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自閉症にかかわるこれまでの概念や理解が大きく変わった本。劇的な出会いの本である。様々な人に心から読んでほしいと思う。
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「僕がどんなに高く跳びはねても、それは一瞬のことで、すぐに地面に着地してしまいます。…しかし、思考は、どこまでも自由なのです。何の制約を受けることなく、空の彼方に舞い上がったり、深い海にもぐったりすることができます。」はじめに、より引用したこの数行、言葉を綴るというのは尊い。理解する、というより感じる本。
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東田さんが度々自然と融合するような感覚になるというような事を書かれていますが、私にもなんとなく理解できます。おそらく他の定型発達(いわゆる普通の人)もそうではないでしょうか。空や光や雨、風に草木が揺れる様子などを見ていると、なんとも言えない心地良さを感じます。(余談ですが、映画『フェノミナン』でジョン・トラボルタ演じる、ある日突然特殊能力を持った男が、風に揺れる木を眺めて、まるで自分もその木になったかのように体をユラユラと動かしているシーンがとても好きです。)おそらく、自閉症の方はその感覚を私の数倍、数十倍、強く感じているのではないかと思いました。
これだけ賢く、理性も知性もあるのに、話す事が出来ない、行動をコントロールする事ができない東田さんの辛さ、もどかしさというのは、相当なものだろうと思います。日本では「人と合わせる」事が出来るかどうかが、生きやすさ・生き辛さを大きく左右すると思います。他者に同調する事で自分の居場所を確保し、それが出来ない人は排除してしまおうという考え方は、私はしたくありません。親も、脳や体の作りも、生まれ育った環境も、みんなそれぞれ違うのだから考え方も行動も違って当然だと思います。他者を理解しようとする気持ちを育む為には、これから子供達にどういう教育をしていけば良いのか、自分達がどう変わっていけばいいのか。この本を読んでいなければ、こういう事を真剣に考える事もなかったかもしれません。
私はまず、相手の事を知ることから始めたいと思います。
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正直驚きました。
自閉症の彼が見る世界は、風景の見え方も時間の認識も違う。
彼の言葉には、twitterで流れてくるような、ちょっとオレ賢そうなこと言って世相を斬ってやったぜみたいな軽薄さは微塵も感じられない。
彼の思考は跳びはねているかもしれないが、思考する量が半端ではないはず。
その生き方は地に足がつく芯の通ったものに違いないでしょう。
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前作前々作と拝読していて、海外大反響&NHK放送を機に最新刊が出たということで嬉しくゲット。22歳になりより洗練された世界観にさらに感動を深くしました。当事者本がとても好きで有り難く頂戴しているのですが本作もその最たるものです。
本当に美しい。そして、世界は本当にそんなふうになっていると思う。
私にも飛び跳ねたくなる気持ちがあります。いつまでも空を見つめていたい気持ちや、水に触れていたい気持ち。突然叫びだしたくなったり、こだわったり気になったり。むしろ、私がそれをしないのは何でだろう、ということが気になってしまう。でもそんなことはどうでもよくて、なんかわかるわかる、あれってそういうことだったかもしれない、なんて思いながら読めたことが、何よりも幸せでした。
私も東田さんのようにありたい。そんな風に世界を生きていたい。
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重度の自閉症である著者の感性の豊かさ、思考の深さに衝撃を受けました。自分が自分の思うようにならないもどかしさ、切なさはいかばかりか。空や自然と一体化する感覚が分かりそうな気がしてとても好きです。
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障害者が書いた、素晴らしい本。
と、構えて読むと、あれっ⁉︎と感じていたかも。
テレビで予備知識があり、東田さんの思いを見せてもらった気分。よし、がんばろう!と不思議に思えてきた。
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「誤作動」という言葉が、まず頭に浮かびました。
魂が人間に宿るとしたら、その人間=「入れ物」は選べないだけのことで、中身は何ら問題がないのです。
と、ここまで書いたところで、「誤作動」というのは、上からの物言いだと気づきました。
正常とは何なのでしょう。
誤作動ではなく、「特徴」に過ぎないということだと思います。
そういう特徴を認め合い、かつ自分自身の特徴も受け入れられれば、もっといい世の中になる気がします。
僕にも「何でこう考えてしまうのか」「何でこういう行動に出てしまうのか」など、コンプレックスという名の特徴がありますが、そこを受け入れるところからスタートです。
しかし正直なところ、イライラしているときにそういう考え方でいられるかは、自信がありません。
心の中で、呪いの言葉を吐いていることなど、しょっちゅうなのです。
「こうあるべきだ」「こうでなければいけない」という概念にとらわれすぎなのかなと思います。
とすると、正常なはずの僕と筆者を比べれば、明らかに筆者の方が自由で豊かです。
すぐには無理ですが、自分を受け入れることで、周りの人も大切にできるようになりたいです。
本文中の、特に印象に残った一節を載せます。
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行動に悪意がないのは、自分が一番よく分かっています。僕は、僕自身のために生きることを決心しました。
社会のルールを守るための練習は続けなければいけませんが、たとえできなくても、落ち込む必要はないのです。毎日の生活の中で重要なことは、注意された今日とは違う明日が来るのを、信じ続けることです。明日に希望を求めるのではなく、今日のやり直しを明日行うのです。
善い人間に近づくために、僕は今日を積み重ねていくつもりです。
(『悪い人間』~第3章「他者とともに」より)
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なんとなく手に取りました。面白い。うまく会話できなくても、こんなことを考えてらっしゃるのか!と驚きでした。なんか他の人に対する見方が変わったかも。
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職場関係の方に頂いた本。
とても読みやすくあっという間だった。
インタビューも丁寧に書かれていて良かった。
時間の感覚、線として繋がっていなく点であるとか
人の風景の一部で、自然界としてとてもフラットだなと新鮮な価値観を与えてもらった。
それにしても会話ができない彼に文章を書く才能があることはとても夢があると思った。
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もう、22歳になっていたんですね。自閉症の僕が跳びはねる理由から読んでいました。内面も更に豊かに成長し、私たちに何をどのように考えているのかを伝えてくれています。
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発声言語や音声によるコミュニケーションが出来ない自閉症者が書いたもの。
内容的には,本当に言葉が話せないのかと思ってしまうほど,豊かな内面世界が描かれている。そうした内面世界や思考を特別な技術を使って言語的に表現しているが,そうした思考言語はどうやって生み出されるのだろうか。他の自閉症児者も音声言語は持たずとも,思考言語を持っているのだろうか,それはどうやって形成されていくのだろうか,などといろいろと考えてしまった。
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東田さんの本は 自分では表せなかった気持ちを的確に表現していて、そうなのか!と納得する事や、うんうん 、これが言いたかったのだ!とか、自分の中で意識した無意識で誤魔化していたものが言い当てられてしまい、白旗を上げる様な気持ちになったりさせられます。 しっくりする言葉の数々に 沢山気づかされ、教えられています。
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★2014SIST読書マラソン推薦図書★
所在:展示架
資料ID:発注中
本を読んで読書マラソンに参加しよう!
開催期間10/27~12/7 (記録カードの提出締切12/12)
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最初は異世界を体験するような感覚で面白かった。ハンディキャップの有無に関わらず、他者の感覚に触れるのは面白いと思う。
ただ、同じ調子で繰り返される“自閉症患者の世界を分かって下さい!僕らは苦しいんです!”的なメッセージに途中から辟易とし始めた。
そんなもん、健常者にだってあるわ!誰もが自分と他者との間にある乖離に苦悩しながら生きてるし、そんな中で他者と相互理解を深めることにこそ生きる意味があるとさえ言える。
これは編集サイドの問題も大いにあると思う。
ハンディキャップを有する人間は、その文化を担う権利を有している存在です。
確かに彼らにとって生きにくい世の中なのでしょう。だからこそ得られるものだってある筈。
彼らは決して“可哀想な存在”ではない。
そんな扱いも振る舞いも僕は許容しない。