unaさんのレビュー一覧
投稿者:una
2001/07/24 14:40
自分で一からスクリプトを書きたい人に
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利用できるスクリプトがいっぱい載ってる本ではありません。これはほとんどがperlのリファレンスで構成されています。最初の84ページまでが、基本/実用スクリプトの掲載で、あとの442ページまでがperlの項、演算子、関数のリファレンスとなっています。
分類は目的別で、たとえば関数ならば数学関数、文字列関数…入出力、ファイル操作、ネットワーク関数、などのように分類されています。
これは意見が分かれるところですが、人の作ったソースを読み砕きたいときはとにかくabc順に関数が掲載されていると助かるものです。でもこの本はそういうところはとりあえず索引に任せておいて、自分で一から作るために、というかんじに構成されているような気がしました。巻末の目的別関数インデックスもかなり使えます。
付録のCD−ROMが「ポケットリファレンス」なので8cmなのがかわいくてほほえましいかんじでした。もちろんCD−ROMの内容も必要充分です。
実はこの本でperlを覚えて、現在でもその関係のお仕事をしているので、私にとってはとてもとても購入の見返りが大きかった本なのです。個人的な感想ですが。
紙の本2001夜物語(Action comics) 3巻セット
2001/06/24 23:34
漢の宇宙まんが
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ある夫婦が超光速飛行実現前に自らの受精卵を宇宙のある惑星に向かって送り出す。しかし、その受精卵が目的地に到着する前に超光速飛行が実現される。その受精卵の「兄弟たち」あるいは最初の夫婦の子孫たちはその受精卵である「宇宙の子供たち」のために実は荒涼とした惑星であった目的の惑星を改造し、彼らを迎える準備をする。
超光速飛行実現前の死にものぐるいの宇宙繁種計画をいわば原罪として抱え、それを負のモチベーションとして広漠とした宇宙に挑む男たちの物語である。
難しい主題で迫るが、とにかく美しい宇宙の風景、宇宙船の造形、そのリアリズムに感涙。漫画も芸術の表現手段であるのだ。
紙の本薔薇の名前 2巻セット
2001/06/24 23:10
映画の方は見ましたか?
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ヒトによれば「彼」がシャーロック・ホームズなのだそうだ。そうかもしれない。そういう意味ではミステリとしての読み方が一般的であるとも云えよう。しかし一級の宗教小説でもある。SFでもある。もちろん、歴史小説でもある。このような本を書くのは、ものすごいエネルギーと時間を要するに違いない。
絢爛な小説、文体だけではなくて構想が、仕組みが、登場人物が、すべて絢爛である。緻密な設計に基づいたいわゆる言葉の芸術。これが文芸である。★5つ。本当は6つ、つけたい。
タイトルに戻るが、映画はショーン・コネリーが主演している。小説の舞台をビジュアルで見られると云うことで、読後、映画の方も一見をおすすめしたい。
2001/06/24 22:52
けなげで、かわいい女のコが幸せになるおはなし
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地方から大学進学のために東京に来た、けなげでがんばりやでかわいらしい女のコが、ひょんなコトから女の子3人で優雅な共同生活を送ることになり、年下の男の子と知り合い、猫を拾い、そして巣立っていく、と云うおとぎ話のような、まんが。
幸せになるために、それぞれががんばっているヒトがいて、そのがんばりの結果幸せになっていく。その過程がまたまた幸せいっぱいな少女まんが少女まんがした筆致で語られる。特にラストシーンで同居していた3人の女の子が再会するエピソードの大ハッピーさ加減と云ったら!
お疲れのヒト、ちょっと幸せになれますよ。
紙の本ビジネス・ナンセンス事典
2001/09/10 17:52
「愛」ですよね
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らもさんにとって○○とは? と聞かれた時は必ず「愛です」と答える著者の描くサラリーマン悲喜こもごもエッセイ&フィクション&あいえお順 という本。
一つ一つは短く、さらりと読めてしまうのでちょっとした空き時間などに最適です。何度読んでもうなずける話ばかり。ナンセンス、なのにリアルなんですよ。
でも基本的に最初の項にあるとおり著者にとって物事とはおしなべて「愛」であるので、視点に愛情がこもってます。もちろんそれは短くない著者のサラリーマン経験と優れた観察眼によるものと思われます。
紙の本甘えんじゃねぇよ!
2001/09/10 17:41
やばいおもしろすぎる
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「みっちゃんのママ」が自分の娘(=みっちゃん)をダマすために絵本を自費出版しちゃったり、弟は金でできてたり、妹はウルトラマンの愛人の子だったり、蝙蝠男に思いを寄せられたり。
うー、文章にするとなんでこんなにもどかしいんだろう。やっぱり漫画は力だ。絵もいっしょに見ないとわかんないよ。
ホント面白いんだから。ね。ね。
2001/09/10 17:32
あー、猫になりたいっ!
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何度読んでも幸せな気分にさせるこの本、ホントに猫たちが愛らしい上、設定までがかわいらしい。
猫たちの生活する南洋の島に人間の若者が迷い込んで、カルチャーの違いに驚きつつもいつしか島の仲間になっていく、という基本的なストーリーと、なぜ猫たちが人のように言葉を話し、町を形成して暮らしているのか、という点の謎解きが絡んでいて、ストーリーも興味深い。
基本的に一話完結型で「猫たちのほほえましく面白い生活習慣」について語られていくわけだが、これがちょっとどんよりした気分の時とかに効くわけです。おすすめ。
2001/09/10 17:27
勇気ある出版に感謝
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調査したわけじゃないからあまりあてにならない話だけど、今、デルタインテグラーレに載る人って国内外に何人いるのだろうか? それほど多い数ではない、はずだ。
しかしその「それほど多い数ではない」我々にとってデルタのチューニング・メンテナンスポイント、パーツ販売店、サポートショップ、等々の情報は喉から手が出るくらい切に欲しているモノなのだ。
インテグラーレが世に出て10年以上(ちなみにウチのは89年)、ピカピカの今年(2001年)9月に出版されたこの本は、インクのにおいも鮮烈で、デルタオーナーであることの喜びを改めて感じさせてくれる良書である。
巻頭のグラビアを羨望のまなざしで舐めまわすようにシミジミ見てしまったのは、私だけではないはず。
紙の本樹液すする、私は虫の女
2001/07/25 21:44
やっと出会えた
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中途ファン(デビュー当時からのファンではなく、ヤプーズあたりからのファン)である私にとって、この本は手の届かないところにあるものだったのです。ずっと絶版でした。
ところが、あるファンがインターネット上で署名運動をしてくれて、なんと復刊することになりました。とても幸福な話です。
内容は、予想に違わないすばらしいもの。エッセイ、詩、小説、すべてが戸川純のエッセンスたっぷり。当時の写真図版もたくさん載っていて嬉しくさせてくれます。復刻版のためのアトガキもあり。
2001/07/10 23:00
魔犬ふたたび!
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魔犬、政治的陰謀、黄禍、ソールズベリ卿、ワトスンの婚約者…。鼻の奥がつーんとするような懐かしい香りの設定のパスティッシュ。
ハムステッド・ヒースに現れた魔犬はあの犬の再来か? ドキドキしながら読めます。パスティッシュ数あれど、これはオススメ。
2001/06/24 23:40
笑いすぎておなかが痛くありませんか?
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ラシャーヌみたいなカンジ悪い少年はインドに行ってもいないと思います。本当です。ラシャーヌのお父さんは多分500回くらい殺されていると思います。本当です。おじさんの拳法はむっちゃ強いですが、あんなインド人はいないと思います。本当です。
しかし何でこの漫画って舞台がインドなんですかね。謎です。バカ笑いしたいような辛いときに読むのがオススメ!楽しいヨ!
2001/06/24 23:26
ネタ満載
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やっぱり基本は抑えておくべき。
「ぼくは出血多量で死ぬかもしれない」とか「医者はどこだ」とか「目医者」、「メメクラゲ」などのギャグがわかんない人、「まだ...にいるのです」は李さん一家がネタのオチであるとか、知らないと人生最大の損失でしょう。
ワタクシ的には「ポキン金太郎」がつぼにはまりました。
えーっとですね。文学的でどうこう、とか旅行漫画であるとか放浪の詩人であるとかイイますが、「おもしろいまんが」として読んでいくといいと思いますよ。だってオモシロイですから。本当に。
紙の本吉野大夫
2001/06/24 22:59
文学が滑り続ける
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著者は「吉野大夫」という女の存在を知り、それについて調べようとする。しかし、それについて調べていけば行くほど、不思議な案件にぶちあたり、話は横道へ横道へと逸れていく。著者は、そして読者は大夫について知ることができるのか....。
結末は、読んでからのお楽しみ。文学ってオモシロいっすよ。
紙の本一九三四年冬−乱歩
2001/06/24 22:42
あ。これ、乱歩のパスティッシュなんですね。
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乱歩好きにはたまらない一冊。
小説内小説がまた絶品の出来。「押絵と旅する男」の頃の乱歩の文体模写なんです。この「梔子姫」という小説だけでだけで十分楽しめます。
それなのに、その小説の成立と逃亡中の乱歩の出会う夢みたいな現実みたいな薄ぼんやりしたエピソードを絡めて、非常においしい小説になっています。
おすすめできます。
紙の本驚愕の曠野
2001/06/24 22:34
薄い?でも大丈夫!
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日本文学界の最高傑作のひとつだと思う。メタ小説における最たるものとして勧めたい。深読みし過ぎてし過ぎることのない一冊。 こういうのって書くときにいっぱい書いて削って削って仕上げるんだろうか? それとも、この本に書いてない部分は著者の心の中にしかないのか? この本に書いてあることだけで十分なんか?
頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになること請け合い。誰が誰に転生してるのか表書きながら予想して読むとイイですヨ。