紙の本
シューカツに捧げる青春
2009/04/02 23:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タケタケ - この投稿者のレビュー一覧を見る
シューカツ…それは甘い大学生活のなかでの社会の厳しさという現実を見る瞬間。
主人公の底抜けに明るい水越千晴はこのシューカツという厚い厚い壁を破るために悪戦苦闘。その道は決して平坦でなく、ともに支えあったシューカツプロジェクトメンバーの挫折など、さまざまな困難が立ちふさがり、ついには「働くって何?」と自問自答する日々。
ナンパな良弘、少し太めの伸子、チームリーダーで秀才の圭、トライリンガルの美女恵理子、理論派の比呂氏、柔道部員の体育会系真一郎、そして、千晴。果たしてこの7人のシューカツは難関のマスコミに対して合格の切符を勝ち取ることはできるのか!?
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10月発売と非常にタイムリーな時期に発売し、
まずマーケティングの上手さに関心しました。
3年生の前半から4年生の前半の約1年間を描いたストーリーで
自己分析、エントリーシート作成、GD対策、筆記対策、OB訪問とリアルでした。
就職活動の理不尽さに不満を持ちつつも、
就職活動の面接で問われていることは「自分自身の生き方そのもの」なのだと捕らえ、
主人公が面接に前向きに挑んでいくところに好感を持ちました。
本当の自分と向き合い、
その上で相手とも逃げずに向き合う、
そんなスタンスが大切なのだと思います。
またシューカツという日本の学生だけの特殊なイベントに対し、
7人がチームを組んで互いに成長しながら乗り越えて行くという展開は好きです。
学園祭などと違って学生の精神的な負担も大きいイベントですが、
その中でもドロップアウトしそうな仲間を全員で助けたり、恋愛の悩みもあったり、
青春ドラマの王道のストーリー展開です。
1月くらいにドラマになるんじゃないでしょうか。
それから主人公の面接スキルの向上について感じたことがあります。
主人公が面接を突破できるようになったのは
相手のタイプに合わせたコミュニケーションが出来るようになったからだと思います。
そのスキルは社会人になってからも問われるスキルであり、
それが出来る人は恐らく色んな会社から内定をもらう事が出来ます。
一方でスキルが足りない人でも素の自分を出すことで、
相性の良い会社からは内定をもらうことが出来るかもしれません。
結局のところ入社するのは一社ですからね。
色んな異性に人気の人と、
一人の相手だけに愛されている人も
どちらが幸せになるかは分からないでしょう。
幸せもその本人がどう感じるかが大切ですからね。
本当に自分が好きな一人、一社と出会えればよいのでしょうね。
主人公がどの会社を選択するのかは書いていませんが、
どの会社を選択するか=どんな生き方をするのかということです。
学生が納得できる選択を出来ることを切に願います。
最後に3年生〜4年生の貴重な1年をこの活動に費やす価値があるのか、
これは検証しなければいけない問題だと思います。
就職活動中に学業を行うのは肉体的にも精神的にも無理です。
そして4年生になれば就職活動の反動で遊びたくなる気持ちもあります。
開放されたくなると思います。
なぜ、この時期でなければならないのか、
個別最適よりも全体最適で論じるべき課題だと思います。
この問題に関して、取り組めるような仕事をしたいと切に願います。
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本屋で2時間半かけて読みました。
立ちっぱなし、結構疲れました(笑)
ついこないだまで「シューカツ」をしていた身なので、タイトルに惹かれてソッコー手にとりました。
内容は、「シューカツ」をむかえる鷲田大学(早稲田?)の7人が、全員で協力しあって志望している「マスコミ」にむかって奮闘する、といった話でした。
主人公の千晴が、かなり自分とキャラがかぶる…笑
シューカツ中、彼氏と面接前に電話をしていたとこまでかぶって(ストーリーでは良弘と付き合ってたわけじゃないけど)、石田衣良、スゲー!!と、思いました。
女子大生の心情を的確にとらえてます(笑)
あと、シューカツで大事なこと、「自分らしさ」ってどんなことなのかって考えることに関して、JBC(現実世界でいうNHK?)のOB訪問からすごく共感する部分があって、そこは満足。
「人の出会い」ってやっぱ大事だな。
一方で気にいらなかった?点は、
・不合格通知は電話でしなくないか?ってこと
(あたしマスコミ受けてないから、マスコミは違うのかもしれませんが)
・主人公が悩むシーンが250ページあたりまでない。
(全体を通しても千晴はうまくいったことばかりだと思う)
・やっぱりこの内容じゃ「内定をとるために頑張っていた」ような気がする
・最後はお粗末だった
(主人公の千晴がどの進路をたどり、良弘とどうなったのかわからない。…作者は想像してくれ、と書いていたが、やはりお粗末な気がする。個人的には、JBCにいったと思ってます。やはり最後の決め手は「人」だと思ったから。)
…そんなとこです。
個人的に1番考えさせられたところは、30代でもなおフリーターの海老沢が、店長と議論するシーン。
「働くスタンス」ってアルバイトも正社員も関係ない。顧客にしたら区別はできない。あたしは、いまバイト先で海老沢予備軍になってるんじゃないか!?と、かなりドキッとした。
まー上司も上司だけど。
改めようと思います。
就活生に読んでほしい。
就活前と就活後の心境を聞きたい。
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マスコミ志望の仲間でチームを作り
切磋琢磨しながら就職試験に立ち向かう大学生たちの青春もの。
1場面1場面面白いんだけど、
ファミレスのバイトの話とかもっと後につなげてもよかった気がする。
芸能人は実名なのに出版社やTV局だけ仮名なのもちょっと違和感。
最後急に客観的に語るのもフシギ。
【図書館・初読・10/22読了】
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シューカツ…シューカツ。泣けてくる。悔しいし。何してたんだろうって。でも、何かしてたんだろう。あたしも強くなる。
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俺もシューカツこんな感じだったよ〜とは言えないけども、こんな時期もあったよなぁ〜と懐かしめる本...学生に戻りたい...
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仕事も会社も、わからない。でも今、闘うしかないんだ。水越千晴、鷲田大学三年生。仲間七人で「シューカツプロジェクトチーム」を結成した。目標は全員で、最難関マスコミ合格
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ちょっと引くなあ〜鷲田大学のマスコミ狙い3年生7人がシューカツ・プロジェクトチームを結成し,模擬討論・エントリーシート・テレビ局でのインターンを経験していく。一人はプレッシャーに負けて引き篭もりになり,一人は電器メーカーへ,準ミスには早々とテレビ局のアナウンサーとしての内定が。長野出身の千晴は,テレビ局に落ち,出版最大手に落ち,国営放送と文学賞を牛耳っている出版社の内定を獲得する〜鷲田と書いているのは早稲田の事だ。関東テレビはフジテレビ,交読社は講談社,文化春秋は文藝春秋・・以外にあり得ない。大学3年の夏から就職活動を始めるというのは,どう考えても早過ぎる・・という最近の世論は正しい。かつてリクルートが就職協定の存続のために動いて叩きに叩かれたのは一体何だったのだろう。テレビも新聞も触れないなあ。新聞社全部に合格して,辞退してフリーランスのライターになるというリーダーにも身を仰け反らされる
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7人の男女大学3年生がマスコミ入社を目指して就職活動のチームを組む…ってお話なんですけど、主人公全員にリアリティなさ過ぎ、ストーリーもご都合主義的、最初から最後まで絵空事のままで終わってしまいました。久々の石田ハズレ作品です。あいたたた…
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鷲田大学の就職活動生7名を描いたもの。石田衣良氏が最近テーマとした持っている、格差社会や生涯賃金といった現代の歪みを炙り出す。彼、彼女らが選ぶ選択に正しさや誤りなんてものはないのだけれど、とにかく社会にぶつかってみようよ、というエール的なものが感じられる作品。
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W大のマスコミ志望男女7人組の美しすぎるストーリー。
青春って素晴らしい。
就活前の人、マスコミ希望の人だけでなく、
就活を終えた人、大昔に就活した人にもおすすめ。
以下、印象に残ったフレーズ集。
「エントリーシートって、ラブレターみたいなものだと思う。」
「女の子との最初のデートみたいなものかな。緊張しすぎると、まずうまくいかないもんな。」
「就職試験がおれたちの一生で最後の試験なんだ。」
「人生のおもしろさは稼いだ金の額だけじゃ決まらないと思う。」
「きっとね、社会にでて働くってことは、ずっとこういうひりひりした感じが続くんだと思う。自分が誰か、なにができるか、それをずっと試されていくんだ。」
「厳しいから、たのしいんだよ。仕事ってそんなものじゃないの。」
【2008年10月23日読了】
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何が書きたかったんだ、石田衣良よ。
読み終わって思ったのはそれ。
物語のはじめは主人公千晴が「働くってなんなんだろう?ほんとうにそれは、幸せなことなのか?」と疑問を抱いていたので
ああそれがこの作品のテーマなのかと思っていたら
最後まで解決されることもなくむしろ労働に対しネガティブイメージのまま終わっている件
就活というものがどんなに空恐ろしいものか、まったく知らない人にとってはへえ、そうなんだと思うようなことが書かれているのかもしれない
だが訊きたい、この本を読んで誰が得するんだ?
さわやかでも後味がいいわけでも文章がうまいわけでもない、わたしみたいな就活真っ最中の学生にさえ「そんな話何千と聞きましたけど?」という程度の感銘しか与えないこの本は、誰をターゲットにして、何のために書かれたんですか?
少なくともわたしはナーバスになりましたけど。
ざっと読んだだけでも同じ表現が何回も出てくるし、無駄なキャラクター多いしキャラ立ってないし
千晴のモノローグで物語を進めていて、そこから受けた彼女の内面の印象は繊細で気が小さい女の子なのに、彼女の強みは「明るくタフで度胸のある変わった女の子」なんだそうですね。
それこそ、言葉で書くのではなく千晴のそれまでの心理描写でわからせてほしかったところじゃないか?小説として。
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登場人物が巻頭に羅列してある話は苦手なのよねぇ
人物が薄っぺらだから全く覚えられないし,愛着もない
自身がまともなシュウカツしなかったからさらりと終了
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シューカツを題材にした青春小説。
自分が就職活動したのは、かなり昔のことで、今の状況とは全く違いますが、社会に踏み出す時の根拠のない不安や、他人と比較して、羨んだり、悲しんだりというような気持ちの動きは、今昔変わらないですね。
人物設定は平凡で、そもそも個人戦的要素が大きいシューカツでプロジェクトチームを立ち上げるというところから現実味がないのですが、最近のシューカツについては詳しくないので、リアリティがあるのかどうかはわかりません。
ただ、その中に、引きこもりの問題などを取り入れているところが、石田さんらしい。
個人的には、最後をさらりと終わらせてしまっているところが残念です。
ここまで書いたのならば、どのように悩んで、どのような決断をしたのか、というところまで書き切ってもらいたかった。
そう考えるのは、贅沢でしょうか?
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初めて読んだ石田衣良作品。
マスコミ関係に就職希望のシューカツチーム7人。
千晴の素直さに惹かれたり、
恵理子の生まれながらの素質に嫉妬してしまったり…
シューカツのリアルな感情を垣間見てハラハラドキドキ。
みんなどうなるんだろう と最後が気になって気になって。
終わり方が私としては「待ってましたぁ!!」って感じのものだったんで、大満足です。