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予想していたよりたくさんのものを内包していて、そのどれもが微かにながれてゆくようで、妙に胸をつかんでいく。
この人の極限をさらりと描く文体、好きだなぁ。
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そもそも私はミステリーというジャンルのファンではない。だからミステリーとしての構成がどうこうということは言えない。でもなんだか近藤史恵がずっと以前から好きだ。
かつて、デビュー作「凍える島」や「ガーデン」の、身をえぐるような陰鬱なミステリーによって近藤史恵を印象づけられた。だからこの人の真骨頂は、今でも箱庭的な舞台で展開する、極限の心理描写だと私は思っている。
面積の上ではハワイ諸島最大といってもオアフ島に比べれば田舎、ペーパードライバーには移動困難なハワイ島という「島」がまず密室で、たった6室、リピーターなし、3ヶ月までという特殊な条件付けがなされたホテル。わくわくする舞台立てだ。
昔から知ってます風なことを書いてきたが、実を言えば近藤史恵を読むのはひさしぶりだ。
この作家は、絶望的な状況を鮮明に描き出す、乾いた筆致が魅力だと思っていた。心理描写こそ、と思っていた。
だがホテル・ピーベリーを読むと、和美さんの作る食事や折々に出てくるコーヒーも(味覚・嗅覚)、ハワイ島の風景(視覚)も、静けさ(聴覚)も、めまぐるしい気候や情事(触覚)も、この人はこんなに具体的に魅力的に世界を描く素晴らしい力量の作家だったのだと改めて気づいた。
私にとっての近藤史恵を、その筆の運びをほどよい長さで堪能できた、という意味で大満足ではあったが、主人公の昔と今のそれぞれの恋について冷静に考えると、嫌悪を催す人もいそうなので、人に勧めることはしないと思う。
お気楽な観光で良い、ハワイに行きたい!
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旅行のお供に。人間簡単にレールなんて踏み外すんですねえ...家族を持つとそんなことできないけど、もし独身のままだったら自分もあてもなく放浪していたかもしれない。
希望として、登場人物のその後も描いてほしい。
サクリファイスシリーズが好きなので贔屓目もあるけど、表現が美しい箇所多し。
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どう生きるべきか、生きたいか的な内面の探求とミステリーとしてのお話のトリック的な面白さの2つの強いベクトルが働いている。それぞれのよくできているのたが、食べ合わせの違和感があるような気がします。なんか贅沢な文句言ってスミマセン。
とても楽しく読ませていただいた小説でした。
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2016/1/25
ハワイには行ってみたい。
ハワイ島の大自然いいなぁ。
和美さんは逃げ切ってもいいよ。
蒲生は屑だし、正直主人公もキモイなぁ。
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名作が多い近藤史恵さんにしては、正直言って駄作?と思ってしまうような内容だった。少なくとも、『サクリファイス』から読み始めた初心者には薦めない。なぜならば、かなりコアなファン向けの内容だと思うからだ。
私は、本を読み終わると、先ず、読書メーターの感想・レビューを記入する。今回、この『ホテル・ピーベリー』を読んだ後、いつもとは異なり、自分の感想を書く前に、他の人の感想・レビューを読んでしまった。キャッチコピーに書いたように、私はこの作品を面白いとは思えなかったのだが、この作品にたどり着いた近藤史恵さんのファンたちは、本当に深く読み込んでいて、読書を楽しんでいた。
作家が読者を育て、読者の視線が作家に次の作品を磨かせる。そんなアライアンスが、近藤史恵さんと読者との間に構築され、それぞれの心の中にで、作品が完成する。という理想的な関係になっていることがわかった。
そう、作品は出版されただけでは完成しない。作家の描いた世界と、読者の経験が共鳴したとき、作品は、ようやく完成するのだ。作品が面白いか、面白くないかは、読者の人生が面白いか、面白くないかにも左右されるのだ。
さあ、それではそろそろ、食わず嫌いで積読になっていた歌舞伎ものの扉を開いて見ようかな♪
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現代アートっぽい意味深な表紙の写真に惹かれて手に取ったこの一冊。
プールへ飛び込む青年の背中は健康的なはずなのに、画面全体がどこかアンバランスな空気で不安な気分になる…そんな写真です。
よく見ると著者は「サクリファイス」で体育会もののイメージがある人だったので少し意外でした。
ハワイを舞台にしたミステリー、
そんな売り文句でしたが、読み終わって印象に残ったのは青春のもやもやです。
加えてぼんやり遠くに煌めくキラウェア火山の溶岩を夢に見ながら悪寒に震える感触でした。
ハワイが舞台なのに太陽や陽気さがほとんど出てきません。
確かに殺人事件が起こったりするけれど、恐らく主題はそこじゃない。
主人公は小学校教諭を辞職したばかりの青年で、彼の一人称で語られます。
心に傷を負った彼が悶々としながらもそれなりに濃密な時間を過ごす中で物語は事件によって不穏な空気へ、そののち再びほろ苦く甘いものへ…。
ハワイなのに気分は全く南国になれない。
もやもやとくもりのち小雨の日のような、湿度に包まれた一冊です。
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なんか淡々とした中で進行していくミステリーでした。
ハワイが寒いなんてびっくりさせられたり、ピーベリーってコーヒー豆の種類なんだとミステリー以外のところで楽しめました。そして美味しいコナコーヒー飲みたくなりました。
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2016.10.8購入
ハワイ島ヒロにあるホテルを舞台にした話。
ミステリーとしては普通、
主人公を始め宿泊客の様子やホテルのオーナーとの関係など小説として面白かった。
「長すぎる夏休みは人の心を蝕む」という本の帯のキャッチだが、このようなところにのんびり3ヶ月滞在したい。
(図書館)
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読んでいて、今の共感できる箇所がたくさんあることに驚きを感じた。教訓になりそうな台詞もあり、ためになるなあと読んでいけば、なんというミステリーになるなんて。この人の作品のイメージと違う、というほど読んでないが、こういうのもありでしょう。
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たんなるホテルの滞在記かと思いきや、意外な展開に。
面白かったし、ハワイ島絶対行きたい!って思った。
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近藤史恵さんも大好きな作家さんのひとり。
この本で26冊目になる。
作家さんを好きになる理由は様々。
近藤さんの場合は、その文章。
近藤さんの書かれる文章は美しい。
そして、すんなりと心に入り込んでくる。
この本もそうだった。
ハワイ島にあるホテル・ピーベリー・
日本人夫婦が経営する長期滞在型ホテル。
部屋数は6室。
宿泊できるのは一度きり、期間は3か月、リピーターお断り。
木崎淳平は元小学校教師。
仕事を辞め、長い休みを持て余したとき、友人にホテル・ピーベリーへの滞在を勧められる。
木崎がピーベリーに落ち着いたころ、事件は起きる。
木崎が”元”教師になったわけ…
事件の真相…
さらさらと読み切ってしまったミステリー。
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とある事情で失職した主人公は、気晴らしにハワイを訪れ、小さなホテル「ピーベリー」で日本人旅行客四人と共同生活を始める。やがて、ひとり、ふたりと不可解な死を遂げる旅行客。謎めくホテルに秘められた真実とは―。目を惹く装幀や、主人公の鬱々とした心情、登場人物の欺瞞が不穏な空気を漂わせる中盤はスリリングだが、急展開な終盤と事件の真相にはやや拍子抜け。しかし、登場人物の抱える心の空虚感には思わず共感。特に男性特有の鬱屈した承認欲求の描写がリアルでどうにもむず痒かった。今週末にピーベリーコーヒーを買いに行こうと思う。
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小学校教師を辞めてハワイへやってきた主人公、当然なにかワケあり。宿泊先はわずか6部屋のホテルで、リピーターは一切受け付けない。
中盤にさしかかるまではミステリー色がなく、主人公のいわゆる自分探しの旅のよう。しかしその後、宿泊客のひとりが死亡、続いてもうひとり。事故として片づけられるも、主人公は事件ではないかと疑うわけで。
私には想像できなかったトリックで、その点では鮮やかです。ただ、好感の持てる登場人物がほぼ見当たらず、共感はしづらい。主人公だって、ロリコンのうえに熟女(とまでは行かないけれど)まで、何でも来いの兄ちゃんだから、ちょっとキモさを感じてしまうのでした。
ハワイが舞台だから、燦々と照りつける太陽の下、カラッとしたミステリーを想定していたら、それは人びとが勝手にハワイに思い抱くイメージなんですねぇ。最後まで飽きずには読みましたけれど、気持ちは明るくなりません(笑)。どんよりしたいときにはいいかも。
確かに、長すぎる休みはよろしくない。
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ミステリーですが、私としては今一つ。ちょい暗いし、人間の執着というものを感じてキモいかな。帯に衝撃とかあったけどそうでもない気が