紙の本
傷を抱えたまま
2018/05/01 05:19
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
街中至る所に包帯を巻き付けていく、高校生たちの放課後が奇妙な味わいでした。痛みや哀しみを受け入れることで、成長していく姿が感動的でした。
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天童荒太待望の新作はなんとちくまプリマー新書。この本の登場人物の感覚についていけるうちは、まだ自分の青春も終わっていないんだと思いました。
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人が受けた深い傷に、「それは傷だと思うよ」と口に出すことで、いたわりを伝えることも出来る。でも、包帯を巻くことで、余計に痛々しく感じられはしないだろうか?う〜ん、傷つきやすい少年少女たちの、胸の内を理解することは難しい。。。
それぞれの「報告」として少しだけ書かれていたが、私は大人になった後の彼らのことがもっと知りたいと思った。
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別に、他人に痛みを解ってもらおうなどとあまり思わない私にとっては、ちょっとぬるい作品に感じてしまいました。作者や登場人物のメッセージもよく解るんだけれど、人によって「合う」or「合わない」が分かれそう。合う人にとっては、とても優しい本かもしれない。(2006.02)
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軽快なタッチで、キャストも高校生ということでおきらくに読んでおりましたが、これが予想外にこたえています。さすが、天童荒太文学。
両親の離婚という経験から、どことなくトラウマを背負ってはいるものの
前向きな女子高生ワラ。人の心の傷だけでなく、世界のどこかで苦しんでいる
誰かの傷にまっすぐに立ち向かう少年ディノ。
そして、二人を取り巻く一見どこにでもいる普通の高校生たち。
日々の生活のなかで、私たちもよく理解できる大人がつくったシステムにたくさんの傷を受けている高校生たちが集まってできたのが、誰かの傷を癒すためのクラブ、包帯クラブ。
あまりに単純なやり方なのに、いい大人の私も、すっかり自分の傷に包帯を巻いてみたらどうだろう、そして、自分が誰かにつけた傷に包帯を巻いて上げられたらどうたろう、と作品に思いを重ねました。自分の傷や誰かの傷跡を包帯で巻いたらこの国は白い包帯でいっぱいになるのかな、って想像すると、誰かの犠牲の上で暮らしていることを忘れてはならない。と自戒します。この作業は物語のやり取りのなかにこめられているように思います。また普通の高校生の会話の中で、時折込められた世界へ向ける目は、天童氏のメッセージなのかもしれません。最近読んだ本の中で印象的だった「シエラレオネ」やそして、日本では報道されきれない、世界中の傷のこと。自分には何もできないと諦めている大人がとても多い気がします。でも、この本を読んで、自分のちいさな可能性を感じることができる気がしました。
「何もならないのはわかるよ。なにもならないことの証としてでも巻いていこうよ」
できないことを自分なりに抱えて生きること、それだけでも、何かの一歩になるかもしれないと、そんな勇気をもらえた一冊でした。たくさんの高校生にも読んでもらいたい本です。
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実はずっと気になっていて、本屋で眺めていました。でも、天童 荒太さんがテレビでこの本を書き上げるための背景を聞いてびっくりして、即買ってしまいました。
こんな短い本なのに、この人の町の細かい状況から、小さい頃から大人の頃まで全部きめてから、書いたんだって。
すごいなあ。
結構、内容は青春ものなんだなぁ。って感じでした。
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高校生から就職するまで、周りから見るとほんの些細なことでも、自分にとっては大きな棘になっているものがいくつかあった。
今では薄れてきたけど、この本を読んで、その棘たちを思い出した。今でもやっぱりじくじくと痛んでいる。
あの頃、この包帯クラブがあれば棘は抜けたかもしれない。その棘は、傷なんだよと認めたもらえたのかもしれない。
主人公たちに思わず感情移入していまい、涙を流してしまいました。
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久しぶりの天童荒太さんの小説。高速バスの中で、涙目になりながら読んだ。生きてく中で心の傷は絶えないけれど、傷だと認識して包帯を巻くことで癒すことができるというのはなんだかちょっと心が温まった。みんな一生懸命生きてるのに辛いことがいっぱいある現実がなんだか優しい目線で描かれていてよかった。ちょっと頑張ろうかなって思えた。
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鼻からップっとくるような笑いと友情姿にッグっときました。
終わり方ビーミョだったけど中身が面白かったのでいいですわ(ぇ
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どんな些細な傷でも、「それはちゃんとした傷なんだよ」と言ってくれる人があれば。見て見ぬふりした傷は化膿して腐るかもしれない。ちゃんと手当てされた傷は、かさぶたになって、いつか剥がれ落ちる…。
傷を負った人は、誰かの痛みをわかってあげられる人。
私も包帯を持って、街に出たくなった。
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天童荒太の最新作。ジャケがシンプルで印象的だから買ったけど、内容は「永遠の仔」に比べると、、、天童荒太の作品はいつも暗いよね。
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高校生の主人公が、人の心の傷、自分の心の傷について考え、行動を起すって話。いつも思ってることだけど、自分を中心に世界は回ってるようで、回ってなくて。自分が感じてる痛みと、同じような痛みを他の人も必ず持ってるわけで。そういう、当たり前なんだけど、普段は忘れがちなことを、掘り起こさせられるお話です。自分のココロの傷を認めながら、人のココロの傷にも気付いてあげられたらいいんだけど。私はそこまで出来た人間じゃないなー。
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それが傷なんだよ。私も言われたい、そう認められたい。そうすれば、心の奥が軽くなるのにね。等身大の子供達の物語。きっと誰もが、少しでもそういう気持ちを抱えてる。私もああゆう仲間が欲しいな。ディノのその後が気になります。
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自分が傷ついた場所に包帯を巻くことで心の傷を自覚し、気持ちが癒されるということを発見し、町の至る所に包帯を巻く高校生達の物語。狙いはわかるし、なるほど、ごもっとも、と思います。でも、どんなに傷ついても「こんちくしょう、負けてたまるか」と頑張っちゃう人の方が好きです。はい、基本的にこの本のコンセプトと合いません。物語も単調で退屈でした。報告書の形をとってるせいもあるだろうけど、説明過剰、言葉過剰なのがずいぶん気になった。
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自分の子どもが生まれたら読ませたい本。 こういう感性を持った人間に育って欲しい。まだ子供なんていないけど。