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対談本。福岡さんと阿川さんの子供時代の話が多く、楽しく読んだ。ドリトル先生わたしも大好き。
福岡氏は文転されたらしい。そうなんですか。
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福岡伸一氏と阿川佐和子氏の対談。
キーワードになっているのは「センス・オブ・ワンダー」と「動的平衡」。
命や生態系の営み(宇宙全体の営み、といっても良いかもしれません)は動的平衡で成り立っています。
その中でも、細胞レベルでの営みを非常に分かりやすく語ってくれる福岡氏は魅力的。僕は大好きです。
分子生物学の研究者である福岡氏本人が「生命の探求をしていたはずがいつの間にか死の生物がをやっていた」から「文転」すると述べています。
えっ! 福岡氏は、サイエンスを美しいストーリーに転換することのできる、トップクラスのサイエンスライターと僕は思っていたのに、もう読めなくなるのなら残念に過ぎます。でも、きっと新たな世界を我々に提供してくれるでしょうから、期待しています。
阿川佐和子氏も魅力的な人だなぁ、と思います。
言葉はリズミカルに質問を編み出し、相手の語りたいことを上手に導いている、という感じです。
読む前は、福岡氏が阿川氏の話しを聞き出すのかと思っていましたが、7:3で福岡氏の話でした(^^)
阿川氏の明るさを感じつつ、ちょっと知的な気分を味わえる本でした。
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資本主義と親和性の高いものが真実っぽく、真理っぽく扱われるいまの世の中に
違う、お金にはならないけれど、気分的にもすっきり割りきれないけれど、本当の本当はこうなんだ。と、分かっているひとたち。彼らの話を聞いて素直に受け入れることが出来る人たち。
それがセンス・オブ・ワンダーを持ち続けている人たちだ。
福岡ハカセが自分の身の置きようのために、死の分子生物学者から生の生物学者へ転身していたことを知って嬉しかった。
いままでの著書での葛藤は本当に苦しそうだったから。
今回は阿川佐和子さんが素晴らしい聞き手に回り、ハカセの人となりが(もちろん阿川さんのそれも同時に)鮮やかに活字から浮かび上がる。
二人のやりとりからはドリトル先生シリーズはじめ、多くの児童文学や小説、科学書や著者名が次々と出てくる。
この一冊で、わたしの積読が一気に膨れ上がったのは言うまでもない。
センス・オブ・ワンダーを思い出して、忘れないで、見逃さないでいられればもう大丈夫。
世界はいつも澄みわたる。
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単なる感想
福岡先生のことはよく知らなかった(NHKの番組で見たような気がする)が、図書館の新着コーナーでタイトルに惹かれて借りることに。
対談形式(阿川さんと福岡先生)ということもあり、ドリトル先生にあこがれていたことを思い出しつつ、一気読み。
遺伝子vs環境というとき、環境の中に寒暖差のようなものだけじゃなくて、腸内細菌も含まれるなんて!
なぜ動的平衡は主流にならないかという高校生の質問に対する答えに健康体力づくり分野にいてずっと抱えていた疑問の答えが!
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センス・オブ・ワンダーとは、神秘さや不思議さに目を見はる感性のこと。
生物学者である福岡氏と阿川佐和子さんが命と世界を語る。
「子ども時代にいろいろなもののオーラを浴びることが、その人をずっと支えていく」という福岡氏の言葉。
なるほど、それはお二人でも証明されてるなぁと思いました。
そして、かけがえのない子ども時代のただ中にいる子どもたちと本を通して接している私の仕事(学校図書館司書)。
もし子どもたちの心に響く本を届けることができたなら、手渡したその本がその子のセンス・オブ・ワンダーになる可能性だってある。絶対にないとは言えない。なんだかとても偉そうだけど…。
レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』、福岡氏の『生物と無生物のあいだ』、阿川さんの『ギョットちゃんの冒険』を読んでみようと思います。
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生物学者・福岡伸一さんと作家・阿川佐和子さんの対談集。
対談のキーとなる「センス・オブ・ワンダー」は子どもの頃に誰もが持っている自然に対する感性のことです。二人の思い出話などを交えながら、生きると言うことを感性のレンズで見つめていきます。
阿川佐和子さんの無邪気な質問や茶化しがうまく福岡伸一さんの言葉を引き出して、レベルの高い話にもかかわらず、特別生物学に詳しくない人間にも理解し、好奇心をそそられるような「ふつうの話」の延長として読み進めていくことができました。たぶん子どもにも興味を持って読んでもらえる本だと思います。
ところどころに語られる、福岡伸一さんの生物学者としての後悔の言葉が重く心に響きます。自分を「死の生物学者」だとまで言っているのはこの本が初めてではないでしょうか?命をパーツで捉えない、身体全体、世界全体で捉えていく考え方にはいつも大きな共感を抱きます。
ぜひたくさんの人に読んで、考えてみて欲しい良書。
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大好きな福岡先生と阿川佐和子女史との対談。
新聞で見かけ、「お、センス・オブ・ワンダーとは、レイチェル・カーソンへのオマージュ??」と気になっていたところ、たまたま図書館で発見したので借りてみた。
まず冒頭の福岡先生の前書き「子どもだけに見えるもの」がいい。
「ネオテニー(幼形成熟)」に関しても、ついこの前読んだ「ジェノサイド」でも題材のひとつであったこともあり、とても興味深く読んだ。
この短い中で、読者を引き込む文章のうまさはさすがだ。
タイトル通り、レイチェル・カーソンに触れるくだりもあり、福岡先生の専門分野から趣味の絵画鑑賞の話、絵本、文学など本の話まで、生物学とのかかわりからさらに幅広く話題が広がり、既刊の著作からの話が多かったものの、改めて彼の教養の深さを感じさせられる。
ただ、過去の著作の例にもれず、なんとなくオカルトっぽさが滲み出るのは相変わらずだ。その点は福岡氏ご本人も、まさに「オカルト」になってしまわないように注意しているとのことではあったが。
また阿川女史も、石井桃子氏のご自宅の図書館に通っていたとか、バージニア・リー・バートンが「せいめいのれきし」の恐竜を目の前で書いてくれたとか、さすがすごい経験をお持ちで、福岡先生ならずとも、驚き悔しいうらやましい気持ちは皆同じでしょう。
また、昨年行われた対談であるだけに、東日本大震災に言及する箇所があり、そのあたりはとても心に響く言葉が多くあった。
やっぱりね、「分をわきまえる」「等身大である」ということは、いつどんな時も決して忘れてはいけない大切なよりどころなのですよ、本当に。
この本いいなあ、買おうかな。
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『生物と無生物の間』も未読なのだが、阿川佐和子との対談集ということで手に取る。あとがきにあったようにまさに「賢い弟」分だ。
理系と文系の橋渡し的位置にいようとしている人なんだなと感じた。
彼のこれからの学者としての方向についてよくわかった。
絵画にも造詣が深く興味がわいた。
子ども時代のわくわく体験が「センス・オブ・ワンダー」を培うことに共感した。
『せいめいのれきし』を引っ張り出して読んだ。
『生物と無生物の間』も読んでみたい。
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レイチェル・カーソンの遺作を冠した本書は、たくさんの驚きや発見に満ちていて楽しい。普段というかずっとギモンに思っている命題が次々と現れて、それが生物学の言葉をキーワードにしてクルッとサラッとわかり易く説明してくれる。
「ネオテニー」という言葉がイヌの発生から人の好奇心につながり、「動的平衡」が細胞の振る舞いから環境や原発のことを考えるスタンスを示したり。
工学に基づく会社ではもはや利益追求だけでは持続できないが、機械論的な考え方から脱せず、出口のない迷走を続けている。"理科系だけの問題じゃなく文系的なストーリーが共同しないと問題を見ることができない"と本書は言う。科学的なギモンとピュアなギモンへの答えは同じではない、と私は思っている。
たくさんの本が紹介されているので、読後にこれらを読み漁るのも楽しみだ。
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レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」が好きなので、タイトル買いしてしまいました。期待とは違った方向でしたが興味深く読みました。薬のこと、原発のこと、いのちや豊かさのことなど、広がっていくお話が楽しくて、無縁だった生物学がぐっと身近に感じられるようになりました。生物学など、わたしにとって弱い分野なのですが、対談形式のおかげか、とても読みやすく、へぇ~なるほど~とうなずく場面が何度も。
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sense of wonder :子供のころに、わぁ、と思う気持ち。不思議なものに不思議だなぁと驚く感性。
理科の先生がみんなこんな風に世界や命のことを教えてくれたらいいのになぁ。
誰もが普段から何となく感じてる違和感が物語性をもって分かりやすく肯定されてる。
二人とも話うまいなぁ。すごい話が世間話聞いてるみたいに読める。
・分をわきまえる
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「センス・オブ・ワンダー」という言葉に惹かれて手にとったが、とても読みやすい対談集で、おまけに言葉の解説まで欄外に記載があって、読み終えると興味の幅が何倍にも膨れるお得感。児童文学やら生物学やら絵画やら、取り上げてくれています。さすが福岡先生だけあって少し専門的な内容にも触れているけれど、より知りたいという気持ちがむくむくと湧きあがりました。阿川さんの軽快なインタビューも魅力的です。
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阿川 佐和子さんが、個人的に旬だったので楽しく読んだ。
対談の内容…というより、読みたい本、息子に読ませたい本が沢山紹介されていて、意外な収穫だった♪
アッコ文庫より。
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これは、ただの対談本ではない。現在日本が直面する問題を深くえぐり取っている。そこを、楽しく読ませるところにハカセと阿川佐和子の懐の深さを感じる。
しかし、自分もバージニア・リー・バートンの3冊はお二人と同様に幼少時に触れたけれども、この大人になってからの違いは何なのだろう。とともに今は無き自分の両親も良い本を与えてくれたのだと気づかせてくれた。
ハカセ(福岡氏)は、今後、文筆の方に比重を移して行くのだという。寂しいやら、期待するやら、複雑な心境だ。
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最近、次々と福岡センセイの本が出版されているように見える。方向転換されたとのお話が語られている。「動的平衡」と「センス・オブ・ワンダー」がキーワード。機械論的な思考の是非は何度も語られてきていたように思えるのだが、福岡センセイは、優しく、物分りがありすぎで、対抗する力になりきれるのか心配。応援しています。オカルト的になるのは、いけないことだろうか。阿川嬢は、相変わらず素敵で鋭い。