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別シリーズがなかなかよかったので、こちらも読んでみる。
ちょっとざらっとした手触りの警察小説。別シリーズの主人公である私立探偵も登場する。実はここが一番よかった。主人公をやっているときよりも、ずっとかっこいいのである。
肝心のこちらのシリーズの主人公、刑事さんであるが、なんとなく「いやなやつ」で動き回るが実はちょっといい人で、ってのはお約束通り。「いやなやつ」の感じはわりあい好きなので好感を持てたが、残念ながら扱っている事件に魅力が乏しく、全体としてはもうひとつだった。
2005/11/6
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万年夜勤刑事パウダー。
指を潰された女性の死体。失踪女性。交錯する事件の謎を追って、夜を駆ける。
主人公のパウダーがなんとも爺むさく…。有能なのかそうでないのか、なんとも判断できないうちに話は進んでいく。
冴えない中年男で、でも仕事中毒で回りに煙たがられる同じような境遇のフロストほどのアクはなく。なんとも安城移入しにくい。
それはパウダー始め、登場人物の思考を表すことなく進んでいく筆致のせいでもあるのだけれど、これが妙な乾燥感を作品に与えている。
ぎすぎすした感じが中年男の哀愁を際立たせていて、ミステリとして以上に作品に味を与えているように思う。
本筋の犯人はやや唐突に感じたものの、それでも悪くはない。上
質な警察&中年男の小説。
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アメリカの作家「マイクル・Z・リューイン」の長篇ミステリ作品『夜勤刑事(原題:Night Cover)』を読みました。
アメリカのミステリ作家の作品が続いています。
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〔パウダー警部補シリーズ〕
若い女性が指を潰され、絞殺されるという事件が相次いだ。
インディアナポリス警察の「パウダー警部補」が二つの殺人の関連を追い始めた矢先、女子学生が謎の失踪を遂げる。
錯綜する事件の裏には何が?
都会の夜を守る辣腕刑事「パウダー」登場。
私立探偵「サムスン」を脇役に配した傑作警察小説
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1976年(昭和51年)に刊行された「パウダー警部補」シリーズの第1作… 私立探偵「サムスン」シリーズで脇役だった「パウダー警部補」を主人公に配置したスピンオフ作品です。
若い女性が指を潰され、絞殺されるという事件が相次いで起きた… 捜査にあたったインディアナポリス市警の夜勤刑事「リーロイ・パウダー警部補」は、ふたつの殺人の関連を追い始める、、、
その矢先、女子学生「チェリー・ケイブル」が謎の失踪を遂げた… 錯綜する事件の裏にはいったい何が。
タフで強引、気難しくて苛立ちを隠すことがなく、すこぶる感情的で、部下や同僚や上司を遠慮なく怒鳴り散らし、休日の概念もないような仕事中毒で、同僚からは煙たがられるが、地道な捜査の積み重ねで真相に辿り着く… そして、私生活では妻とほぼ別居状態、、、
部下に一人は欲しい存在だけど、上司にはしたくないタイプ… そんな「パウダー警部補」に共感できるかどうかが、本作品が好きになれるかどうかのポイントでしょうね。
実際のリアルな現場って、そんなもんなんでしょうが… 同時多発的に発生する事件と、その捜査が描かれているので、読む側も複数の事件を頭に入れて読まなくちゃいけないので、やや脳が疲労しましたね、、、
でも、なんだか独特の魅力を感じる作品でした… 本シリーズ、他にも2作品が発表されているらしいので、機会があれば読んでみたいですね。
以下、主な登場人物です。
「リーロイ・パウダー」
警部補
「アレクサンダー・スミス」
部長刑事
「シドニー・スミス」
部長刑事
「デイル・シュリューター」
部長刑事
「ハロルド・サリムビーン」
部長刑事
「ハワード・ブリンデル」
部長刑事
「マルムバーグ」
部長刑事
「ティドマーシュ」
資料課の巡査部長
「ピュー」
警視
「ジョニー・デージャー」
浮浪者
「ベンジャミン・ジェフティ」
高校の校長
「レックス・ファンクハウザー」
高校生
「チェリー・ケイブル」
レックスの友人。高校生
「マキシン・テデスコ」
チェリーのおば
「アデル・バフィントン」
チェリーの保護観察官
「アルバート・サムスン」
��私立探偵
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若い女性が指を潰され、絞殺されるという事件が相次いで起きた。捜査にあたったインディアナポリス市警のパウダー警部補は、ふたつの殺人の関連を追い始める。その矢先、女子学生が謎の失踪を遂げた。錯綜する事件の裏にはいったい何が。都会の夜を守る辣腕刑事パウダー登場。現代ハードボイルドの雄が、私立探偵サムスンを脇役に配し、怒り、迷い、恋に悩む男の姿を描く傑作警察小説。
27年ぶりに再読。やっぱりパウダー警部補のぶっきらぼうなキャラクターがいい。
しかし、他の作品は絶版なのです。
表紙のデザインは変更になっていました。
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マイクル.Z.リューインは、アメリカの作家である。アルバート・サムスンという私立探偵を主人公にしたシリーズ、そして、リーロイ・パウダーという警部補を主人公にしたシリーズを、私はよく読んでいた。ミステリー、あるいは、ハードボイルドと呼ばれるジャンルの物語を書いていた。ウィキで調べると、1942年生まれであり、まだご存命のようなので、今年81歳を迎えられる。作家としての活動は既にされてはいないようで、一番最新の作品でも、2013年のものであり、今から10年前のものである。
アルバート・サムスンシリーズの一番古い作品である「A型の女」は1971年の作品なので、今から半世紀以上前に書かれたものである。ハヤカワのポケミスでシリーズとなっており、調べてみると、「A型の女」のポケミスでの発売が1978年で、それでも、45年前のことである。
私がリューインをよく読んでいたのは、1990年代のことだったと記憶している。当時は、ミステリーとか、ハードボイルドと呼ばれるジャンルの本ばかりを読んでいた。リューインは、その中でも好きな作家の1人だった。
最近では海外のミステリー・ハードボイルドを読むことはほとんどなくなったが、それでも、書店に行くと、ハヤカワのポケミスや文庫本のコーナーの本をチェックしたりする。ポケミスは大きな書店では昔のものが置いてあることもあり、まだ知っている作家の本があるが、文庫の方は、昔よく読んだ作家の本はほとんど見つからなくなっている。気のせいか、ミステリーの書棚に占める割合も減っているような気もしなくもない。あまり人気がなくなりつつあるジャンルなのだろうか。