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日経コンピュータさんのレビュー一覧

投稿者:日経コンピュータ

233 件中 1 件~ 15 件を表示

2002/06/17

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ソフトウエアのテスト・プロセスを改善するための実務書。
テストの概念そのものの見直しを求めた上で,プロセス改善の必要性を考察。さらにCMM(能力成熟度モデル)と同様の手法でテスト・プロセスの改善を試みる「TPIモデル」の全体像と具体的な利用方法を解説する。ITシステムのテスト担当者には,参考になるだろう。
 大規模化,複雑化するITシステムにおいて,品質は重大な意味を持つ。テスト作業をより徹底的かつ効率よく実施する指針として,著者はTPIモデルを提唱している。TPIモデルとは,リードタイム,コスト,品質などの観点からテスト・プロセス改善を進めるアプローチ。現行のテスト・プロセスの長所と短所を明らかにする効果も持つ。
Copyright (c)1998-2001 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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紙の本ザ・ゴール 2 思考プロセス

2002/04/23 22:16

2002/04/08

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ビジネスや人生の局面で難題にぶつかる。あるいは何か重大な決断を迫られる。多かれ少なかれ,人はこうした場面を迎える。
 そんなときの問題解決手法についてヒントを与えてくれるのが本書『ザ・ゴール2』である。著者はイスラエル出身の物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士。自らが提唱する「TOC(セオリー・オブ・コンストレインツ=制約条件の理論)」を小説仕立てで,平易に解説している。
 著者は前作『ザ・ゴール』で,やはり小説の形を借りて,TOCを工場の生産管理へどのように適用し,どのような成功をもたらすかを示した。昨年出版された同書がベストセラーになったことは記憶に新しい。
 その続編である本書は,TOCが生産管理の側面だけでなく,マーケティング,人間関係の改善,ひいては企業経営全体に応用できる可能性を秘めていることを示唆する。
 訳者によれば,著者は「『TOC=生産管理の手法』と一般に受け止められることを危惧」しており,「本書によってTOCがより広範囲な領域の問題解決に適用できることを示そうとした」。
 著者の目的は,見事に達せらたと言ってよい。TOCをはじめ,「思考プロセス」,「現状問題解決ツリー」,「好ましくない結果」,「雲」といった難解そうな理論や手法が,説得力をもって語られている。小説として読んでも,実にスリリングで面白い。そしてストーリーを追っていくだけで,自然とゴールドラット博士が提唱する理論を理解できる。
 これがもし小説仕立てでなければ,途中で飽きてしまったり,理解が不十分な読者も出たことだろう。おそらく評者もそうなっていた。このあたりの著者の工夫はなかなかで,評者は360ページにもおよぶ本書を一気に読まされてしまった。
 本書のストーリを簡単に紹介しておく。主人公は前作と同じく,機械メーカー「ユニコ」に勤務するアレックス・ロゴ。『ザ・ゴール』で,TOCを生産管理の現場に適用し,工場閉鎖の危機を見事に切り抜けたアレックスは,その後の10年間で順調に出世し,今ではユニコの多角化事業グループを統括する副社長として活躍している。
 ところがある日アレックスは,社外取締役からとんでもない宣告を受ける。ユニコ社本体の格付けを上げるため,本業とは関連の薄い多角化事業会社,すなわちアレックスが掌握している子会社3社を売却してしまう,というのだ。
 この3社はTOCをうまく活用し,ようやく事業として育ってきたところだった。このまま売却されてしまえば,元も子もなくなってしまう。しかも自分は職を失う。何とかしなければ…。
 前作同様,いきなり危機に直面することになったアレックスは,再びTOCを徹底的に活用して,この難局を切り抜けようと,各子会社の経営者とともに立ち上がる。そんなアレックスに,次々と難題が降りかかる。結果は読んでのお楽しみだ。
 生産管理の現場にいる方はもちろんのこと,企業の経営者をはじめ,より広い層の人に是非とも読んでいただきたい。
Copyright (c)1998-2001 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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2001/10/22

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 タイトルは少し刺激的だが,実際は,コンサルタントの選び方や使い方を記すことで,活用を勧める本。文章は平易で読みやすい。コンサルタントを活用するためには,コンサルタントを雇う側の企業の努力が欠かせないとして,対処法を具体的に解説した。
 現役コンサルタントが執筆しており,当事者ならではの視点による有益な指摘も多い。なかでも複数のコンサルティング会社から意中の1社を選ぶためのコンペティションの進め方と,コンサルタントが作成した報告書の読み方,などについての指摘は非常に実践的。
 コンサルタントとの付き合い方について,もう少し踏み込んで説明されていればいっそう良かった。
Copyright (c)1998-2001 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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紙の本世界最強企業の研究戦略

2001/05/23 18:19

2001/05/21

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米IBMや米ゼネラル・エレクトリック(GE),独シーメンスなど,世界的な有力企業における研究活動の実態を描いた。著者は「企業ではよく研究開発(R&D)というが,研究と開発はまったく別」と指摘する。「研究は新しい技術や製品の芽を創造する作業。製品を開発するのとは異質の能力が必要だ」。
 それを示すため,研究段階から品質管理を徹底するGEや,1億ドルもの資金を投じたIBMの新コンピュータ研究プロジェクトなどの取り組みを詳細に解説する。著者は『ビジネスウイーク』誌の元技術報道責任者。綿密なインタビューと調査に裏打ちされた内容は読みごたえがある。研究者はもちろん,研究活動を指揮する立場にある人にも薦めたい。
Copyright (c)1998-2001 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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紙の本オブジェクト指向再入門講座

2000/10/26 00:23

2000/10/3

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 オブジェクト指向の基礎概念と関連する主要技術について幅広く解説した。“再入門”というタイトルが付いているが,過去にオブジェクト指向を学習した経験がなくても読める。初心者は,第1〜3章で解説されているオブジェクト指向の基礎やその歴史的背景から読み進めるとよい。
 “再入門”を希望する読者にとっては,第4章「オブジェクト指向システム開発の基礎再入門」以降の章が役立つだろう。ここではインターネットを利用した会議室予約システムの構築を想定して,そのビジネス・モデルや分析モデル,設計モデルなどの構築方法と考え方について述べている。オブジェクト指向プログラミングの大枠を理解するのに有用な一冊である。(坂口)
Copyright (c)1998-2000 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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紙の本ブロードバンド時代の制度設計

2002/06/19 18:16

2002/06/03

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 日米を代表する情報通信の研究者8人が,ブロードバンド時代にふさわしい規制政策のあり方を書き下ろした論文集。技術を社会の中でよりよく生かす制度の設計を目指して,産業論の観点から規制改革の本質に迫った。
 通信と放送の融合を目指した「水平分離」論を巡る,日本政府とマスメディアの論争は,米国では30年以上も昔に起こった話である。この規制改革に関する象徴的なエピソードを踏まえ,インターネット規制,電波行政,ユニバーサル・サービスとデジタルデバイド政策,インターネット・ガバナンスの意義と変容,次世代インフラとしてIPv6などを取り上げる。米国での例を参考に,産業育成の仕組みとしての政府のあり方を探る。
Copyright (c)1998-2001 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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2002/06/03

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 EJBコンポーネントを駆使したWebシステムの構築技法を解説。Java/EJBの基本技術,コンポーネント指向モデリングの技法,情報システム開発に関する実践技術という三つの観点から,説明している。
 EJBコンポーネント指向の背景と技術概要,フレームワークに基づくEJBコンポーネント指向システムの開発の実際や事例,コンポーネント・システムの生産性を評価する技法や,コンポーネント流通に向けた課題などにも触れている。
 日立製作所に在籍する現役の技術者らが執筆を分担している。初心者だけでなく,ベテラン・エンジニアやシステム設計者,管理者などが,それぞれの興味に応じて必要部分を選んで読めるように工夫している。
Copyright (c)1998-2001 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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2002/06/03

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 不況下で着実に業績を伸ばしている日立ソフトウェアエンジニアリングの経営の秘密に迫ったノンフィクション。
 日立ソフトの二代目社長として登板し,親会社を超える優良企業に育てあげた佐藤孜つとむ・現会長の半生を通じて,同社を成功に導いた氏の人生観や経営に関する考え方を浮き彫りにする。
 IBMスパイ事件の影響で意気消沈する日立ソフトの社員が,強い意志と大胆さ,東北人らしい粘り強さを持つ佐藤氏の下で変わっていく姿は,読んでいて気持ちがいい。単なるビジネス書の範疇を超え,生き方のヒントまで教えてくれる。
 著者は,佐藤氏と旧制弘前高校のクラスメートであったこともあり,描き方はまるで小説仕立てだ。
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2002/06/17

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 10年ほど昔,東京大学教授の月尾嘉男氏が「ギガの時代」というコンセプトを唱えたことがあった。「パソコンのプロセサの動作周波数,メモリー容量,通信速度がギガヘルツ,ギガバイト,ギガビット/秒をそれぞれ超えると,インターネット経由で高品位な動画像を自由に扱う環境が整う。だからコミュニケーションに質的な変化が生じて,生活やビジネスが決定的に変わるだろう」という主張だった。ただし,10年前の時点では月尾氏にも「どう変わるのか」という具体的なイメージはなかった。
 現在,プロセサとメモリーはこの条件を満たしつつある。通信速度も1ケタ低いが100Mビット/秒の光ファイバが家庭に入りつつある。本書は,こうした条件がそろったことでやってくる社会を「サイバー・ネット・コンピューティング(CNC)」と命名して,その具体像を展望している。そうした意味では,10年前の「ギガの時代」コンセプトの続きを考察した本と言ってよいだろう。
 CNCとは,筆者らの言葉を借りると「情報通信インフラの整備が進展するとともに,ネットワークを介したコンテンツおよびサービスの提供がビジネスとして成立し,普及する社会」である。これだけでは「何を今さら」ということになってしまうが,その特徴を「所有と使用の分離」だとする指摘は面白い。プログラムもコンテンツも,さらにはコンピューティング・パワーですら手元に置くことなく,必要に応じてネットから引き出すようになるというのである。
 DVDを買ってもそれを何回見るのか。パソコン用のソフトウエアを購入してもそれを実際に何回利用するのか。そう考えていくと,プログラムやコンテンツをネット経由で本当に必要とするときだけ利用するという考え方には,確かに一理ある。インターネットを利用した分散コンピューティングも,いくつかのプロジェクトがすでに動いている。あと一押しすれば,確かにネット全体に対価を払って計算能力を購入する仕組みに到達できそうだ。
 本書は,さらに進んでCNC実現のために必要な要素を抽出している。「オープン・スタンダード」である。今後はワープロ独自の文書ファイル・フォーマットではなく,XMLに代表されるオープンな文書規格やMPEGに代表されるオープンなデータ・フォーマットが重要になるという。
 この考え方はBtoB(企業間電子商取引)のビジネス情報交換のフォーマットにまで及ぶ。ビジネスにおける情報はそれまでの仕事の手順と密接に結びついている,筆者らはオープン・スタンダードを使ってビジネス情報を交換するには,仕事の内容に対する理解と高度なプログラミング技術を併せ持ったプログラマが必要になると主張する。
 1990年代末のITバブルの時代には,「ネットワークで社会が一変する」と言われていた。ところがバブル崩壊とともに威勢の良い予言をする者はどこかへ行ってしまい,最近はとんと見ない。しかし,本当の意味での社会の変化は,インフラが整いつつあるこれからなのかもしれない。
 自分の仕事の未来像を思い浮かべるために,ビジネスパーソンなら読んでおいて損はない。
Copyright (c)1998-2001 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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紙の本IT戦国時代

2002/06/19 18:16

2002/06/17

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 日本が今直面している問題をIT政策を中心にまとめ,その解決策を探った一冊。日本経済復活の糸口を考えるヒントになる。
 著者は,OECD科学技術産業局長として,1990年代後半の日本を海外から客観的に観察した経験を基に論を進める。他の先進国における政府/企業の動きと,日本政府や民間企業の立ち振る舞いを比較しながら,日本経済低迷の原因と対処法を浮き彫りにする。固有名詞や数字がきちんと記載されており,IT産業の流れを知るという意味でも役立つ。
 「IT戦国時代を生き抜くには,不確実性の中で意思決定をする決断力と,状況の変化に応じて,戦略を変更できる柔軟性が必要」という著者のあとがきには共感できる。
Copyright (c)1998-2001 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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2002/06/17

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 業務の流れと会計制度との関連を理解するための解説書。業務システムを開発するために必要な知識の中でも,「会計」の比重は大きい。それにもかかわらず,開発プロジェクトにおける知識量は慢性的に不足している。SEとしてシステム開発に携わった後,公認会計士として活動している著者が,専門家の立場から業務プロセスと会計ルールの接点を詳説した。
 想定読者であるシステム・エンジニアの理解度を重視する著者の姿勢には好感が持てる。例えば,さまざまな会計業務を説明する際に,「会計の全体像」,「業務プロセスの理解」,「業務と会計の接点」という三つの視点から記述することで,必要な知識を過不足なく学習できるように工夫している。
Copyright (c)1998-2001 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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2002/06/17

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 オンライン・コミュニティ形成の課題と将来のあるべき姿を考察した本。eコマース,非営利オンライン活動,教育コミュニティなど,各分野の専門家19人による最新レポートを紹介する。実践的な内容とは言えないが,インターネット上のコミュニティとは何なのかを深く考えさせられる。
 第1部では,オンライン・コミュニティ・サイトの隆盛,消滅,破たんを例に,ビジネスモデルとしての難しさを説明する。第2部は,教育コミュニティの可能性を軸に,バーチャル大学をはじめとする,コースウエア・モデルに伴う諸問題を取り上げる。第3部は,オンライン・コミュニティをeコマースを超えて活用するために何ができるのかを考える。
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2002/06/03

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 スペースシャトルの設計とワープロ・ソフトの開発は違う。当たり前のように思うかもしれないが,これらを一緒くたに扱ってきたのが従来のソフトウエア工学だった,と著者は喝破する。代わって著者はソフトウエア職人気質という“思想”を提示し,生産性向上のための新たなシステムと人材育成手法を示唆する。
 従来のソフトウエア工学は,ソフトウエアを「工業生産物」としてとらえてきた。その開発は「工場内の流れ作業」であり,「いくらでも代替可能な開発者が定量的に投下できる」と見なしていた。重んじられるのは開発者よりも管理者であり,経験や熟練よりも資格の有無であった。
 宇宙開発や軍事開発など,国家的な巨大プロジェクトでは,従来のソフトウエア工学の手法は有効だった。そもそも,巨大プロジェクトにおける必要性からソフトウエア工学が誕生したのであるから,当然といえば当然である。
 しかし,その手法が商用ソフトウエアに適用されると様相が一変してしまう。
 人員は膨らみ,コストがかさむ。その一方で,ソフトウエアには「クール」な機能が次々と付け加えられていく。機能が飽和状態となり,明らかに使いにくいものであっても,悪いのはそれを使いこなせない「間抜けなユーザー(lusers)」ということにされてしまう。開発に人員が過剰に投下されながらも,保守はないがしろにされるため,ますますこんがらがったソフトウエアが出来上がっていく—著者は従来のソフトウエア工学の問題点をこのように描く。
 こうした現状を踏まえて,ソフトウエア工学そのものの変革を唱えているのが本書である。
 まず,従来のソフトウエア工学的なメタファから「職人気質」というメタファに切り替えよ,と筆者は主張する。顔の見えないソフトウエア開発者より,自分の「作品」に責任を持つソフトウエア職人を重んじたほうが,結果として生産性の向上につながると説く。後継者育成という観点においても,「職人的な徒弟制度の方が,従来の学校や資格制度よりも有効」と指摘する。
 職人気質や徒弟制度と言うと,いかにも前時代的な考え方に聞こえる。「工芸品を作るのには適しているのかもしれないが,近代的な生産物を作るのにはあまりにアナクロな発想だ」。だれもがまずそう考えるだろう。
 しかし,そのとき我々は「ソフトウエアとは工業生産物である」という観念に知らず知らずのうちにとらわれてしまっているのではないか。そうした意味で著者の主張は新鮮だ。
 著者は職人気質のメリットとして,「自分で考え,個人あるいは少人数グループで理解可能な“作品”を作り出すから,ユーザーとの乖離かいりがないこと」や,「ソフトウエアにクレジットを入れることによって,仕事に対して責任が持てるようになること」などを挙げる。
 後継者育成についても,「アプレンティス(弟子)」,「ジャーニーマン(一般職人)」,「熟練職人」といった徒弟制度のメタファを提示して言及している。このメタファからは,ソフトウエア工学が長年見捨てようとしてきた熟練の「技」を再発見できる。
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2002/06/03

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 ソフトウエア品質管理手法としての「モダン・プロジェクトマネジメント」について解説した一冊。納期,予算,機能で評価していた旧来のソフトウエア開発マネジメント手法から,企業組織をも含む開発プロセスの継続的改善をベースとした近代的管理手法への転換を促す。
 第1章では,日本のソフトウエア産業が諸外国から立ち遅れた背景の説明を通じてモダン・プロジェクトマネジメント導入の重要性を説く。以降,旧来のマネジメント手法が,国際標準として進化していく流れを簡潔に説明。本書のキーワードであるCMM(能力成熟度モデル)の詳細とCMM認定取得の実際を紹介する。最終章ではアジア市場の動向をながめながら,今後の日本のあるべき姿を探る。
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2002/05/20

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こうしてボクは上場企業社長の座を
追い落とされた
 元クレイフィッシュ社長の松島 庸氏が,自ら創業したベンチャー企業を史上最年少で上場させた末,「社内クーデターによって」社長の座を追われるまでの顛末と反省を書きつづったビジネス書。「事実は小説より奇なり」を地でいく内容である。“未熟さ”と“冷静さ”を併せ持った著者のキャラクタが浮かび上がってくる。
 若者たちが肩を寄せ合い起業したベンチャーが世間の荒波と戦いながら成長していく過程や,出資元の光通信の業績悪化とともに急坂を転げ落ちていく様子を巧みな文章で描写している。
 ただし「満足に調査もせず」に,光通信の出資を受け入れたことを,「若さゆえの過ち」と見るかどうかは,読者によって判断が分かれるだろう。
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