紙の本
「経営は科学だ!」という命題に疑問を投げかける本です。
2011/10/02 17:49
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
「経営は科学だ!」という命題に疑問を投げかける本です。
では経営にとって必要なものは何なのか?
本書では経営におけるサイエンスの限界を感じつつ、経営に「アート」の要素を見出しています。人と人の間で行われる行為は、理論上のことだけで進むのには限界がります。
本書では9つの事例を通して、どうやったらイノベーションが実現できたかを解説しています。9つの事例それぞれについて、前半部分はドキュメンタリー風に物語を書いていき、後半では経営的な解説を入れるという手法です。
以下、気になったところ。
「モノはそこに人間がかかわろうとかかわるまいと存在するのに対し、コトはそこにかかわる人間との関係性のなかで成立します。」
モノは変化しないにの対して、コトは常に変化することがその本質です。コトを創造することは、常に変化の中での関係性をもつということになるため、人を引き付けるイノベイティブな事業になるのでしょう。
本書ではイノベーションを起こした主人公がたくさん出てきますが、一様に他の人との関係性を重要視している姿勢がうかがえます。
人間の関係性が事業の成功につながる様子がよくわかります。
人間の関係性に着目した経営となると、リーダーにとって重要な役割も自ずと決ってきます。それは、「場」のマネジメント。
これからのビジネスリーダーにお勧めの一冊です。
龍.
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日本ならではのイノベーションをケース毎に分かりやすく説明している。暗黙知を伝えるには、ストーリーに限る、、、ということを改めて実感させられた。
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このタッグでの第3弾!
心が熱くなる本。この気持ちの高ぶりを、きちんと現実に反映していかなくては。何度も読み直すに値する良書です。
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日本の企業の事例をあげて紹介。
モノを売るのではなく、コトを買ってもらう。
そのモノを買うことがが、お客様の問題解決るすることではなく、そのモノを使った結果、問題がクリアーされ、満足される。
「モノ」は一つのサービスや商品。
事例を読むとジワっとミナギル力が起きる。よく聴き講演をいいたことがあるが、動いて活動している事例(結果)とにかく素晴らしい。
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各エピソードで、前半は苦労話や成功までの過程が書かれており、後半は野中大先生が戦略論として論理的に解説されている。訳のわからないケーススタディではなく、私たちの最近の身の回りのエピソードが多いので、腑に落ちてきます。
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イノベーション大家による実践と理論が融合したワクワク本の待望の第3作目。面白くてためになるシリーズであり、本書も期待を裏切らない。
実践的三段論法、動きながら考え抜く(Contemplation in Action)、モノからコトへ、物語的戦略など、刺激的なキーワードにインスパイヤされる。
まずは動かなきゃ。
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日経新聞の「やさしい経済学」で新年から連載が始まった野中郁次郎氏の最新の著書。野中氏は永年にわたり、知識創造経営について研究されていらっしゃいますが、いよいよ、アリストテレスのフロネシス、「共通善」(世のためになる、よきことをするという根源的な思い)に到達したわけです。私は非常に共感しています。
さて、本著は、イノベーションをもたらすリーダーの実践知(実践的な知恵)とはいかなるものかがテーマですが、実践知の多くは暗黙知で言語化できないため、物語として伝えるしかないという氏の流儀による物語集です。
実践的三段論法、コト的発想、動きながら考え抜く、動詞ベースといった知の作法、具体的な事例で解説されており、リーダーの実践知を共有できます。そして、その根底にあるのは「共通善」です。YN
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経営学の大家である野中郁次郎教授と、ジャーナリスト勝見明さんの異種格闘技的な共著「イノベーションの本質」・「イノベーションの作法」につづく「イノベーションの作法」。このイノベーション3部作は前半に優れた成功事例を物語調で紹介する「物語編」と、野中教授による「解釈編」による2段構えの構成になっている。
テイストは同じなので、どれから読み始めてもかまわないがイノベーションシリーズを通して読むと、組織としてイノベーションを起こすためにはどのようなことが必要なのか理解が深まる。
特に本作で繰り返し使われるキーワードは以下のとおり
・「理論的三段論法」から、「実践的三段論法」へ
・「モノ的発想」から「コト的発想」へ
・「考えて動く」から「考えながら動く」へ
・「名詞」ベースから「動詞」ベースへ
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著者は一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏。
旭山動物園や京都の堀川高校等の9つの奇跡の事例をもとに
大きな成功に共通する「イノベーションの本質」を人と組織の
観点から捉えた本。
9つの事例を基に自分の組織に応用できるものがあれば
とても素晴らしいことだと思う。
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9つの「知識想像論」の事例を紹介している一冊。
旭山動物園や堀川高等学校そしてエキュートの事例が特に印象深い。
既存にある当たり前を疑う事で、そこに新たなる価値を生み出したプロセスが記されている。既存にあるものに対してなにも考えずに受け入れるのではなく、「もっと良くならないか」「ここは変えたほうがいいんじゃないか」と常に別の角度から物事を見る事の大切さ・面白さを感じさせられた。
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『失敗の本質』の野中郁次郎氏と『イノベーションの本質』『イノベーションの作法』の勝見明氏の両氏による、企業の先進事例を題材としたケーススタディが展開される。
一即多 多即一の概念、演たく法 帰納法 、仮説と実証。イノベーティヴな取組みの背景には、関わる人を鼓舞する良い議論があると教えてくれる。
そして良い議論の下地とは、関わる人が直感的にブレない「あるべき姿」を共有している環境であり、良い議論とはどのように「あるべき姿に変容していくか」が述べられる場と言える。
「あるべき姿」は論理的であるとか説明的であるよりも寧ろ、キチンとイメージ出来るかという点が重要なのかもしれないと考えさせられる。
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「時計時間:クロックタイム」と「適時時間:タイムリータイム」
時計時間から離れ、適時時間で新たに構築する。
二つの時間を融合する。
「実践的三段論法」=目的x手段x行動
自分の存在意義を問い直す。
ひとつひとつの積み重ねが「奇跡」を生む。
「モノ的発想」から「コト的発想」へ転換する。
コト作りは常に変化し続けれねばならない。
「考えて動く」ではなく「動きながら考え抜く」
「名詞」ベースではなく「動詞」ベースで発想する。
「分析的戦略」ではなく「物語的戦略」。見えない文脈を見抜く。
「リアリティ」ではなく「アクチュアリティ」
「決定力:デシジョン」ではなく「判断力:ジャッジメント」
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「イノベーションの本質」「イノベーションの作法」に続くシリーズ(?)第三作。前二作同様、実際のイノベーションの事例をストーリーと解説という2段階で紹介していて、面白く、示唆に富む内容である。
第三作の事例は主にソーシャルビジネスや公共事業が取り上げられている。しかし、そこから抽出されるイノベーションの要因や原動力は、ひろく一般企業にも応用可能な内容である。
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共通善を目指し、身体性を持ってコトに当たる。動きながら考え、好奇心を持って見つめ見えない文脈を見抜く。イノベーションは1人の頭脳の中のみで生まれるわけではなく、様々な主体の相互身体性が大きなうねりとなるんだなぁ、と感じました。
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『〜である』から『〜する』への変化
「モノ」から「コト」、「名詞」から「動詞」など現代社会はネットによって「~する」という「行動」そのものが身体的行動が減り、頭脳的感覚行動に頼った判断になっていることだ。いわゆる数字統計、文献情報などの「理論武装」的発想だけで物事を判断する状況になっていることに危機感を感じる。ネット社会でも『〜する』身体的実践行動が必要だと言うコトなのか。