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ピアノを弾く哲学者 サルトル、ニーチェ、バルト みんなのレビュー
- フランソワ・ヌーデルマン (著), 橘 明美 (訳)
- 税込価格:2,640円(24pt)
- 出版社:太田出版
- 取扱開始日:2014/11/29
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紙の本
愉快な哲学エッセイ
2016/07/18 11:36
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投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
副題にある通り、サルトル・ニーチェ・バルトの3人の哲学者・思想家の思想や思考・哲学的な手法についてピアノと言う楽器を通じて内面を描くような作品だった。
音楽についての知識は0ではないだろうが素人と思える自分自身がピアノを弾きこなしたこの3人の哲学者の音楽的趣向やその依存度合いについて論じることはできない。
唯、音楽と言う形態ではなくピアノと言う1つの楽器に絞って哲学的に迫る本書のような本は初めて読んだ。
今まで読んだ哲学者の伝記の類は思考の系譜として文学を取り上げることや例えば性癖のようなものの傾向を求めるものはあったが音楽だけでも珍しいのにピアノに限定されるとチョッと読んで情景が思い浮かばない。
文中では「鍵盤を指でなぞる」と言う表現から「打鍵」と表現など、様々に紹介されているのだが音楽は好きだが苦手で楽器などは40年ぐらい間にギターを一時習ったと言うか、担任から教わったぐらいで後は御多分に漏れず小学校のリコーダーぐらいな記憶しかない。
歌を歌うよりは楽器を弾くテストの方が気が楽で点数も良かったと思うが、家ではお袋が時折クラシックをラジオかカセットか、レコードプレーヤーは我家にはなかったのでそうやって聴いていたと思う。
クラシックのコンサートには幼児、連れて行かれあの静粛性を乱さないように何か食べるものかオモチャかで釣られて、ヒタスラ黙々と聴いていたらいつの間にか終わっていた。
曲の間中、自分は席で爆睡していたらしい、と聞いた気がする。
弟が一緒でなかったような気もするが。
この3人の哲学者がピアノに秀でていただけでも自分には驚きだったのだがこれまでピアノと関わったり趣味やそれ以上に嗜んでいた哲学者は他にルソー・ヴィトゲンシュタイン・アドルノ・ジャンケレビッチなどが譜面を読み、自らも演奏をして音楽を分析していたと言う。
これまた初耳で哲学者の以外な一面を垣間見れた気がする。
帯にもあるが「いっこうに上達しないショパンを弾くサルトル
驚くほど美しく繊細な手で弾くニーチェ
ピアノを弾いていると「何かが勃起する」バルト
ピアノ演奏をこよなく愛した三人の思想家の知られざる側面を浮き彫りにする、哲学と音楽が豊かに共演したエッセイ」
とある通りだと思う。
ニーチェに至っては作曲まで手掛け、音楽家として立つことが出来ずに哲学者に変更したと言うのだが、それであの膨大な量の哲学書と難解な著述が出来るのかと不思議になってくる。
物凄く意外感の多い哲学エッセイだったと思う。
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