紙の本
参りました
2020/06/13 18:16
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫とは言え600ページを超える大作。人工知能、フレーム問題、身心問題、ネットワーク、知性、ロボット、さらには物語論、と内容盛り沢山なのだが、小説としてはそんなによくない気がした。何というか「希薄さ」が目につく。文章も意外に上手いのになぜだろう。
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どっかで森博嗣の「すべてがFになる」との相関を切々と解いてくれてる人はいるんだろうか?どっかで清涼院流水の「コズミック」との相関を切々と解いてくれてる人はいるんだろうか?SFとかミステリとか哲学とかそんな矮小な「カテゴリ」ではなく、「デカルトの密室」は明らかな「物語」で、<アタシ>にとって大切な物語となった。
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初めての瀬名秀明作品。正直、ここまで難解だとは…!これはあと数回じっくり読み直す必要がありそう。だが、これまで知らなかったロボティクスや人工知能といった分野についてかなり好奇心が刺激されました。関連書籍などいろいろ読んで、ちょっと知識をつけて再び挑みたい一冊。評価は保留!
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昨年6月以来の小説。和田裕美さんが小説を読むと表現力もアップすると言っていたので,これからは最低月に1冊は小説を読もうプロジェクトを立ち上げたのだが,その最初の作品がこれ。以前,リアル本屋で見かけて,タイトルに惹かれていたので,アマゾンで注文してみた。瀬名秀明といえば,『ブレイン・ヴァレー』で,霊長類が神という概念を獲得するシーンには,身の毛もよだつ興奮を覚えたことを今でもはっきり覚えている。その割には最後は微妙だったけど。その肩透かし感は,M・ナイト・シャマランの『サイン』や『ヴィレッジ』に近いものがある。そんな訳で,今回も結末にはそれほど期待してなかった。ところが,いざ読み始めてみると,まず内容が理解できない。タイトル通りデカルトやチューリングなど,知性に関する哲学や理論が多用され,今の僕では消化不良でした。多分昔ならもっと理解できたんだろうけどねぇ。おまけに,この作品はミステリーに分類されており,これまた全く縁のないジャンルなのですよ。小学生の時分に江戸川乱歩の探偵ものを読んで以来じゃないかなぁ。そんなこんなで,読み通すのにかなり苦労しましたが,最後まで読んでもきちんと理解できず…。やっぱデカルトから始めなきゃだめかなぁ。『方法序説』くらい持ってた気がしたが,ウチの本棚には見当たらず(汗)そうそう,終盤でトランスパーソナル心理学って単語を目にしたときは嬉しかったけどね。でも,おそらく作者が参照したのは『アートマン・プロジェクト』だと思われ,その点は不満。せめて『進化の構造』くらいまではキャッチアップして欲しかった。なんて,トランスパーソナルは全然本筋ではないのですけどね。
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ヒト型ロボットが実用化された近未来。
ロボット学者の尾形祐輔と進化心理学者の妻・玲奈は、子供型ロボットのケンイチと暮らしていた。
祐輔は、副業で小説を書いていて足が不自由のためにアイボット(電動式の車椅子)に乗っていた。
三人は、人工知能のコンテストに出席するためにメルボルンに・・。
祐輔は、玲奈とケンイチより三日早く編集者と一緒に会場に来た。
コンテストの参加者の名前を見ると中学の時に出会った、人形のように表情が無い天才の美少女の名前があった。ここ十年事故にあって以来名前すら出てこなかったのだが・・・。
会場に入るとそこでその彼女と出会う。
その出会いは、事件の始まりだった・・・。
その日の会場を出ると祐輔は、行方不明になる。
逆さ眼鏡ををかけられ監禁されてしまう。
メルボルンに着いた玲奈とケンイチは、祐輔を探す。
そして、ケンイチは事件に巻き込まれる。
AI人工知能・・。ロボットの知能と人間の知能。
人間と機械の境界線は何か?
機械は、心を持てるのか?
人間の知能と心とは何か?
人間らしさロボットらしさ、知識・知能・心を題材にした科学ミステリーです。
人工知能の祖アラン・チューニング デカルト 「2001年宇宙の旅」「指輪物語」本書で、ポイントになる人や本・映画です。
今回は、難しい本になってます。
ロボットを通じて心とは、を問いかけてきます。
それでいて、ちゃんとミステリーになってるのですよ
ヤマヤマさん砂の果実さんにお勧めですね
瀬名さんの科学者としての知識満載の本でもあります。
ちなみに「パラサイト・イブ」「ハル」「八月の博物館」より難解です。
瀬名さんを読みたいと思った人は、まず「虹の天象儀」を読みましょう
瀬名ワールドはどこまで奥が深いのか・・・。
今は、東北大学機械系特任教授だって・・・
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デカルトを読んだことがあったらもっと楽しめたのかもしれないが、
哲学者のやっている、言葉遊びを展開したような小説で
どーにも。堅苦しかった。本当に狭い密室のような小説。
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SFとミステリーと哲学(主にデカルト)がこれでもかってぐらいに楽しめる本。
この世界に興味がある人、刺激が欲しい人にオススメ。
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0912 初瀬名さん作品。一人称の「ぼく」が語る物語は読みごたえ十分!面白かったぁ〜。他瀬名さん作品も読んでみたいです。
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いまいち。
この作家はいつも終わり方が面白くないけど、
「パラサイトイブ」「ブレインヴァレー」共に
科学的な説明が、めちゃめちゃ興奮した。
そっち方面だけでいっときゃいいのに、
やけに全く科学とは違う方面の内容を書き始めてからは
面白くなくなってしまった。
久々にSF系の話かとおもって期待したせいか、
とても残念。。。
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なかなか歩みが進まない。
何度目が文字の上を滑ってしまったか。
考えさせられることが多かった。
その為、小説の世界と自分の世界を何往復もした。
こう書くとつまらない小説のようにみえるがそうではない。
一気読みできる程の人間的余裕がボクになかっただけだ。
1冊前に読んだ”『GOTH 僕の章』乙一”に引き続き一人称を操る小説だった。
この偶然に気がついて驚いた。
これだから、読書はやめられない。
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自我を持つ人形と人間の境目は何かという問題に対して、私たちは相互にそれを見分けることができなくなったとき、不気味の谷さえも乗り越えるのではないのかと思う。
昔に比べ、栄養状態も改善され、誰も彼もが「清潔」「不快感を与えない」という顔に平準化した今の世の中にあっては、その不気味の谷も平準化された。
きっと将来、そこら辺の曖昧な区別も別け隔て無くなるのだろう。
その時に、人形は自分を見る鏡となって、自己に対する探求のさらなる深化を模索させる。
人間がロボットになったら、ロボットもまた人間になりたがるのだろう。
お互いが、解り合おうとするために。
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やっと読み終わった。長かった……。
人の意識の存在の有無とありどころ?
アンドロイドは電気羊の……じゃないけど、
ロボットの人工知能はどこまでが人口でどこからが知能なのか……?
なんか、そんなややこしくもわけのわからないお話で楽しかったwww
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読んだー!!!
立ち上がりの部分がすごく面白くて、引き込まれるように読み始め、
途中あまりに難解な哲学とか情報とかの理論に次第に食傷し、
でも、解らないながらにそれを何とか理解しようと考えて、
示唆を与えられたり、構成や文章の緻密さに感動したり、
読み応えのある作品でした。
ロボットと人間との差異を考えていく中で、
自分・人間とは何者なのかとか、
自分たちが見ている世界ってほんとは何なのかとか、
改めてちゃんと考えてみなさい、
という示唆を感じました。
とくに私がいいな、と思ったのは、
ロボットの不気味さとかがたくさん書かれるけど、
最終的にはロボットを好意的に受け止めて、
肯定して、ロボットはロボットとして、
一緒に生きていこう、的な流れになったところ。
ジャズのシーンあたりからのくだりがとても素敵でした。
ケンイチくんがなんかとても愛しくなってくる。
作者のロボットへの愛情みたいなものを感じられて、
それで読後感が非常によかったです。
いろいろちゃんと勉強して、
もういちどじっくり読み返したいなと思いました。
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ロボットと人間、倫理と哲学、自我の話。
自分の知識や読解力の弱さを棚にあげるのも心苦しいところではありますが、対象となっている、科学技術、倫理、精神学上の知見が乱立されている印象が強く、全体的に何が示されてたのかよく理解できませんでした。
チューリングテストのコンテスト、中国語の部屋などは物語の舞台としては大変魅力的であり、文章も巧みであるため威風独特な雰囲気は十分に感じられるのですが、その舞台の特殊性がどのように生かされたのか、とどのつまり何のためのエピソードだったのかが最後まで理解できず、もやもやとした消化不良に苦しみました。
作中では舞台の転換や主格(ぼく)の転換が激しく、確かにそれは筆者の恣意的なものではあるのでしょうが、読者にとって有意義であるか否かは別の話であり、残念ながら全体的に理解に至らなかった自分としては、無駄に読者を混乱させるだけの要素としか感じられませんでした。
背景にある科学技術の難解さ、人間の全てを知覚するという壮大なテーマに内在する抽象性 神秘性と相まって、いつまでたっても問題の複雑度があがっていき最後まで収束していないという解釈にとどまりました。
訳知の優秀なキャラクターたちが、お互いに観念をこねくりまわして、思考のループの再確認して満足している、そんな印象です。
結局は、読み手の能力の問題なのでしょうか・・・?
神経伝達の束を意識と同義であると捕らえること、自己を書き換えながら増殖と連携を繰り返すソフトウエアに自我の発現を見るという考え方、量的な制約から解放されていることを上位層への遷移と考えることなど(そもそもこれらは誤解なのでしょうか・・)全く理解というか納得できませんでした。
メタな視点から観測できない差を、差がないと捕らえる考え方など、これらは哲学のものなのでしょうか?
下積みがないと太刀打ちできないということなのかもしれません。
他の方のレビューで、再読によって大きく印象や解釈が変わったと書かれている方が多かったように見受けられます。
今は食傷気味ではありますが、哲学が少しでも身に宿る機会があれば改めてチャレンジしてみたいと思います。
「不気味の谷」というものの存在は非常に興味深く、感覚的にも非常に納得できます。
本編とは全く関係ありませんが、時々メディアで見かける女性型ロボット・・・、たぶん高度な技術の結晶なのでしょうが、外見を人間へと近づけていく方向への技術革新とその成果には違和感を通り越して嫌悪感を覚えてしまいます。
歳なのかもしれないですね・・・。
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久しぶりに、読んでいて頭がしびれるくらい、頭フル回転させられた作品。脳みそで汗をかいた、という感じ。
チューリングテストを裏っ返して、人間がより機械らしく振舞うという発想とか、すごく面白かった。
フランシーヌ オハラは、森博嗣氏の作中に登場する真賀田四季博士のイメージと重なります。