名取の姫小松さんのレビュー一覧
投稿者:名取の姫小松
紙の本高橋葉介 総特集 『夢幻紳士』40周年記念 大増補新版
2021/06/15 11:57
夢幻紳士フォーエバー。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
高橋葉介の『夢幻紳士』40周年記念の増補新版。新たに加えられたインタビューや作品が嬉しい。夢幻紳士と作者の対談、やっぱりこうなるかあと、面白い。
電子書籍妻が口をきいてくれません
2020/11/26 16:30
身につまされる。
7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
妻が口をきいてくれない。夫には心当たりがない。
突然ではない。日々積み重なったひずみが大きな亀裂になった。夫はそれに気が付いていない。子どもも父親を頼ろうとしなくなる。
夫は空しい日々に孤独感を募らせ、離婚を思うが……。
死ぬまで人生は解らない。
電子書籍【期間限定価格】エロスの種子 2
2018/06/19 13:47
不思議な感覚。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
誰もが身勝手で、己のことのみ考えて生きている。その中で相手を想い、快感を分かち合える体験は素晴らしい。
性の快感は想い合って生じる場合もあれば、そうでない場合もある。身も心もある人間のエロスの不思議さが描かれる。
電子書籍【期間限定 試し読み増量版 閲覧期限2021年6月22日】RAIDEN-18
2021/06/10 10:47
不謹慎だけど笑える。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
マッドサイエンティストの登場か! と、現れたのはタチバナ博士(年齢不詳)。見た目は眼鏡女子だが、死体を繋ぎ合わせて甦らせる技術を持つ。
ホラーじゃありません。ギャグです。テンポもよろしい。
こんなのアリかあ! と笑ってください。雷電18号、カッコよくて、可愛いぞう。
紙の本ザリガニの鳴くところ
2020/10/06 17:18
自然に身を置くとは。
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
湿地の中で一人暮らす女性、カイア。彼の女は家族に去られ、古い家で貝や魚を漁り、それを売って生きていた。出ていった兄の友テイトに読み書きと自然科学への知識を教えられ、カイアは素晴らしい観察記録をつけ始める。
テイトが進学の為に去り、孤独に戻ると、土地の青年が興味本位で近付いてくる。青年はカイアに好意を抱くものの、物語舞台は1960年代のアメリカ、どうしてもマイノリティへの配慮に欠ける態度になってしまう。
所詮生き物のオスなんて、とカイアは嘆き、テイトはカイアがいなくてはならない女性だと気付く。
そこで事件は起こる。
紙の本母親になって後悔してる
2022/09/07 14:37
誰にだって後悔はある。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
人生は選択と可能性と後悔に充ちている。
しかし、子を持って後悔していると公言すると、非難の嵐にあうらしい。
子どもを愛し、きちんと育てている女性でさえも、出産しなかった場合の人生に諦めきれない可能性を感じている。
さて、後悔を自覚しているからこそ子どもには後悔なき人生を送って欲しいと立派な教育を施そうとする母親と、あなたの為だと過干渉、過保護で子を支配しようとする母親と、どちらが子どもにとってよい親か?
紙の本同志少女よ、敵を撃て
2022/04/24 14:16
本当の敵とは?
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ソ連軍の狙撃兵には女性もいた。共産主義では男女平等なので、当然前線にも出た。
ドイツ軍に母を含めた村人を殺害されたセラフィマは復讐を決め、ソ連軍の狙撃兵となる。
史実を踏まえながら、スターリングラードの包囲戦などの第二次世界大戦の独ソ戦が描かれる。セラフィマの仲間たち、母の仇のドイツの狙撃手、ソ連軍の男性兵士たちが絡み、戦いは終わりに近付く。
本当の敵とは何か?
つらい結末を迎える。
電子書籍志麻さんの自宅レシピ 「作り置き」よりもカンタンでおいしい!
2021/01/20 15:39
参考にします。
8人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
どんなに凝った内容かと思いましたが、自分の台所にある食材を使い、いくらか工夫をすれば、レシピから多少はみ出ても作れそう。
電子書籍フライパンでできる ホットサンドとフレンチトースト100レシピ
2020/04/20 13:20
構える必要なし。
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
お料理の本、読むのは楽しいけれど、実際作るとなると面倒、なんて思うけれど、これなら簡単にできそう。ホットケーキを作れるのなら、ホットサンドもフレンチトーストもありもののパンにちょっと手を加える程度だから難しくない。
紙の本月下の犯罪 一九四五年三月、レヒニッツで起きたユダヤ人虐殺、そして或るハンガリー貴族の秘史
2020/01/25 13:56
もし自分のルーツに戦争犯罪者がいたら?
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
著者の先祖、――といっても祖父母だが――はハンガリーの貴族だった。祖父は戦争に出て、ソ連の捕虜となり十年間収容所にいた。祖母は、故郷はドイツに占領され、戦争が終われば今度は体制が変わって地所を失い、かつての小作の農民の家を間借りしながら子を育ててきた。夫の帰還と共にスイスへ逃亡した。冷戦終結後、父はハンガリーに戻った。
著者は生まれ育ちがスイスで、ずっとそこを本拠としているが、どこか根無し草の感覚が抜けない。そんな所で、同僚から見せられたのが、自分と同じ姓を持つ人物の、戦時中ナチの協力者として、ユダヤ人の虐殺に関わったとされる記事。記事には大伯母、祖父の兄の妻の名前。
根無し草の感覚はどこから来ているのか。自分は、父は、単に祖父母の血を引いているだけで何の罪のないのか?
やがて、著者は祖母と知己であったユダヤ人が収容所から生き延びていているのを知る。祖母とその生き残った女性の手記や著者自身の調査、独白と想像を交えての辛い歴史が語られる。
2018/11/21 15:14
難しくない。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
薬膳と聞くと、材料が特別なのでは、調理の手順が面倒なのではと感じますが、そんなことはない。身近な食材の特性の説明になっています。食べ合わせや特徴を頭の隅に入れて、献立の一助に。
2018/09/05 10:49
女性の問題。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
妊娠出産は女性の領域。だから、男性には実感がないと言われるが、男性だって女性から生まれた、母親がいるはず。それなのに、性欲から女性に対して乱暴な振る舞いをしてしまう。その女性がどれほど傷付き、人生を狂わされるか、周囲の人間をも巻き込むか、その話が描かれている。
また、生まれてきた子どもが先天性の病を持っていた場合の母親の苦しみ。
看護師の立場で、感情移入し過ぎてはならないとしながらも、真剣に見詰めている。
2017/07/12 09:30
悩み多いが誰にどう相談したらよいか解らないこと
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
自分の体のことなのに、誰にどのように相談を持ち掛けたらよいか解らないことが、赤裸々に綴られ、そして説明されいてく。年齢を重ねたら当然更年期、閉経と女性器は劣化していくものと諦めていたが、それは自分の体全体が劣化していくのだと気付かされる。どこまで実践できるかはこれからだが、いくつかは試してみようと思う。少しでも自分が女性である人生を充実させる為にも、有効な本だ。
2022/12/12 11:39
古代の政治史
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
古代史、特に奈良時代に注目した一書。入門書や概説書ではなく、著者の研究成果と現在の学説が詳細に述べられている。教科書的な歴史の話は詰まらないと感じる方に。