紙の本
現代にはこんな家族いるかも
2014/01/28 21:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BACO - この投稿者のレビュー一覧を見る
文章は読みやすかった。
飽きさせない感じで先へ先へ進み、興味が引きつられる。
ただ、現代風な場面設定・登場人物設定であった為、若干違和感というか感覚的に馴染めない部分もあり、軽薄な印象を持ってしまった為、個人的にはその辺りがマイナス点。
特に序盤の主人公が家出するまでの経緯やきっかけは、昭和時代の人間からみたら「なぜそんなことで?」と疑問を抱いてしまうかも。
しかし、それは21世紀においてはごく自然で当たり前の感覚なのかな?
紙の本
まあまあでした
2016/02/18 22:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ななこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主婦が家出する話なんて面白そう!と購入しました。が、期待したほどの展開ではありませんでした。もっと反逆して色々な問題を提起してほしかったです。
投稿元:
レビューを見る
内容紹介
もう二度と会うことはないでしょう。
46歳の誕生日。身勝手な夫や息子たちと決別し、主婦・朋美は1200キロの旅路へ――
「家族」という荒野を生きる孤独と希望を描き切った桐野文学の最高峰!
大反響の毎日新聞朝刊連載に、大幅な加筆修正を施して書籍化。
傲慢な夫や息子たちに軽んじられながら、家庭をささえてきた主婦・朋美は46歳の誕生日、ついに反旗をひるがえす。衝動にかられ夫自慢の愛車で家出、「初恋の男が長崎にいるらしい」という理由で、長崎に向かって高速道を走り始めるのだった。奪われた愛車と女の連絡先の入ったゴルフバックばかり心配する夫を尻目に、朋美は自由を謳歌するが―― 冒険の果てに、主婦・朋美が下した「決断」とは?
投稿元:
レビューを見る
自分が逃げずに変えて行かなければ、何処に行っても荒野。
捨てて冷静になって、初めて、憎んでいた相手の気持ちも理解出来るようになるのかな。
今の自分の状況にすごく重ねて読めた。
投稿元:
レビューを見る
家族からないがしろにされてる中年の専業主婦と身勝手な夫の2人の視点で展開。女の潔さと男の未練がましさが巧く描かれていて苦笑いしてしまう。家族各々の本音と建前が見え隠れしながら展開するお話は面白い。息子達も含めて自分の周りにいそうな登場人物が物語をよりリアルに感じさせる。新聞連載だからか毒は弱め、物足りない。
投稿元:
レビューを見る
46歳の誕生日、森村朋美は見栄っ張りな夫や言うことを聞かない息子達に愛想を尽かし、ある行動に出る。更年期前後の主婦の揺れる心が痛おもしろい。
投稿元:
レビューを見る
男系家族のなかで疎ましくあしらわれている主婦の、日常からの逃避行のお話。桐野夏生の小説は設定がすごく好きな時があって、そうゆうのはハードカバーの高いのを買って読んでしまう。主人公と同じく主婦で年齢も近く、まぁ家族にはそこそこ大切にしてもらえてるのだけど、蒸発とか逃避行とか無性に好きなので、むさぼるように読んだ。
この主人公のお花畑ぶりに何度もあきれてしまったんだけど、世間の主婦のイメージってこんな風に少し小馬鹿にされてるものなのだろうな。
主人公があっけらかんと、もともと持っていた部分であろうたくましさを全面に出していく様に救われる。結末が好きじゃないので星三つ。
投稿元:
レビューを見る
46歳の誕生日、夫とささいなことでぶつかり、レストランから1人出て行った妻。東京から長崎へ家出を決意する
投稿元:
レビューを見る
面白かった。
私もこの主人公と同じように息子が二人いる主婦だが、
私は恵まれているのか?ダンナや息子たちとの関係は良好で、この主人公のようにないがしろにされたことなどない。
ダンナにしても、子供にしてもあり得ない態度で読んでいて腹が立った。
でも、そんな風にダンナの自己中を受け入れて、子供を育てた本人が悪い気もする。
なので、始終へぇーこんな人もいるんだという、上から目線で読んでしまった。
最後はまあ、こんな感じで収まるだろうと踏んでいたようになったが、そこはちょっとつまらない。
投稿元:
レビューを見る
どいつもこいつも最低でした。
自分のことしか考えていない、人を騙す、嘘を吐く・・・
最後は家に戻ってめでたしめでたし、みたいに見えるけど、たぶんあの家族は同じことを繰り返すんだろう。
投稿元:
レビューを見る
46才の森村朋美「あたしはね、ただ家にいるだけの人だったのよ。
留守を守る人」そこから逃げ出し遠くへ。
結局はどこまでも荒野を行くだけになるのか。
自分が変わらなければ何も変わらない。
読みながら
朋美に対して怒ったり不安になったり。
そして自分を重ねる。
投稿元:
レビューを見る
あまりに家族皆の気持ちがバラバラで家庭の中がパッサパサの荒野。主人公の朋美は心身ともに疲れきってしまっていた。日々のことに加えて誕生日にこんな仕打ちじゃあと激しく共感。
凄く切ない思いになるが私だったら絶対に朋美みたいに出来ない。
だけどもしも自分がこんな思い切りのいい主婦だったらどうかなあ~~??なんて思いながらサクサク読み進めた。
家族を顧みず東京から長崎まで車でたった一人の逃避行。
でもいざ解き放たれたと思った所も荒野なんだね。
道中で様々な目に遭いドキドキで読んだが後半はなんだかなあという感じだった。
投稿元:
レビューを見る
好きな作家の作品なので読む前から楽しみだった。話の全体の内容としては☆3程度だが、各人物の心中の描写がとても良かった点が☆4
人物描写が丁寧なのでいつも桐野作品は入り込める。今回もそれは裏切られなかった。人の毒の部分を書かせたらピカイチの人だが、今回は毒ばかりじゃなく清々しいと思える描写も多かったので、ドロドロと清々しさ、両方味わえる小説になっている。
それにしても男の子二人の母親は、子供が大きくなるとこんな状況になるのかー、と想像はつくものの改めて読んで苦笑せざるを得なかった。あの旦那さんはだめでしょう。
話のまとめ方がこの作者にしてはとってもスッキリ感があって意外だった。
投稿元:
レビューを見る
前半はぐいぐい読めたけど、後半からの収まった感がどうにも納得できない。「だから、荒野へ」行くのなら、「それでも、荒野へ」行ってほしかった。それに、主人公の運が良すぎというか周りが彼女に甘すぎて、荒野と言うほど辛い道でもない。結局現実からは逃れられないというのも一つの道だが、個人的にはもっと葛藤や苦難があってほしかった。妻が家を出るほどの子供や夫が、あんなに素直になるとは思えないし、家族を捨てて生きるという選択は、こんなに甘い道でもなければもっと辛く厳しいものだと思う。そのあたりのリアルさが後半からなくなってしまったのが残念。
投稿元:
レビューを見る
+++
もう二度と会うことはないでしょう。
46歳の誕生日。身勝手な夫や息子たちと決別し、主婦・朋美は1200キロの旅路へ――
「家族」という荒野を生きる孤独と希望を描き切った桐野文学の最高峰!
大反響の毎日新聞朝刊連載に、大幅な加筆修正を施して書籍化。
傲慢な夫や息子たちに軽んじられながら、家庭をささえてきた主婦・朋美は46歳の誕生日、ついに反旗をひるがえす。衝動にかられ夫自慢の愛車で家出、「初恋の男が長崎にいるらしい」という理由で、長崎に向かって高速道を走り始めるのだった。奪われた愛車と女の連絡先の入ったゴルフバックばかり心配する夫を尻目に、朋美は自由を謳歌するが―― 冒険の果てに、主婦・朋美が下した「決断」とは?
+++
一読、著者らしい、と思う。人間の毒をこれでもかというほど曝け出し、家族の共依存性の醜さを残酷なまでに描き、そして朋美は46歳の誕生日、自らがセッティングしたディナーの席から出奔する。拍手である。自分にはできないことをやってくれた朋美に着いていき、どんな運命に弄ばれるのか、読者はわくわくハラハラするのである。道中の災難や、思いがけない幸運、そして落ち着いた先での疑念。家を捨ててきた切迫感が幾分薄れた印象の後半は、やはり収束へ向かう布石だったのだろうか。冷静に考えれば何一つ解決してはいない気がするのだが、石を投げ入れ、波紋を起こした影響は、きっとどこかには現れるのだろう。つまらない気分半分、ほっとした気分半分の一冊である。