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紙の本
「残念な人」「意気地のない人」に感情移入してしまうのは、私が弱い人間だからであろう
2020/06/09 21:46
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者はこの作品で芸術選奨文部大臣賞および紫式部文学賞を受賞している。表題作を含む10の話からなる短編集だ。「淀川にちかい町から」は主人公・鶴子の子供のころの思い出が鮮やかに描かれている。どうということのない日常の描写なのだがきめ細やかに再現されてゆく。「口惜しい人」「質朴な日日」「おたふく」「意気地なし」「子供の死」「釘を打つ」「まだまだ」「空に籤」「帰郷」とどの作品も大阪の庶民の姿が生き生きと、そして時には残酷に描かれている。それにしても、大阪弁という言葉はどうしてこんなにも心に響くのであろう。最後に、これらの作品集に出てくる「残念な人」「意気地のない人」に感情移入してしまうのは、私が弱い人間だからであろうことを付け加えておく
紙の本
静かな、しかし奥深い短編集
2015/11/23 23:06
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投稿者:ところ点 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和の大阪庶民の生活と心の内が、静かな口調で語られる。しかし、単に穏やかというわけではない。「子供の死」では、隣家の精神的に不安定な息子に盲目的な愛を注ぐ母親が亡くなるところはグッとくるものがあるし、「おたふく」では、しばらく来店していなかった元の夫が現れることを想像して終わるが、ひょっとすると、元夫は永遠に来ることがなかったという悲しい話とも取れる。奥深い短編集である。
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