程遠い分野についても理論が当てはまることを検証している。付録の理論構築ステップも面白い。
「イノベーションの最終解」としつつ、更なる理論のブラッシュアップが楽しみである。
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本書ではイノベーション理論をもとに、新たな価値を創出する「イノベーション企業」がビジネスで生き残るための考え方を学ぶことができます。
起業を志す人が増えている中で、ビジネスとして成功を収めるためには業界の動向にも気を配る必要があります。
チャンスを逃さないための戦略構築が、イノベーションを成功させる秘訣です。
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『イノベーションのジレンマ』では大企業がイノベーションを行えない理由、『イノベーションへの解』がイノベーションを起す理論だったのに対して、企業や業界に着目してイノベーションを分析的に見る観察眼の指南書、前半が分析方法を説明し、後半がその分析方法を用いた教育、航空、半導体、通信などの業界の分析の実例、前半がことのほか私には難解でした。
以下メモ的抜書き
RVP理論:資源・プロセス・価値基準が合わさって企業の組織としての強み、弱み、死角を決定。VCE理論:バリューチェーン進化の理論、統合化を進めてほとんどの活動を社内で行うもしくは狭い範囲の活動に特化集中して、それ以外の付加価値活動を他の企業に提供してもらう。統合化アーキテクチャーは柔軟性に欠け、相対的に対応が遅くなる。モジュール型はアーキテクチャーは、分業を容易する反面、製品に要する時間や対応の早さ、利便性という面での性能が犠牲になる。
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日本語版の初版が2014.7.だったので、新し目の本と思って読んでたら、原書はその10年前のものと途中で気づき、やや残念。。
「イノベーションのジレンマ」ほどの衝撃はないものの、まずまず楽しめた。
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破壊的イノベーションが起こるシグナルと起った後の変化(統合化とモジュール化)と政策など外部要因による影響などについてと全2作のまとめの意味も。この1冊でも前の2冊の内容を振り返っているのでまかなえるかもしれないけど、前の2冊を読んでおいたほうがただ学者が言っているだけと割り切れない何かを感じれるかも。
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実際は「最終章」として書かれた本ではないそうですが、名著の「イノベーションのジレンマ」を読んだ後に読むと、つながりがよくわかります。アンケートを実施することばかりに注力して、稚拙な分析をもとにをエビデンスだと言い張られそうな時、または、理論をベースに未来を見たいと思ったら、おすすめです。
違う訳の本もありますが、「ジレンマ」から読む方は、こちらの訳を読む方がいいと思います。
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「イノベーションのジレンマ」からはじまり、「イノベーションの解」と続き、それらのシリーズ最終巻となるのが本書。
「イノベーションのジレンマ」では破壊的イノベーションからどのようにして自身の身を守るか、そして「イノベーションの解」では、逆に破壊的イノベーションを使って、既存企業にいかにして戦いを挑めばいいのかが述べられていた。
本書では、外から業界全体や、その業界内で何が起きているのかを解析、そして予測するために、理論を用いる方法を詳しく解説しています。
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クリステンセンのイノベーション3部作の3作目。
タイトルは「最終解」となっているが、内容的には、1〜2作から連続していて、業界が今後どういう競争状態になるか、破壊的イノベーションが起きやすいかどうかを予測するための方法論とそれに基づく予測という感じ。
内容的には、このシリーズは、だんだん難しくなっている感じがして、かつ真面目な積み上げ的な分析に思えてします。
なんだか、ポーターの分析を読むときに感じる疲れがある。
タイトルに惹かれるが、クリステンセンの本としては、最後に読んでよかったなと思った。