投稿元:
レビューを見る
以下引用
うたは神への訴えを語源にする
竹久夢二;
まてどくらせどこぬひとを
宵待草のやるせなき
こよひは月もでぬさうな
長谷川利行
昼明るき街角がある
凡そ、歩き疲れて来る街角がある
街角には昼の電灯は灯らない
しんじゆくのまるやの
女あるじが油彩を描くから
と云つて、愛光と
そのキヤフエで、
麦酒を飲む。
心の酔に、きうらどが欲しい
村上塊多:
走る走る走る
黄金の小僧ただ一人
入日の中を走る、走る走る
ぴかぴかとくらくらと
入日の中へととぶ様に走る走る
走れ小僧
金の小僧
走る走る走る
走れ金の小僧
川上澄生:
かぜとなりたや
はつなつのかぜとなりたや
かのひとのまへにはだかり
かのひとのうしろよりふく
はつなつのはつなつの
かぜとなりたや
棟方志功;
あおもりはかなし
かりけり
かそけく
も
田沼
に渡
る
沢写の風
山口薫:
なんとなく
わびしき日かな
この屋並
独り身の
わびしき日かな
今日去りぬ
君に来てくれと
いうのでもなく
さびしく
人を恋うる日もある
誰を?
それがわからない
一杯の酒
松本峻介:
絵筆をかついで
とぼとぼと
荒野の中をさまよへば
初めて知った野中に
天に続いた道がある
自分の心に独りごといひながら
私は天に続いた道を行く
正岡子規:
病む我を
なぐさめがほに
開きたる
牡丹の花を
見れば悲しも
宮沢賢治:
もうけつしてさびしくはない
なんべんさびしくないと云ったところで
またさびしくなるのはきまつてゐる
けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさと
内的違和感でものを生み出す
日本人の特性なのか、整理癖というか、詩人とか、画家とか、どうしても分類しないと気が済まない