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情景が溢れてきます。
2016/03/12 23:27
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投稿者:38mos - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマを観ているように、すっと入り込んで読めました。目の前にその家族をみているような感覚。楽しい、あたたかいお話でした。
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本業が脚本家の方が書かれた小説だからなのか、短い台詞のラリーがけっこう長めに続くあたりはちょっと脚本っぽいのかな、と思いながら読んだ。
(ドラマが先で小説が後なのかも)
読みやすくて、ページ数のわりにかなり早めに読み終えたような気がする。
幼い頃目の前で大好きな父親に家出された経験を持つ桜木一歩は、家族というものに不信感を抱きながら、30歳を過ぎても定職につかずレンタル家族という稼業に身を置いている。
ある日依頼され仕事に赴くとそこにいたのは実の妹で、「結婚が決まったから相手の両親に紹介するための家族をレンタルしたい」という妹の思いと行動から、バラバラだった四人家族が変わり始める。
自分を捨てた(と思っている)父親への、一歩の複雑な感情が物語の主軸。
もう顔も見たくないけれど、やっぱり会いたい。もう二度と一緒に暮らすのは御免だけど、本来家族は一緒にいた方がいいことは理解している。
一歩と同じ境遇で育ったはずの妹・ほの香はまた、父親に対してはまた少し違う思いを抱いているというか、許す気持ちが強いように思えるのは、性別の差なのかこれから結婚するという境遇からなのか。
二人の母親はまたひとつの秘密を抱えていて、夫である二人の父親の帰宅を心のどこかで待ち続けている。
レンタル家族って実際ある商売だと思うけれど、お金を払ってその“ふり”をしてもらうものだと分かっていても頼んでしまう人の多さに、人間の孤独を感じる。
依頼する人たちに、本物の家族が残っている場合も多いのに。
家族はやはり、離れすぎてしまうものではないのかも、と思う。
血の繋がりが保ってくれるものなんて本当は少なくて、そこには大きな努力が必要だから。
読みやすくハートフルな小説。
しばらく積ん読になっていたのだけど、何がきっかけで買ったのか思い出せずにいる。笑
“レンタル家族”に興味があったのかも。
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ドラマから作られた作品ということもありセリフが個性的な印象で、登場人物のキャラクターが想像しやすかった。離れ離れだった家族がまた家族になっていくまでがおもしろく描かれていて、とても心温まる。