紙の本
ラノベ風に読めます。
2019/05/02 14:38
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
バルボ家に生まれた双子の兄弟、シルヴィネとランドリ。二人はそっくりな上に離れ離れになると不安になるくらいに仲が良い。しかし、歳月は流れ、少年期になり、兄弟のうち一人、ランドリが他家に奉公に出る。
シルヴィネは自分の家庭しか知らず、愛する対象も家族、それも双子の弟ランドリに精神的な比重を置いている。
ランドリは隣村で様々なことを知り、友だちを増やしていく。シルヴィネは拗ねた気分になる。ランドリは兄の気持ちを理解しつつも、世間が拡がりはじめているので、少し兄がわずらわしくなってくる。
兄が拗ねて家から姿をくらませた時、評判の良くない家の不器量なお転婆娘のファデットから兄が何処にいるか教えられる。
ファデットへ恩を返す約束で、お祭でランドリは嫌々ファデットと踊りを踊ることになるのだが……。
難しい時代背景や宗教的な説明なし、田園の風景、習俗を楽しみ乍ら読む、愛情の物語です。
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いい話だ。シルヴィネが一番好きだけど、ランドリーもファデットもいい人だと思った。言い回しもシェイクスピアみたいに派手じゃないし(いやでもあの人は演劇作家だしな)
好感が持てて読んだ後心が幸せになる本。
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ファデットとランドリ、シルヴィネの成長物語。
シルヴィネの嫉妬心がものすごい。彼が闇にとらわれてしまう様が・・・
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ただいま、ショパンブーム。
それだけでは飽き足らず、当然のごとく流れはサンドへ。
その昔、少女の頃に夢中で読んだプチ・ファデット。
今回、これまた懐かしの「篠沢教授ヘドン!」の
篠沢秀夫訳で読了。
面白いんだけれど…やっぱり19世紀の小説だなと言うのが一番の感想。
やたらとセリフが長い。延々と誰かがしゃべり続けてくれるのだけど、
これを読むのは正直疲れる。
オースチンやディケンズとか、『若草物語』とか、みんなそう。
ま、時代の特徴、しょうがないよね。
でも、少女の私が夢中になったファデットは出来すぎに思え
また素敵な好青年だったはずの恋人ランドリが、
田舎のあんちゃんにしか見えなくなっているのは私が年をとったから?
ちょっとさびしい読後感……
あ、でも、ファデットの暮らし、特にシルヴィネへの心理療法は
とっても今風。良いかも。
あ~、そんなところに反応する自分が悲しい。
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読もうと思ったのだけど、家にあるはずの旺文社文庫版が見当たらないので、買ってもいいかと。
宮崎さんの訳で読むか、篠沢教授の訳で読むか。
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少年少女世界文学全集で読んで以来、久々の再読。大人になって読んだ感想は、ジョルジュ・サンドって相当に頭の良い魔性の女だったんだろうな~、という一言に尽きる。
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解説に書いてあるように、美化されすぎてるとこはあるけど、とっても美しいお話だった。
翻訳と解説が素晴らしい。
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19世紀フランスの女流作家ジョルジュ・サンドによる田園小説。双子の兄弟と野生の少女の美しく繊細な恋愛物語。
女流作家ということもあり、どことなく少女漫画チックで心理描写が繊細。この時期の恋愛小説には悲劇的なものも多いなか、こちらはティーンの頃の気持ちに戻ってニヤニヤできる場面もあり、田園風景も相まって少し癒やされる感じがした。
とはいえ、展開にはそれなりに起伏があって引っ張られる。10代半ばから後半あたりの女の子には、花が開いたように急に綺麗になることがあるものだが、そういった瞬間をヒロインの設定によってさらに深く掘り下げ、劇的に描いているのは見事だった。後半、父親との衝突と兄弟の嫉妬の問題で感情が揺さぶられるし、ヒロイン無双とでも言いたくなるようなファデットの活躍が痛快で、気持ちの上がり下がりが激しい。少し都合が良すぎるようにも思えたが、各人物の心の動きが丁寧に描かれるので感情移入できた。最後のオチが心に沁みる傑作。