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2015/05/10 23:28

投稿元:ブクログ

日本の巨大な国家負債について、それが永遠に持続可能ではなく、早期に財政再建に取り組まなければ大変な事態に陥ると警告する論はよく耳にしますし、それについて書かれた本もいろいろ読みましたが、現実には国債の金利は低いままですし、どうも「危機」に対する実感が湧きにくいというのが正直なところです。
ただ、「永遠に持続可能ではない」ことは理解できても、「では、いつ、どういう条件下で破綻が起きるのか」については、これまで十分に説得的と言える説明を聞いたことはありませんでした。
が、この本では、いくつかの十分合理的と言える仮定を置いたシミュレーションで、消費税を10%までしか上げなければ、2020年代半ばには民間の貯蓄総額が跛行された国債購入に必要な総資金を上回って国内消化できなくなること、その場合海外投資家に残りを買ってもらわなければならなくなるが、そこまで財政が悪化し、しかもさらに悪化を続けることが予想される以上金利に大きなプレミアムをつかなければならず、それによってさらに急激に財政が悪化することになるのでまもなく「財政危機」に陥るであろうことが、実にリアルに説明されていました。
また、今後成長率を高めることができても、たしかにそれで税収は増えるものの、その分金利も上昇することとなるので、増税や歳出削減をせずに財政危機を免れることは結局できないこと、したがって、消費税の増税と社会保障費の削減は結局絶対に避けては通れないことが、初めて心から納得できました。
増税と福祉のカットが政治的に難しいことはよくわかりますが、残された時間があとたった10年しかないのであれば、それを国民に十二分に説明して必要な措置を講じることは、政治の責任ではないのかと強く思わされました。
これまでなんとかなってきたから、これからもなんとかなる、ものでないことは、どうやら間違いないようです。消費税率15%~20%、年金支給開始年齢68歳などは、今から覚悟しておいた方が良さそうです。

2015/05/24 18:15

投稿元:ブクログ

 本書は、日本の国家財政の維持可能性について、(中央政府の)一般会計と国債/GDP比率を取り上げて、具体的に財政危機がいつ来るのか?について書かれた論文” Is the Sky the Limit? Can JGBs continue to defy gravity?”(Hoshi Ito 2013) http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/aepr.12023/abstract (抄訳→ http://www.jcer.or.jp/j-fcontents/report.aspx?id=BJZSKKRZ6UTI72R5SRGWF6I7PHIQT83H WP→
https://www.jcer.or.jp/academic_journal/aepr/pdf/AEPR%20Working%20Paper_3_Hoshi_Ito.pdf )の内容をアプデートし、解説・紹介したもの(具体的には、「第5章 日本の債務はどこまでいつ可能か」)。

 現状のままでは維持可能性が否定されることが経済学会のコンセンサスかと思われますが、これまで財政危機の具体的な時期まで明確化したものはありませんでした。
(2009年までの先行研究のサーベイとしては、『財政の持続可能性と財政運営の評価』(加藤2009)http://www.esri.go.jp/jp/others/kanko_sbubble/analysis_05_01.pdf と、『財政赤字と財政運営の経済分析』(畑農2009)http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641163447 第2章が判り易いです。また、確率的動学モデル(ルーカス・ツリー・モデルの応用)で維持可能性を満たす確率のカリブレーションを行ったものでは、『日本の財政の維持可能性のカリブレーションによる検証』(櫻川・細野2011)http://web.econ.keio.ac.jp/staff/masaya/dl/forthcomingpaper/sustainable.pdf があります。)
 日本では、近年国債の大量発行により債務/GDP比率が急上昇している一方、国債利回りは低く抑えられたままですが、これは国内民間貯蓄が潤沢で金融機関を通じて国債購入に回っていたため、と考えられます(第4章)。本書では、民間貯蓄が国債を買い支え切れない様な高い債務/GDP比率(「民間貯蓄の天井」)に到達する時=買手がいなくなり債務危機が発生する時期、と定義し、いくつかの前提(一部パラメータは回帰分析で推定)を置き、シミュレーションを行っています。
 この結果、消費税を少なくとも15%まで引き上げなくては、2020年代半ばに財政危機が起こるケースが多くなりますが、20%まで引き上げれば、殆どのケースで維持可能、となります。(深尾先生は、「少なくとも消費税で20%引き上げに相当する50兆円程度の歳出削減ないし増税が必要」http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/12j018.html と仰ってます。) 
 また、伊藤先生は、金融政策については、2013年の「異次元緩和」や2014年の追加緩和は「正しい政策」とし、「デフレからの脱却、2%インフレ目標の達成のために金融政策が大きな役割を果たすのは当然」としながらも、長期的には金融政策(アベノミクスの第一の矢)は、潜在成長率の引上げ、生産性の向上、実質賃金の向上には無力であり、金融政策が実質金利をマイナスにしている間に、第二(中期的財政再建)、第三(成長戦略の実行)の矢を放たなくてはならない、としています。即ち、2015-6年は非常に重要な2年間になるとし、具体的には、①2015年夏までに経済財政諮問会議において、プライマリー・バランスを2020年までに均衡させる、2020年代半ばまでに黒字化する、という方針を立てる、②マイナンバーを早期に総合所得の把握に役立てることで、負の所得税導入等、社会保障給付の不正防止を容易にする、③消費税をインボイス方式に移行、④成長戦略の実行(2015年度法案成立)を挙げておられ、①については、オリンピック前の2019年4月に消費税15%引き上げを提唱されてます(P.260-261)。(5/12の日経では、2018年にプライマリー・バランスの赤字幅をGDP比1%にする中間目標にする様ですね。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS11H4N_R10C15A5EA2000/ )

ところで、伊藤先生の2月の講演の記事について、クルーグマン先生は、納得できない、とされ待てます。↓
マクロ経済的量子トンネリング
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20150227/macroeconomic_quantum_tunneling

ノア・スミス先生は、2012年の星・伊藤論文http://www.nber.org/papers/w18287 について、デフォルト・シナリオが最も有り得る、としています。
Financial repression, Japanese style
http://noahpinionblog.blogspot.jp/2012/08/financial-repression-japanese-style_13.html

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