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いっしょに書店、歩きませんか?

vol.25作家・マンガ家 小林エリカ

読書家で、特にシャーロック・ホームズをこよなく愛するご両親の影響をたっぷり受けて育ったという小林エリカさん。目に見えないもの、時間と歴史、家族と記憶、場所の痕跡に触発された作品を制作し続けています。小林さんにとって本は過去を知るのにも、新しい扉を開くのにも必要なもの。今日はよく訪れるというMARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店に、ご一緒させていただきました!

プロフィール
小林 エリカ(こばやし・えりか)

1978年東京生まれ。作家・マンガ家。著書に、小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』、『マダム・キュリーと朝食を』(第27回三島由紀夫賞候補、第151回芥川龍之介賞候補)(ともに集英社)、アンネ・フランクと実父の日記をモチーフにした『親愛なるキティーたちへ』(リトルモア)など。
2019年11月11日まで、東京・国立新美術館にてグループ展「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」に参加。2019年11月21日までロンドン・Yamamoto Keiko Rochaixにて個展「His Last Bow」開催。

本屋は最高の時間を過ごす場所。

「両親の影響で小さい頃から本が好き。練馬区ビクトリア朝育ちのつもりです(笑)。翻訳本が好きですね。あるとき、それまであまりピンとこなかったゲーテの『ファウスト』(集英社)を、池内紀さんの訳で読んだらすっと頭に入ってきたんです。訳者によってこんなにも違うんだ! と感動したのを覚えています。

さまざまな翻訳本があるなか、「心に響き、涙を流しました!」という、池内紀訳の『ファウスト』。

好きな本は2~3冊買うことが多いですね。読む用、保管用、プレゼント用です。『この本、エリカさん好きそう!』と、おすすめされることも多いのですが、私自身、人からいただいた本で新しい扉が開くこともあって。『三体』(早川書房)も、みんなが私におすすめしてくれていて、気になっている1冊です。

そんなわけで、いいなと思った本はわたしもおすすめするようにしています」と、作家でマンガ家の小林エリカさん。

 放射線が発見されてから120年と少しの歴史を主人公の少年がタイムスリップしながら辿る『光の子ども』(リトルモア)3巻が、この秋に発売したばかり。気になるジャンルはやはり、化学、歴史、女性などだそう。

「〝なんで?〞と自分が知りたいことが、作品につながることが多いのですが、手がかりを探していくと、化学や歴史、女性に辿り着きます。『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』(講談社)や『ケミストリー』(新潮クレスト・ブックス)など、ドキュメンタリーとフィクションの間を揺れ動くような文学が好き。

多くの文学作品は、ドキュメントとフィクションが分かれがちですが、そこを攻めていく姿勢に共感するんです。近頃は中国や韓国の文学にも興味があって、日本軍による慰安婦被害者の女性の証言を物語に編み込んだキム・スムの『ひとり』(三一書房)や、人生のギリギリのところを攻めながら、根源的なことを詩的な文章で綴るハン・ガンの『すべての、白いものたちの』(河出書房新社)と『菜食主義者』(CUON)は最高です!」

美しい装丁の本にも惹かれ、気になる本の装丁家はチェックするそう。

 小林さんの作品も多くが、徹底的に調べられた史実から生まれる物語。『光の子ども』も19世紀にキュリー夫人が「放射能」と名づけたものの歴史を、史実とフィクションを織り交ぜながら紐解くもの。この秋に発売した3巻で、ようやくシリーズの第1部が完結しましたが、2部へと続く創作活動のために、テーマへの探究心は衰えません。

「これから第二次世界大戦、オリンピックと続くなかで、『ヒトラーのオリンピックに挑んだ若者たち ボートに託した夢』(早川書房)は、テーマにぴったり! 今日も本屋でいいものを発見できました」

小林エリカさんがお買い求めになった本

小林エリカさんと巡った書店

MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店

JR・京王・東急・東京メトロ 渋谷駅 徒歩7~10分
〒150-8019
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 東急百貨店本店7階
営業時間
10:00~21:00

MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店は、丸善書店とジュンク堂書店がダブルネームで出店した第1号のお店です。 東急百貨店本店の7階ワンフロアの店舗は、書籍と文具を揃えた日本有数の在庫量を誇っております。また2012年3月からは、NHKのDVDやキャラクター・グッズを取り揃えたNHKスクエアが店舗内に出店いたしました。 他の書店にはない充実した品揃えで、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
店舗情報詳細

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