サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. H2Aさんのレビュー一覧

H2Aさんのレビュー一覧

投稿者:H2A

266 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本比類なきジーヴス

2018/05/04 21:52

ジーヴスもの第1弾

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは執筆年代からいうと最初のものではない。しかしジーヴスとバーティ・ウースターものの翻訳がいちおう完結したシリーズ14巻の最初に出た巻である。バーティ・ウースターは有閑の青年で叔父の援助を受けて暮らしている。そのお付き執事がジーヴスでこの2人は時に諍いも交えて最高の名コンビを成す。この巻ではそのコンビがバーティの親友ビンゴ・リトルの縁談の世話をする連作短篇という形式。イギリス上流階級の滑稽で呑気で優雅な生活を垣間見せるし、実際ジーヴスとバーティのやりとりはかなり笑える。このシリーズが全部読めるなんで幸せだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本嵐が丘 下

2020/02/10 22:08

異常な傑作

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

キャサリンは病に倒れてヒースクリフの野望はそれでも燃え尽きない。嵐が丘とステッシュクロスの2つの家族をめぐる愛憎は、その子や孫にまで3代にわたって続く。こう言うのは安易だとは思うが、言葉では表せない異様な表出力で、ヒースクリフや周囲の登場人物たちを突き動かす宿命そのものを描いているようだ。ヒースクリフとキャサリンの激しい関係性はやはり異様な言葉の応酬で極彩色に彩られて社会通念や善悪を顧みず、片方が死んでからも肉体を超え出て、子孫たちさえも突き動かす。ヒースクリフの死は、悲劇を完成させるご都合主義なものでなく、必然的だが不可解なもの。この小説は劇薬だが、早く読めばよかった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本英仏百年戦争

2019/07/17 03:17

イギリスとフランス

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

高校世界史ではイギリスとフランスが海峡をはさんで100年以上戦争を続けたと習う。内実はフランス語を話すフランス人どうしの闘いというのが実際の姿で、それが次第に両国の形が戦争を通じて形成されて、イギリスとフランスという国としてのアイデンティティも生まれた。この見方が新鮮で、いまの国単位の視点から眺める歴史観の方が歪んでいるのを感じる。エピソードの数々も興味深く、この時代のことを語らせればまさに十八番。オススメ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本ヴェニスに死す 改版

2019/03/26 01:46

マンの快作

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

休暇でヴェニスを訪れた作家アッシェンバッハ。そこで出会ったポーランド貴族の少年タジオ。アッシェンバッハは少年の美しさに心奪われる。精神的、ギリシャ的なあこがれ。老いた作家は少年の姿を追い求めるうちに命を差し出す。その最後の場面は比類ない。最高傑作と断定するほどこの作家を読んだわけではないが傑作であることは間違いない。それにヴィスコンティの映画も有名だとはいえ、やはりこの原作の方がはるかに良いと思う。名作の名訳。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本地球の長い午後

2019/01/24 00:27

想像力の極限

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

はるか未来の地球。自転が止まり植物が支配する世界で人間は文字通り小さくなってかろうじて生き延びている。グレンという主人公もいるのだが、主役はやはりこの異様なこの世界そのものだ。いくらなんでもあんなやり方で月にまで行けてあいまうのはどうだろうと思っても想像の限りを尽くしているのでこの世界に幻惑される。ポンポンがうっとうしいとか、あの生意気なキノコ(アミガサダケ)の野郎は何なんだとかどんなにけなしても、そうした短所の数々はこの異世界そのものの存在感に圧倒される。そして結末で語られるこの世の黙示録のような終末ビジョンにもやられてしまった。オールディスはこれ一作でも名を残すにちがいない。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本冷血

2019/01/24 00:04

大人になった天才作家

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

カンザス州に住むクラター家がある日全員惨殺されたという実話を元に構成。犯人はペリーとディックの2人。この2人の視点と、その犯人を追う警察側のほか事件の大勢の関係者を小説として描いた。事実だけを素材にしているので本来はノンフィクションだ。しかしカポーティによって選び出され再構成され小説としても十分に読ませる。犯人であるペリーには尋常でない共感を持っていたのではないか。理不尽な犯行動機を自供する場面はこの小説の核心部分で鬼気迫るものだが、そうした悲惨な事件を起こした当事者であるにも関わらず、ペリーに勧善懲悪的な正義感を振りかざす気にはなれない。ペリーとディックは「12人の陪審員」の証人の見守るところで絞首刑に処せられ、この地域の平安が戻ったと語られると、この2人の死も結局は社会のための生贄として供されたとわかる。実在の事件の取材という制約があるにも関わらず、これだけの小説世界を創り出し定着させたカポーティはやはり素晴らしい才能の持ち主だった。読んだのは旧約版。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本細雪

2018/05/15 23:58

逝きし世の面影

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

戦前の関西で、落魄しつつある蒔岡という旧家に生まれた4人の姉妹を中心に、その生活を描いた大長編。4人の中でも独身の3女である雪子がその中心で、その縁談が中核になっている。この雪子というのが無愛想で助けてもらっても礼も言わない内気で強情な性格で、ツンデレな女性である。対照的に奔放で騒ぎを起こす妙子。彼女たちの関西言葉を聞きながら優雅に噺が進むので、読んでいて退屈しない。それにしても、このつかみどころのない雪子という女性はとても魅力を感じる。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本感情教育 改訳 上

2018/05/15 22:47

不思議な題名

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

始めてこの題名を聞いた時から、なんとも不思議な題名だと思っていた。購読の授業で取り上げられていたので読み始めてあえなく挫折。しばらく経ってからまた読み始めたら今度はすっと読めた。冒頭の船上の、有名なアルヌー夫人とフレデリックの出会いの場面からセーヌ川を下る場面、それに続くパリでの大学生活。フレデリックは純粋なところもあって、アルヌー家に出入りを続け夫人とのプラトニックな恋を抱き続ける。が、一方でブルジョワ夫人やら、アルヌーの愛人であるロザネットにも手を出したりふらふらとしている。理想は高邁なこともあるが長続きせず、とにかくひたすらに動き続ける。フレデリックをめぐる友人たちもデローリエやセネカル、デュサルディエと個性的でそうした関係とやりとりが延々描かれる。延々続くその世界が、フレデリックがいだく退屈や、一転した高揚、憤怒や喜びなどさまざまな思いに浸されていつの間にかその作品世界にひたってしまう。二月革命にともなう騒乱を後景にして、物語は後半に一気に動く。揺れ動いてばかりで優柔不断なフレデリックが最後まで抱き続けた純粋とばかりは言えない恋心とフレデリックの青春時代は非情な終局を迎える。老いた夫人との束の間の再会の場面を経て、デローリエとフレデリックが自らの過去を懐しむ終結。 結局2日で読み終えた。それ以来この群像劇は自分にとって最も大事な小説であり続けている。その素晴らしさは言いようもない。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

『鳥』他を収録

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『さんしょうっ子』『きつねの窓』、それに何といっても『鳥』を収録。『鳥』は中学校の教科書に載っていて、作者名も作品名も忘れてしまいネットで偶然発見したものだったので、とてもうれしい買い物だった。海辺で繰り広げられる少年少女の恋愛物語で、中学生には強い印象を与えた。カーテンが風になびく擬態語が「しゃらっと」だったり感覚が瑞々しく大人が読むと身につまされる。ほかの短編も日本古来の素朴な文化に乗っていて、どれも良い内容で、作者のエッセイも収録された本格的な本づくりで評価できる。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

壮大な歴史劇

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ユリウス(実は女性)とイザークというピアノを志す2人の少年。物語はドイツの古都レーゲンスブルクの寄宿生活から始まるが、それからイザークのピアニストとしての活躍を描いたウィーン編、さらにユリウスが記憶を失ってたどり着いたロシア編に広がっていく。このロシア編が、ユスーポフ家のレオニードはじめとして魅力的な人物たちの織りなすドラマが良く描かれていて素晴らしく、ベルばら以上かもしれない。そこにロシア革命が起こって主人公たちを飲み込んでいく壮大な展開。最期は再び故郷のレーゲンスブルクに戻り、ユリウスは過去の罪の報いを受ける。ロシア編が圧倒的なのに比べると少し割り切れない結末。イザークもあれで良かったのか、と不満もあるがこれは傑作。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本火星年代記 新版

2020/11/29 22:11

旧版で持っています

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ハヤカワSF文庫に収録される前のNVに入っていた旧版を持っている。火星に押し寄せる地球人たちと火星人の物語は、そのまま新大陸に押し寄せてアメリカ人になったヨーロッパ人の焼き直しのよう。ここには「詩情」としかいいようのない情感があって、繰り返される人間の物語がほんとうに叙情的に描かれる。火星人の残した廃墟でバイロンの詩が連想されたり印象的な場面がいくつもあってその感動は忘れようがない。終幕の『百万年ピクニック』で映し出される「火星人」の姿を目にする。訳文にもリズムがあってブラッドベリの世界をちゃんと日本語に移し替えられていて素晴らしい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本オーバーストーリー

2020/11/28 23:08

アメリカポストモダン文学の旗手

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

森林破壊、環境破壊という主題で、植物学や生態学に依拠して精細に描くというスタンスは文学のメインストリームにいるとされる作家としては希少。しかしその内容自体が特別に独創的だとは思えなかった。むしろ人種や様々な出自を持つ多彩な登場人物たちが、環境破壊への敵対に収斂していく過程が執拗なディティールとともに説得力をもって描かれていているところがこの長い小説としての眼目。アメリカ資本主義の混沌としたわけのわからなさ、理不尽さもうまく捉えて描かれている。パワーズ自身は人物たちに入れ込んだりはしないが、期せずして環境活動家になってしまった人物たちの過激な活動には同情的なスタンスを取っている。人間がもう少し快適にしたいといった「ささやかな願望」を捨てることはできないから、結局は人間がいなくなることでしか森林破壊は止まらないというのがパワーズの本音なのだろう。それに樹木や森という生態系事態が人知を超える存在として捉えられている。題材盛込みが過多なのがおそらくこの作家の特徴なのだろうが、ちょっと意図を測りがたいところがある。でもこの長い小説の読み応えは充分だった。アメリカのポストモダン文学もおもしろいと思った。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本アウステルリッツ

2020/11/10 22:26

アウステルリッツは人の名前

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

題名は人の名前。語り手がベルギーで出会った不思議な男アウステルリッツ、2人は建築史を語らいはじめ長年ヨーロッパ各地を彷徨い続け何度か出会っては断続的に交流を続ける。書物の世界に親しみ、建築や歴史ばかり語っていたアウステルリッツはある時から彼個人の生い立ちを語り始める。ウェールズの牧師イライアス家の子として育っていた彼は偶然自らのほんとうの名前がジャック・アウステルリッツであることを知る。実はプラハ生まれのユダヤ人で、ナチスの迫害からかばわれて子どものころ集団でイギリスに逃れたのだった。それからというものアウステルリッツは自らの過去を探り続ける。プラハで彼を大切にしていた隣人ヴェラを再開して母は女優のアガタ、父がマクシミリアンであることを知り、表紙の写真の由来もわかるし、ユダヤ人として収容所で過ごしていた姿を目にする。そこで語られる収容所の悲惨な生活。暗い時代が浮き彫りになる。最期はパリに逃れていた父を求めてピレネー麓のグルーに旅立つところでこの小説は終わる。段落の切れ目もほとんどないとりとめのない展開で、淡々と感じたが読後には静かな感動が押し寄せる、そんな小説だった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本ウンガレッティ全詩集

2020/09/12 12:55

全詩が文庫に

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

イタリア二十世紀を代表しているのにおそらく名のみ有名なウンガレッティの全詩を収め、それがこのような文庫シリーズにおさめた岩波書店は大した決断をしたと思う。初期の語単位に切断されたような詩句がちりばめられた短詩から始まり、次第に韻を重視した伝統への回帰、後年の難解な表現を駆使した長詩群、フランス語で書かれた詩や、散逸詩、さらには詩論まで入っている。一読してわかったとは正直言えないし、そもそもイタリア語を日本語という系統の全くちがう言語に移すのはかなり困難なはず。おそらく原文をできる限り忠実に、語順も生かして良い意味で直訳したのだろう。それこそ「訳業」というにふさわしいし、まず初めて訳し下ろしたというだけでも偉業というべきだと思う。
 最後にある『詩の必要性』には繰り返しイタリア詩の伝統について書かれている。中でもレオパルディは傑出した存在であるようだが、イタリアという文学の伝統が最も豊かなはずの世界が、あまり手に取りやすい形で流布していないのが現状なのはちょっと残念。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

紙の本純愛 ウジェニー・グランデ

2020/07/30 18:05

この邦題はどうかと思うけど

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

吝嗇家のグランデ老人のもとにやってきた遠縁の若い男。グランデの世間知らずで純真な娘であるウジェニーはその従兄と恋に落ちる。文字通りの金の亡者であるグランデ老人との激しい確執の後で、その恋は皮肉な結末を迎える。ウジェニー自身が一見して父親にも似た金の亡者と化してしまうが、それもどこまでも初恋に殉じた結果そうなるのである。彼女のある意味で父親を超える蓄財ぶりと、その機械的な単調な生活を描く物語の結末は救いがない。その敬虔さから惜しみない善行も施しながら、その善行を道連れに天国に進んでいこうとする女の物語。これが初バルザックだった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

266 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。