紙の本
姫というには重すぎて、事件というには軽すぎる
2016/02/02 22:05
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投稿者:ぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりの「事件」シリーズ、とてもワクワクしながら読みました。
読む前までは
「タイトルからして、どんな攻撃も受けない姫のその謎を暴くんだろーなー」
等と安易に思っていましたが、全然スケールが違いました。
本書では今までのシリーズに出て来た主要人物の親族・関係者や、世界的組織を作った
創設者とも言える人物がたくさん出てきます。いかんせん、前巻との間が空き忘れて
いる部分が多く、つながりを全て把握できないのが口惜しいと思えるほどです…
本書は4代に渡って「無傷姫」と呼ばれる人物が統治?した「カラ・カリヤ」という国が
舞台です。戦地調停士EDが初代「無傷姫」の日記を読むところから物語は始まります。
読んでいるうちは、まるでその国の歴史を見ているようで(もちろんその中心には姫が
いるのですが)「これのどこが事件なんだ…?」という感じでした。
読んだあとも、正直これが「事件」であったとは思えません。
「事件」どころの話ではありません。そんな言葉では済まされない次元です。
確かに4代目の時に「事件」ともいえるべきことは起きるのですが、4代「姫」というものを
生み出したのは前代「姫」があったからで、その3代「姫」という人間を作ったのは…という
感じで、全ては繋がっているのです(厳密に言うと「無傷姫」を創るのは国民なんですが)。
あまり詳しくは書けませんが、この「系譜」っぽい感じは「海賊島事件」みたいなところが
あり、こちらはより「歴史(カラ・カリヤ史)」寄りでそういう壮大なスケールを味わえたと
ころが良かったです。あと、中心人物となる「無傷姫」が4人いる事もあってかいろいろな人
物との会話が多く、そこも上遠野作品好きとしてはポイント高いです。
魅力的な人物もたくさん出てきます。(いかんせん故人も多いですが)
始めのカラーページも、読み終えた後ではまた違った風に見えます。
また「事件」シリーズを始めから読み直したくなります。
まだ読んでいない方は、できればシリーズを軽く読み直してから読んでいただきたいです。
紙の本
独特の世界観
2016/01/17 12:41
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投稿者:LED - この投稿者のレビュー一覧を見る
上遠野浩平氏の作品の中でも独特な異世界が舞台のシリーズ。
ミステリーとファンタジーの要素が強く、受け入れない人はついていけない。
が、好きな人にはたまらない。まさにエンターテイメント。
紙の本
待ちに待った「事件」シリーズ最新刊
2016/02/03 22:20
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投稿者:Natsu - この投稿者のレビュー一覧を見る
長いブランクの後,待ち望んでいたが,期待を裏切らない重層的な構造の卓越した事件だった。レギュラーメンバーの露出は今回多少,少なめかも知れない。
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
無傷姫というタイトルと表紙の絵に興味を持ちましたが、内容は少し複雑でした。本文が上下2段に分かれているので読みにくく感じました。
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上遠野浩平の本はファンなのである程度は読んでいるのだが、それでも最後の展開にはいつも「してやられたー!」と思ってしまう。
今回の「無傷姫事件」もその中の1つ。
上遠野浩平があとがきで述べているように、「お姫様」というものに対して、女の子は憧れを抱くもの(らしい)だけど、実際はどうなのか?という問いへの答えとしての本だと思う。
このお話に出てくるお姫様みたいな生き方は、かっこいいなぁ、可憐だなぁと思う一方で、「英雄」とか「主人公!」って感じではなくて「お姫様」でもあるのが自分の中では素敵だと思った。
また、物語も非常に面白いのだが、やはり「事件シリーズ」の最新刊であり、長い間待っていた甲斐もあって、今までの事件シリーズの総集編や、ブギーポップとかの「上遠野ワールド」とのつながりも深い、ファンなら思わずニヤッとする描写もあって大満足の作品である。
また、話を忘れてしまったときに読み返したいと思う本だ。
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あまりに久しぶり過ぎて、ああ未だ続いていたのかという感と登場人物と物語の背景が分からなくなっていたが読み始めると、そもそものこの世界の成り立ちや、登場人物の背景が明かされてたという結構なネタバレ的な話であり、だとするとすっかり忘れてしまった過去のシリーズを読み返したくなった。
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『「事件」シリーズ』(「戦地調停士」シリーズと言うべきか?)久しぶりの最新作。
今作はあるひとつの国がひょんなことから成立し、そして解体されるまでを描いている。ミステリというよりは群像劇っぽく感じた(最後にミステリっぽい仕掛けはあるのだが)。
ところで、今作でまたイラストレーターが交代していた。個人的には最初の人の画風が一番好みだったな……。
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久しぶりの事件シリーズ。このシリーズは風情があって好きですね。ファンタジーとSFの風味が良く絡み合っています。話の中核謎(無傷姫)はすみません、あまりピンときていないのですが、雰囲気が楽しめれば良いかと。
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ううううー…ああー…やっぱりこのシリーズ大好き……。
受け継がれるものとか。竜とか。約束とか。ああー弱いんだそういうの……。
しかしあの3人への親しみ深さはなんなんだろうな。登場するだけで嬉しくなっちゃうもんな。
とりあえず、メープルシロップをたっぷりつけたパンが食べたい。
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なんとも言えない、と言うのが読み終わった直後の感想でした。
20代後半にこの方の著作から離れ、おそらく数年ぶりに読んでみたのですが、
自分の思春期との解離をまざまざと見せつけられるばかりでした。
中学生の時は、上遠野さんは愛読書で手垢がつくほど読み込んだものですが。
あの頃の揺れてばかりの感性だとピタッとはまったのですけどね。
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三部作だと思って読み始めたシリーズの何故か5冊目。
しかも、どうやら6作目らしいのですね
いつの間に……!!1
これはもう……ミステリじゃないのですよね?
ちょっとした秘密を暴くラノベなのですよね?
面白かったは面白かったのです。
キャラクター的に初代しか愛着湧かないカナー?なんて思ってたのですけど
それぞれの姫にそれぞれの愛すべき個性とドラマがあって
名言と決意と受け継いだ想いがあって
登場人物たちの歴史があって
こう言うファンタジーラノベ風と言うと、子供の頃に読んだ『風の大陸』が真っ先に浮かぶのですけど
恥ずかしい自分の黒歴史と共に、その頃のwkwk感とか雰囲気に夢見た気持ちとかも思い出したのでした。
そしてこのシリーズの好きな部分。
各章前にある名言や格言なんかはとても好きなのです
そして掠って来る、関係性のあるそれぞれの歴史。
この辺は本当wkwkしてしまうのです。
読んでない本を見てしまったら、きっとまた買ってしまうのです……ora
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ミステリ要素はなくなってしまったが小説としてはおもしろかった。
個人的に初期の頃のようなEDがいっぱい活躍する話が読みたい。。。
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「事件」シリーズは本当に久しぶりで、
世界設定とか人物像とか諸々をほとんどうろ覚え状態だったので導入部分で思い出しに苦労した。
それはさておき
「無傷姫」という象徴を継承させていく物語である。
初代はまだ、その名にふさわしい驚異的な能力を持っていたが、代が進むにつれて、徐々にその名前はただの
シンボルと化していく。
しかし、どの代の姫たちにも、共通して存在していたのは初代ハリカの奔放かつ素直な性質だった。
そういう意味ではこの物語は初代ハリカ姫の物語で会ったということが出来るのではないだろうか。
さて、次の「事件」シリーズが出るのは果たして何年後か…
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2022.3.13実は再読
甘いものと可愛いものは正義
私は3代目推し
何気に世界の歴史が色々と出ているし、あの人の性格やら何やらが発覚している
このままブギーポップなどなどの再読へ行きたい
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戦地調停士シリーズの6作目。
前巻も読みかけだったのでこれを機に読み進めることができた。
新作が出るタイミングはわからないが、前作揃えて持っていられるのは結構幸運だと思う。
次回の「奇帝国事件」が今から待ち遠しい。