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サイバーパンクのアンソロジー。
ギブスン、スターリング等のサイバーパンク創世時の作品も興味深いけど、やっぱり 0 年代以降の作品の方がなじみ深いかな。
間に攻殻機動隊が挟まっているのが影響しているのかと思います。
あの作品でサイバーパンクが印象づけられたからなぁ。
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2014年に公開されたサイバーパンクSFアニメ映画「楽園追放」の脚本家・虚淵玄氏が影響を受けたサイバーパンクSFを集めたアンソロジー。ぶっとい帯には、「再び、サイバーパンクの時代がやってきたと感じている」との氏の詞書付き。収録作はこちらのとおり。
「クローム襲撃」ウィリアム・ギブスン
「間諜」ブルース・スターリング
「TR4989DA」神林長平
「女性型精神構造保持者〈メンタル・フィメール〉」大原まり子
「パンツァーボーイ」ウォルター・ジョン・ウィリアムズ
「ロブスター」チャールズ・ストロス
「パンツァークラウン レイヴズ」吉上亮
「常夏の夜」藤井太洋
不肖鴨、もう30年近くSF者をやっておりますが、サイバーパンクという「ジャンル」は前世紀で消滅したと考えています。現在のSF、いや現実世界において、かつてジャンルSFとして描き出されたサイバーパンクの世界観は、既にひとつのバックグラウンドとして日常に組み込まれていると思っています。それでもなお、サイバーパンクをSFの一ジャンルとして捉える意義とは、ひとえにもぅ「文体のカッコ良さ」だけなんじゃないかとヽ( ´ー`)ノ
そういう意味で、冒頭のギブスン「クローム襲撃」は完璧な作品ですね。とにかく「カッコ良さ」だけを追求した作品。本当にカッコいい、痺れます。そこに多少の思想を加えたスターリングまでがたぶんピュアなサイバーパンク。それ以降の作品は、鴨的には「サイバーパンクっぽい別の何か」でした。こうしてならべると、何故か不思議とフェアリィ・テイルっぽい読後感の作品が多いんですよね。
このアンソロジーを編むきっかけとなった「楽園追放」というアニメを鴨は観たことがありませんし、残念ながら興味もないのですが、これを機会にサイバーパンクを振り返るアンソロジーを出版できたということは評価できると思います。
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サイバーパンクといえばルビ。読みにくいのでノレない作品だと苦痛になる。吉上亮のパンッアークラウンの前日譚が良かった。続きを読んでみたい。
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久しぶりのSF短編集
傑作選ってことで、サイバーパンクものをむさぼってみる。あまり好きな分野ではないから、不安を抱えながら進める。
オープニングは苦手な「クローム襲撃(ウィリアム・ギブスン)」。うん、さくっとギブアップ。
「間諜(ブルース・スターリング)」もよろしくない。
既読の「TR4989DA(神林長平)」は奇抜なエンディング意外は好きだ。機械目線がすばらしく、それだけで他を圧倒している。
都市を管理するコンピュータ同士が結婚してこどもが、、、この段階でしらける「女性型精神構造保持者(大原まり子)」はパス。
かなり荒っぽい言い方だが、改造人間の活躍もの「パンツァーボーイ(ウォルター・ジョン・ウィリアムズ)」も、視点が普通の人間であることに違和感を感じる。改造人間なら、その考え方は今の人類の延長であるはずがないではないか。
「ロブスター(チャールズ・ストロス)」はタイトル通りロブスターが、、、。パス。
「パンツァークラウンレイヴズ(吉上亮)」はやたらルビだらけ。それがいいと思ってるのか?サッパリ面白くない。
サイバーものは、新しい価値観と考え方が無いと違和感を感じる。ドローンを擬人化してしまうのはあり得るし、自身の第六感が拡張されてってのもわかる。それにより、価値観が変わるはずなんだが、そこをそのままにしたサイバーはあり得ない。今回はおもしろくない。
「常夏の夜(藤井太洋)」
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「サイバーパンクアンソロジー」と聞いて即買いしてしまった。
サイバーパンクブームは高校生の頃(トシがバレる)。思春期の私にギブスンはネットワークの未来を見せてくれた。今、私がパソコンを使う仕事をしているのは紛れもない、サイバーパンクのおかげなのだ。
ギブスン、スターリング、ウィリアムズはリアルタイムで読んでいた。今はほぼ絶版とは悲しいばかり。
他は神林長平、藤井太洋がよかった。
大原まり子は、単に私がコメディが苦手だからであって、他の作品ならきっといけるはず。
吉上亮は読みたい本リストに上げていた作品なのだが、少し考えてしまう。ラノベや同人誌に近い文体で読みやすいが苦手である。
全体的に良質な作品揃いでサイバーパンク世代にも、新しいファンにも受けるのではなかろうか。
ギブスンの作品ではネットワークとつながるのに「デッキ」だったあたり、時代を感じられて面白い。
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サイバーパンクはSFの中でもとっつきにくいジャンルだと思う。本書にある作品は比較的読みやすい方なのではないかと。
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リアルタイムでサイバーパンクを経験した世代にも楽しめた短編集
正直、ギブソンやスターリングは暗さと訳の分からなさで衝撃は受けたが、楽しめたかどうかは別
最近、SFから距離がある身には後半の最近の国内作品は嬉しい出会い
早川良い商売してますね。だが、アニメの名前なしに出なかったのは時代か。
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久しぶりにサイバーパンク読んだ。
ギブスンの「クローム襲撃」がもはや古臭く感じるけど、でもやはり良いなぁ。
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内容紹介
劇場アニメ「楽園追放-Expelled from Paradise-」の世界を構築するにあたり、
脚本の虚淵玄(ニトロプラス)が影響を受けた傑作SFの数々――
W・ギブスン「クローム襲撃」、B・スターリング「間諜」などサイバーパンクの初期名作から、
藤井太洋、吉上亮の最先端作品まで8篇を厳選収録する。
「楽園追放」の原点を探りつつ、サイバーパンク30年の歴史に再接続する画期的アンソロジー
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劇場アニメ「楽園追放 -Expelled from Paradise-」の脚本家、虚淵玄氏が影響を受けたとされるSFを集めた短篇集。
こんな本が出版できたもはアニメの売り上げがよかったからだと思われるのでなにより。
収録作品は次の通り。
ウィリアム・ギブスン「クローム襲撃」
ブルース・スターリング「間諜」
神林長平「TR4989DA」
大原まり子「女性型精神構造保持者(メンタル・フイメール)」
ウォルター・ジョン・ウィリアムズ「パンツァーボーイ」
チャールズ・ストロス「ロブスター」
吉上亮「パンツァークラウン レイヴズ」
藤井太洋「常夏の夜」
収録作品のその後の展開をまとめると次のような感じ。
「クローム襲撃」を拡張したのが「ニューロマンサー」で、その後、「カウント・ゼロ」「モナリザ・オーヴァドライブ」に続く。
「TR4989DA」は「プリズム」の第2話。
「パンツァーボーイ」は「ハードワイヤード」の第3章。
「ロブスター」は「アッチェレランド」の第1部第1章。
「パンツァークラウン レイヴズ」は「パンツァークラウン フェイセズ(3冊)」の前日譚。
ということで、本短篇集をきっかけにサイバーパンクの世界へどうぞということらしい。
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なにより神林長平が最高だった!
あとはハイワイアードとかもかっこよい。
クローム襲撃もクールだなー。
というか巻末で大森望がサイバーパンクの例として忍殺を挙げているのに驚き。キャッチアップしてるのか・・・
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「楽園追放」というアニメを見たことないし、知らなかったけれど、著者リストに好きな作家が並んでいたので購入。
吉上亮というのは初読もしくは、読み流した作家か?
大原まり子を読んだのは昭和以来かも??
マストバイリストに入っている作家の作品と見慣れぬものや、好みじゃない作家の作品が混じる”サイバーパンク”なるシロモノ…良くわかっちゃいないって分野らしい…
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サイバーパンク傑作選。
30年も前に書かれた作品が、こうも現実になっているなんて!ウィリアム・ギブスン達の想像力にびっくりです!
更に後半の現代の作家達。電脳空間のテクノロジーを使ったイキイキとした生活。
テクノロジー解説本も良いけど、こっちの方がよっぽどイマジネーションを刺激してくれます。
最後の「常夏の夜」なんてもう、このハッカソンの高揚感、最高!!
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最初の6篇だけ読了。チャールズ・ストロス「ロブスター」と次点でブルース・スターリング「間諜」が面白かったが、他はあまり惹かれるものがなかった。チャールズ・ストロスは確かな知識に裏付けされた内容に、文章の面白さも加わり結構好みだった。長編も読んでみたい。
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いろいろな作者による短編集8編
それぞれ味わい深いが,ウォルター・ジョン・ウイリアムズの「パンツァーボーイ」が良かった.
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信頼の大森望によるサイバーパンク傑作選ということで。テーマ別傑作選みたいなものを最近いくつか読んでいて思ったことだけど、つい「これってサイバーパンクかね??」というツッコミを編者に対してしたくなってしまうが、そういうのは往々にして多分封印したほうが楽しめる。
編者による解釈で、つまり広い意味でサイバーパンクなものを集めているものと考えて、それぞれ設定違うけど楽しんでみようと。
この手の作品は状況理解の難易度が高くて、「ちょっと何言ってるかわかんないです」状態に陥りがちなんだけど、そこは反復によってSF筋を鍛えていきたいところ。
流石なギブスン、スターリングで幕開けし、最後の『常夏の夜』も良かった。SFの中でもサイバーパンクは特にお作法というか、お約束というか、マナーがあって、それらをこういう短編集を通じて理解していくと、ちょっとニヤリとできる感じがあったりして、楽しいのです。
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クローム襲撃 ★★★★☆
* オートマチック・ジャック:おれ。修理屋
* ボビイ・クワイン:ジャックの相方。カウボーイ。金庫破り。
* リッキー・ワイルドサイド:ボビイの女。
* フィン:故買屋の店主。
* クローム:マフィアグループ、ザ・ボーイズの一員。女。
* 超危険人物クロームの資金を奪って飛ぶという話。
間諜 ★★★★☆
* ユージーン(スプーク):軌道財閥体の工作員。
* レプリコン社:〈統合 (シンセシス)〉加盟企業
* マヤ復興派:反体制の新興宗教組織。レプリコン社と対立。
* エミリオ・フローレス:医師。〈統合〉の支配を免れている半独立医療センターを運営。非重要キャラ。
* ジョン・オーガスタス・オーウェン:非重要キャラ。
* アナトーリャ・ジュコーワ:女スプーク。
* 1回目は「ちょっと何言ってるかわからないです」状態だったけど、2度目を読んだ時、ああ、これはすごい話だなと。
* レプリコン社がユージーンにマヤ復興派の壊滅を依頼する。しかしマヤ復興派へ潜入した後捕らえられ、実はユージーンも元々反体制派で洗脳されていたことを知る。そこでユージーンは自らの本名・過去を思い出すが、大量殺人犯としての過去より、洗脳された自分を選択し、マヤ復興派を壊滅させた。
TR5989DA ★★★★☆
* TR5989DA:浮遊都市制御体の1ユニット
* マーター:マスター
* マーターから切り離された不良モジュールの葛藤。
女性型精神構造保持者 ★★☆☆☆
* テッキー君とキップルちゃん〈彼女〉
* ウサノ師:日本人協会の宗主
* 狼少年
* シーラ(猫少女):狼少年の彼女
* ちょっと何言ってるかわからない。
パンツァーボーイ ★★★☆☆
* アルカーディ・ミハイロヴィチ・ドラグノフ:ロシア人のブローカー
* カウボーイ
* カウボーイという密輸屋が、敵に追われながらアメリカ大陸を横断する。短編集『ハードワイヤード』の中の一作らしいので、背景がちょい分かりづらいけど、カッコいい。(サイバーパンクというより)MAD MAXのような世界観を想像しながら読んでた。
ロブスター ★★★☆☆
* マンフレッド・マックス:アイデアマン。特許を取得しては人に譲り渡す。
* ロブスター:FSB(ロシア連邦対外情報局)のAI。人類圏から亡命したいという。
* パメラ(パム):マンフレッドの元フィアンセ
* ジム・ベジエ:神経力学の専門家。ベジエ=ソロス社という研究所を持つ。
* ボブ・フランクリン:起業家
* アイヴァン・マクドナルド:パブリックアート屋。オゾンホール焼け。
* 握手で電子指紋を交換し、お互いの素性を確認できたり、指先同士を触れることで電子名刺とIMのアカウントを交換できる、みたいな世界が楽しい。
パンツァークラウンレイヴズ ★★★☆☆
* 御手洗憧:15歳の女子中学生。私生児。
* Un Face:行動制御技術。市民に最適な行動を指示する
* Co-HAL:都市の住民が装着しているインターフェイス
* 識常末那:事故で父を失う。憧が惹かれた人。
* 社美弥:オーガニックだが、街を出た人。層現失認を患っている。
* 社公威:美弥の父。
* 御手洗恋:憧の実母
* 御手洗勇:憧の実父
* 周藤速人:憧の実父を殺した男。
* 白奏 (ホワイトジャズ) テロ組織。周藤引き入る。
* 黒花 (ブラックダリア) テロ対策組織
* かつての東京、層現都市イーヘヴン市が舞台。わさにサイバーパンクという設定と文体。しかし、憧が周藤に取り込まれて終わるという後味最悪なバッドエンドは欲しくなかった。本編の『フェイセズ』に続くらしいが、ちょっと大丈夫です。
常夏の夜 ★★★★★
* タケシ・ヤシロ:ライター
* リンシュン・ウォン少尉:シンガポール軍の女性士官
* カート・マガディア:量子コンピューティングのエンジニア
* 台風で被災したフィリピン・セブにて。量子コンピューティングで起こりうる世界を予測に成功してしまった世界。