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KADOKAWAとドワンゴの合併劇の痛切な批判。というよりも、あれはコンテンツとインフラの合併ではなくて、インフラとインフラの合併である、KADOKAWAに一次商品などほとんどない、と。原作ありきだったメディアミックスから、原作と二次創作が同一レベルになっているメディアミックスへ。
多元的な発話、文化に内在する文化生成システムを私企業に管理させるな、というのが両者合併への批判です。僕は彼らにそれほどの力があるとは思えないのですが、しかしワカモノたちのニコニコへの打ち込みぶりをみると、そうとも言えないかもしれません。
集合知の中で自由に発言しているつもりがさせられている、ということは往々にしてあり、発言させられる隷属は利用者には巧みに隠蔽されています。だけれどメディアミックス的なものに慣れた僕らは、それが政治的メディアミックスであっても割と容易に受け入れてしまって、かくしてメディアミックスはプロパガンダに変容しうるのです。
そういう視点でもう一度考えてみると、確かにプロパガンダが染み込んでいく土壌が着々とできているではないですか。やはり黙っている教養、というのが一番むずかしい時代、な気がするよ。