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アメリカン・スナイパー (ハヤカワ文庫 NF)クリス・カイル (著)
書店員:「丸善札幌北一条店」のレビュー
- 丸善
- 丸善|札幌北一条店
二人の子供は元気なんでしょうか?
ここ数年でかなり涙腺が弱くなっておりまして、先日テレビで放送された「おおかみこどもの雨と雪」を観ていたら、終始ボロッボロ泣き通しでした。
数年前に見たときにはそんなことなかったのですが、老化現象でしょうか?「男は泣くな!」の家訓を持つ僕にとっては由々しき問題です。
さて、映画版「アメリカン・スナイパー」の出来が良いらしいので是非観たいのですが、映画ブログ等々によると精神的にも肉体的にもかなり消耗させられる映画だそうです。おそらくこの映画も最後に強烈な感涙ポイントがあるはず(予想)。事前対策として原作を先に読んでおこう、と手にとりました。
疲れ果てて戦争から帰ってきた男が、同じく疲れ切った兵士たちの心の治療施設を運営していたら、その兵士に射殺される、という皮肉ながらも奇蹟のように良くまとまった話です。イーストウッドならずとも映画化したくなる気持ちもわかりますが、本書はスナイパーのクリス・カイルの独白、日記のようなものなのですので、映画そのままというわけではありません。
厳しい訓練や戦場の様子が詳しく語られますが、映画化されるし盛り上げよう!と話しているわけではないのでけっこう淡々と進みます。悪ガキアメリカ兵の日常。
そこにアメリカに残してきた奥さんのインタビューが挟まれつつ(これがじわじわ堪えます)約10年の軍人生活が語られます。
「アメリカの敵はどんどん殺す。それが正義」を父親や国からたたき込まれた兵士のすることなので、映画小説とも物議を呼んでいるのは理解できます。いわく、戦争の美化、アメリカの抱える暗部だ、そんなに人殺しが偉いのか、などなど。
おそらく全てその通りでしょう。でも、もしクリス本人がまだ生きていて発言出来たなら「みんな何でも好きに言ってくれ。戦場じゃ撃たなければ撃たれて終わり、それだけだ」的に答えるんじゃないかな、と思うのです。
戦場に実際に行った人間と外から見ている人間、現場と外の意見の乖離はなかなか埋まるものじゃない。その辺の倫理問題は本や映画を観た人それぞれが考えればよろしいかなあと思います。
で、僕が読み終わって一番強く感じたのは「カイルは面白くていいやつ!」という子供みたいな感想でした。また、彼の最後はとても残念に思いますが、取り立てて涙ポイントでもありませんでした。
・・・次の日、さてさて映画はどうなっているのかな?とネット検索。そして映画用のポスターを見つけました(いいポスターです)。そこには一文の宣伝コピーが。「彼は帰ってきた。心は戦場においたままで。」今回の僕の涙ポイントはここでした。
これは本来、カイルが除隊してアメリカの奥さんのところへ帰ってきたタイミングでの言葉かと思いますが、せっかく「帰ってきた」彼をまた失う奥さんの気持ちを慮るともう駄目。
奥さんに感情移入してしまうとは思わなかった!
そんな訳で何の目的で読み始めたのやら訳が分かんなくなってしまいましたが、是非映画も観ようと思います。
善悪とか生死とかはいったん棚上げ。信じる物のため開き直って戦う男の記録。同じように日々戦っている方々向け。
サト