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商品説明
全国で空き家の増加が目立つようになり、倒壊・放火・不審者の侵入など、空き家の危険性が問題視されるようになった。様々な角度から空き家の実態を見た上で、今後の住宅政策の方向性を考える。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
米山 秀隆
- 略歴
- 〈米山秀隆〉筑波大学大学院修士課程経営・政策科学研究科修了。富士通総研経済研究所上席主任研究員。著書に「日本の地価変動」「高コスト経済からの脱却」「勝ち組企業の経営戦略」など。
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紙の本
空家の実態を啓蒙する良書だが、もう少し噛み砕いて欲しい
2012/08/05 22:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はシンクタンクで活躍している。したがって、調査モノはお手の物である。但し本書は学術論文でもなければ、解説記事でもないし、コラムでもない。もう少し読者を惹きつける技が欲しかった。一般人を対象としているはずなのだが、そういう配慮が感じられないのはどうしたわけか?
住宅は戦後の復興期に国策でいわゆる集合住宅の団地を造りに造った。その主役は日本住宅公団である。この公団も住宅・都市公団、UR都市機構などと名前を変え、同時に業務内容も大きく変わってきた。住宅に関する事業には違いがないのだが、現在はその範囲は賃貸住宅に絞られている。
なぜそうなったのかといえば、住宅のストックが十分に出来たからに他ならない。数から言えば、もう新築の住宅は不要なのだ。ストックが十分というのは、空家が急増しているからである。本書は空き家といっても多様で、どうして空家になったのかの類型や統計などで説明している。
わが国の住宅事情も激変していることがわかる。つい最近まで足りないとばかり考えていた住宅が過剰になっているのである。それだけならば問題は限定されるが、これが社会的な問題を引き起こすようになると、住宅とは別の問題が出てくる。
米国などの地方の中核都市では、公営住宅といえばそのイメージは良くはない。つまり空家ができると、不法占拠や破壊、荒廃などが進み治安が悪化する。そのためにイメージが悪化するのである。これと同じことが我が国でも心配されている。空家の管理が不十分で、荒廃して地域の社会問題になるとういことである。
本書では先進的な空家対策や、地方自治体の取り組みを紹介している。いずれにしても持家を奨励してきた国策を変える必要はありそうだ。変わって賃貸住宅の充実を図ることを勧めている。税制も変えなくてはならないし、民間企業、独立行政法人などの役割も再編成しなければならないだろう。本書は住宅、わけても空家が急増している現状についてその課題を明らかにしている。大変勉強になった。