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商品説明
私がだれでありどこからきたのか、六十年以上の時が流れて私にはもう調べるすべもない。わかっているのは私は昭和二十年八月九日十一時二分の白い光の中から現れたことだけである。私の戸籍上の誕生日はその日になっている(「鳥」)。被爆地で生きる人々の原体験と、その後の日常を描く作品集。【「BOOK」データベースの商品解説】
【谷崎潤一郎賞(第43回)】【伊藤整文学賞(第18回)】私は昭和20年8月9日11時2分の白い光の中から現れた−。被爆したその日から「生」が始まった男が過去と行く末に思いをはせる「鳥」ほか、長崎の爆心地周辺で生きる人々を描く連作短篇集。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
釘 | 5-29 | |
---|---|---|
石 | 31-79 | |
虫 | 81-122 |
著者紹介
青来 有一
- 略歴
- 〈青来有一〉1958年長崎県生まれ。長崎大学教育学部卒業。95年「ジェロニモの十字架」で文學界新人賞、2001年「聖水」で芥川賞を受賞。他の著書に「月夜見の島」「眼球の毛」がある。
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紙の本
被爆地に生きる人々の原体験とその後の日常
2006/12/17 11:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る
長崎生まれの青来有一が原爆をテーマにした小説を何篇か書いた。その単行本が発売された。帯には「被爆地で生きる人々の原体験とその後の日常を描く作品集」とあった。
『文学界』に発表された「釘」「石」「虫」「蜜」「貝」「鳥」の6作品が収録されているが、強く心に響くものを感じることはできなかった。
唯一読ませてくれるのが「鳥」。乳児の時、あの被爆地で生き残り他人に救われた人。自分が誰であり、誕生日さえもわからない人生を生きてきた人。現代まで背負い続けたわからぬ過去に被爆の被害はいまだに続いていることを感じさせてくれる。
あの戦争の責任をいまだに曖昧にする政府。核兵器をいまだに保有し、さらなる実験を続ける核保有国。核兵器が人々を幸せにしたことなどない。それどころか、今も苦しんでいる人が大勢いるのだ。一日も早い核兵器廃絶を願い、これからも声をあげていこう。
最後に「蜜」は最低最悪。このようなものを収録していては「爆心」のタイトルが泣くだろう。