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商品説明
46歳の誕生日。身勝手な夫や息子たちと決別し、主婦・朋美は1200キロの旅路へ―「家族」という荒野を生きる孤独と希望を描き切った桐野文学の最高峰!【「BOOK」データベースの商品解説】
46歳の誕生日。身勝手な夫や息子たちと決別し、主婦・朋美は1200キロの旅路へ−。「家族」という荒野を生きる孤独と希望を描く。『毎日新聞』連載を大幅に加筆・修正して単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
桐野 夏生
- 略歴
- 〈桐野夏生〉1951年金沢市生まれ。99年「柔らかな頰」で直木賞、2009年「女神記」で紫式部文学賞、10年「ナニカアル」で島清恋愛文学賞、11年同作で読売文学賞を受賞。
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紙の本
やや尻すぼみ感はあるとしても十分楽しめる
2014/08/26 17:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず設定に惹かれた。
自らの誕生日の日、バラバラで愛情のない家庭に切れ、
二度と戻らないつもりで突然家を捨て、そのまま旅立つ主婦=妻=母親。
題も魅力的だと思う。
読みだすともう止まらない。
桐野夏生を読むのは久しぶりだが、あらためてその達人技に唸る。
冒頭、主人公朋美の状況は苦くて苦痛なほどだ。
私は男性だが、同情し共感し感情移入するのに時間はかからない。
しかし、このやりようによってはいくらでも深刻、あるいは悲惨になり得る素材を、
桐野さんは何よりエンターテイメントとして書くことを選んだようだ。
語りの巧みさにたちまち引きこまれ、いざ行動を起こすと旅立ちに喝采、
その思い切った行動に冒険映画のようにワクワクし、あれよあれよと先を読むばかりだった。
一方、章が変わって夫の浩光。
結局この男がダメという設定だが、とはいえ男の側からの視点で丁寧に描かれると、
それはそれで心理がたどれてよくわかるし、納得といえば納得である。
構成としてはこの二人のそれぞれの状況が交互に描かれるダブルプロット的展開。
そうして夫婦、息子たちも含めて家族の問題をベースにしながら、
朋美サイドでは何が起こるか予断を許さない冒険ロードノベルであり、
浩光サイドではあたふたやら心理のズレをめぐるコメディでもあり、
また何やら怪しげだったり謎の人物も絡むミステリー風でもあり、
いろいろ楽しめる要素をたっぷり詰め込んでくれている。
それにしても状況はリアルだ。
様々なレベルで戯画化があり、面白さを演出するための工夫に満ちている中、
呆れたり笑ったり身につまされて苦くなったりで、夢中で読んでいるとあまり意識に上らないが、
思えばなかなか複雑な読書体験である。
きっと読者一人ひとりで、それぞれの現状に応じて感じ方も違うのだろう。
というわけで必ずしも単純に作品の質を楽しむというようなものでもなさそうだ。
その辺をどうやら桐野さん、全部わかって意図的にやっているように思えて、そう考えるとまたすごい。
しかしそうして秘められた諸々の可能性も感じられるだけに、終わり方が難しくなったのも確かだろう。
実際、結末の処理への不満も耳にする。
これだけやれば十分立派なまとめではないかと私などは思うが、様々な要素が見え隠れしただけに、
それぞれの読者のイメージのふくらませ方によっては物足りないと思えても不思議はない。
有無をいわさずというような強烈なインパクトがなかったのも事実だろう。
題の「荒野」も、いうほど掘り下げられた印象はない。
繰り返して書けば、作者としてはいろいろな要素を盛り込みつつ、基本は娯楽ものとしてバランスよくまとめたのではないかと思う。
もっと深刻な話へ、あるいはもっと徹底した冒険やミステリーへ、
やり方はいろいろありえたのだろうが、
他の可能性はまた別の作品で、ということではないかと思う。
紙の本
現代にはこんな家族いるかも
2014/01/28 21:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BACO - この投稿者のレビュー一覧を見る
文章は読みやすかった。
飽きさせない感じで先へ先へ進み、興味が引きつられる。
ただ、現代風な場面設定・登場人物設定であった為、若干違和感というか感覚的に馴染めない部分もあり、軽薄な印象を持ってしまった為、個人的にはその辺りがマイナス点。
特に序盤の主人公が家出するまでの経緯やきっかけは、昭和時代の人間からみたら「なぜそんなことで?」と疑問を抱いてしまうかも。
しかし、それは21世紀においてはごく自然で当たり前の感覚なのかな?
紙の本
まあまあでした
2016/02/18 22:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ななこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主婦が家出する話なんて面白そう!と購入しました。が、期待したほどの展開ではありませんでした。もっと反逆して色々な問題を提起してほしかったです。