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表紙の「希」の文字が、ただただ眩しい。
業種的にSesson2から読むべきところを、岸さんのとこだけ読了。
対談集の体裁を取った、上質な自己啓発書。
といったところでしょうか。
それは、広告業界で働く人々に向けて、のみならず
メディアに携わるすべての若者に向けた叱咤と激励が詰まっている。
「君らのできることは、本当にそれだけか?」と問うている。
と、勝手に思っている。
Sesson1:広告の枠に収まらず、積極的に広告を超えていく必然性を説いた章。
手段から目的へと化した“広告”のあるべき姿は
言われてみれば「そりゃ、そうだな」と思うほど飲み込みやすい。
それは同時に、容易には成し遂げられないフェーズの話でしょうが、
対話を行う両雄が見ている本質は、また幾層も深く鋭いことでしょう。
ちょうど個人的に考えていた、短期だけでなく中・長期的な変化。
それについて語られた「Chapter2」が、特に印象的だった。
“NIKE+ Kinect Training”にしても、
“鶴屋百貨店”にしても、事例の成り立ちと経緯を知ると鳥肌が立つ。
できることは、まだまだ沢山ある。
やるべきことは、その3倍ぐらいある。
と、熱をもらえる良書でした。
とりあえず、2人とも例え上手すぎ。
ミスター・エグザンプル過ぎるのと
終始アメリカンテイストに包まれた対談の中で、
「百年の計」をブチ込む岸さんがキレキレですね。
「最後は情熱」の章では、勇気をもらう。
答えが明確に無いことが救いであり、希望。
それでは、“間違った忠誠心”を胸に、私は傘造りに戻ります。
【書名】
電通デザイントーク Vol.1
【著者】
レイ・イナモト、大友啓史、嶋浩一郎、岸勇希、高崎卓馬、樋口景一
【内容】
広告の定義はどんどん変わる。
電通の異種格闘技トーク・セッション「電通デザイントーク」が書籍シリーズに。
第一弾は、NYで大活躍するクリエーティブ・ディレクターのレイ・イナモト、
映画監督の大友啓史、そして博報堂のクリエーティブ・ディレクター嶋浩一郎が登場。
電通のクリエーティブ・ディレクター岸勇希、高崎卓馬、樋口景一と
これからの広告とコミュニケーションを熱く語るセッション3本を収録。
レイ・イナモト x 岸勇希では、複雑化した企業や社会の課題を解決するために、
広告の枠に収まらず、積極的に広告を超えていく必然性を説く。
大友啓史 x 高崎卓馬は、大友の監督作品『るろうに剣心』や高崎の手がけたCM作品を題材に、今、物語に必要とされているものを解き明かす。
嶋浩一郎 x 樋口景一では、広告と非広告、マスと非マスの境界線を越えるための「アイデア」について語り合う。
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クリエイティブの最前線で活躍される方々3組み、計6人の方の対談を編集収録した本。いずれの方々も、有名な方ばかりです。
3つトークがあったので、各論について感想を書くのもありかと思ったのですが、むしろ3つに共通して感じたことを描いてみます。
思ったことの一つは、これからは、いかに目先の利益を上げるかということよりも、問題の本質を見極めて解決策を探る事が大切、ということ。
そのためにも、手段に囚われていけない。あくまでも、たとえば広告やクリエイティブも目的を達成するための手段に過ぎないということ。
もう一つは、「リアル」を大切にすべきということ。
世界は多様性に満ちていて、それらは決してデータや理屈では割り切ることはできない。
ひとりひとりの生身の感性に目を向けることが、とても大切なんだなって感じました。
電通の樋口さんのおっしゃっていた、「日本は問題が多いことが資産」という考えかたは、これからの日本を生きていく上で実に興味深いと思いました。
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広告の意義、これからの代理店が目指すべき在り方、企画やアイディアの考え方などエッセンスが数多詰まっている1冊。課題と向き合い再定義を行い、その解決策を垣根を越え横串を刺すように他ジャンルを人々を巻き込みながら、視点を変えるアイディアで解決していく。常に志向のアンテナを張り、本質と向き合うことを続けていきたい。