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H2Aさんのレビュー一覧

投稿者:H2A

344 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本比類なきジーヴス

2018/05/04 21:52

ジーヴスもの第1弾

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは執筆年代からいうと最初のものではない。しかしジーヴスとバーティ・ウースターものの翻訳がいちおう完結したシリーズ14巻の最初に出た巻である。バーティ・ウースターは有閑の青年で叔父の援助を受けて暮らしている。そのお付き執事がジーヴスでこの2人は時に諍いも交えて最高の名コンビを成す。この巻ではそのコンビがバーティの親友ビンゴ・リトルの縁談の世話をする連作短篇という形式。イギリス上流階級の滑稽で呑気で優雅な生活を垣間見せるし、実際ジーヴスとバーティのやりとりはかなり笑える。このシリーズが全部読めるなんで幸せだ。

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紙の本

紙の本冷血

2019/01/24 00:04

大人になった天才作家

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

カンザス州に住むクラター家がある日全員惨殺されたという実話を元に構成。犯人はペリーとディックの2人。この2人の視点と、その犯人を追う警察側のほか事件の大勢の関係者を小説として描いた。事実だけを素材にしているので本来はノンフィクションだ。しかしカポーティによって選び出され再構成され小説としても十分に読ませる。犯人であるペリーには尋常でない共感を持っていたのではないか。理不尽な犯行動機を自供する場面はこの小説の核心部分で鬼気迫るものだが、そうした悲惨な事件を起こした当事者であるにも関わらず、ペリーに勧善懲悪的な正義感を振りかざす気にはなれない。ペリーとディックは「12人の陪審員」の証人の見守るところで絞首刑に処せられ、この地域の平安が戻ったと語られると、この2人の死も結局は社会のための生贄として供されたとわかる。実在の事件の取材という制約があるにも関わらず、これだけの小説世界を創り出し定着させたカポーティはやはり素晴らしい才能の持ち主だった。読んだのは旧約版。

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紙の本

紙の本君は永遠にそいつらより若い

2022/01/14 23:50

ホリガイとイノギ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

青春小説のような題名からはちょっとかけ離れた成熟した内容。これがデビュー作だとすればこの作家は異質。トラウマものだが、この小説は独自で新しい。言葉選びがおもしろいとか洒脱だというのとは全く違う資質。

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紙の本

進化論をめぐる言説

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

進化論を軸にして、種の99.99%が絶滅してしまう絶滅論争と、適者適存を巡る社会一般の「進化」概念の誤用、悪用と、ドーキンスvsグールドの一方的な論争、「説明」と「理解」に代表される知の2極(科学と歴史)へと話題は広がる。著者の親切そうな人柄を反映してか、著述も丁寧に説明するので晦渋さはなくて親しみやすいし、気ままに別の話題が繰り出されて脱線したり、煩わしさも少し感じた。しかし無駄話も含めて視野が広くおもしろい内容だった。進化論というより科学をめぐる哲学本、というのが実態ではないかと思う。

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紙の本

紙の本暇と退屈の倫理学 増補新版

2021/04/24 16:57

「退屈」の博覧会

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

暇と退屈のメカニズムについて論じた長編論考。堅苦しくなく著者の生の声も時々聞けるので飽きずに読め通せる。といっても決して安易な流行本とはちがう。身近なテーマが意外なほど深く掘り下げている。ハイデッガーの退屈への考察、3つの形式についての考察が全体の背骨のようにになってたびたび参照される。そこに古今の様々な学際的な知見を参照しながら議論を進めていく過程がおもしろい。著者は誰かひとりの議論に寄りかからず、部分的に肯定しても結論部分はなかなか認めようとしない。それでも倫理学と言っている手前、「結論」をつけてはいるが自身で言っているように、そこに超越的な策など示されない。そこにがっかりする向きもあるだろうが、私はそこに至る探求の道筋こそスリリングに感じた。また、人間の「本来の姿」という概念に対する著者のはっきりとした拒絶の姿勢も自分には好ましい。
 大抵は、「増補新版」に付いている増補された部分は余計でつまらないことがほとんどだと思うが、この本は増補された書き下ろしの論考も充実しているのも稀少。

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紙の本

紙の本断想集

2021/03/13 19:23

深淵のアフォリズム集

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

イタリア文学史上大変に有名な詩人レオパルディが晩年に残したアフォリズム集がルリユール叢書として翻訳された。アフォリズムといってもフランスモラリストのように簡潔な警句で人生や世界に対する機知を感じさせる、という類いのものとはちがう。どちらかというとその頃から成熟してきた市民社会と芸術家の対立や、それが与える孤独や厭世観を先駆的に表現を与え、次の時代の哲学を先取りした思索の方により大きな意義があるということだろう。長いものでは数ページ、短ければ数行で終わる断想が111篇。この痛烈な皮肉は抒情詩人というイメージからは遠く隔たって胸に刺さる。近代のイタリア文学は日本では少し影が薄いようにも思うが、そこに光を与えたこの刊行はうれしいし、もっと読まれると良いと願う。内容のわりには訳文は読みやすいし、ちょっとだけユーモアものぞかせて、表現がとても個性的。

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紙の本

須賀敦子の再来

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

漢詩に寄せた珠玉のエッセイ集。著者はフランス在住の女性詩人とのことだが、某読書界隈で話題になっていて、そういうことは珍しいが読んでみた。扱う漢詩は盛唐の大詩人の杜甫からはじまって王国維などの中国清朝の近代、さらに日本の平安時代の菅原道実から夏目漱石、幸徳秋水まで。詩そのものの詩風も多彩で食を題材にした杜甫の詩から思弁的だったり虚無的な内容まで漢詩の多彩さを教えてくれる。さらには漢詩以外の本も多数取り上げて古今東西縦横無尽にさらりと博識に語る。それでいて生活感あふれた内容も多いのでとっつきやすく読んで楽しい。かと思うとまた考えさせられる警句をいきなり出して驚かされる。手管を見せない天性の書き手。書店でそう見かけないためそう有名にはなりづらいだろうが、内容は素晴らしい。

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紙の本

紙の本人形の家

2021/02/21 14:37

現代劇の源流

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

西欧中心の世界のなかでは近くにありながら、まだ辺境であったノルウェー。舞台はあるひとつの部屋だけで登場人物はほぼ5人だけという簡素な道具立て。そこにイブセンは濃厚な劇を作った。夫の「人形」としてかりそめの愛情を享受するノラは、夫の銀行頭取への就任を喜び贅沢な生活を過ごしている。ノラにはその夫のためにある法的な不正を働いていた。それを知る当事者はノラに夫に便宜を図るように迫り優雅な生活は暗転する。法的に、というのは社会的な規則でそうしたものは男性が作り上げたものである。こうなるときっとノラがきっと悲劇的な最期を迎えて、その社会通念の問題をといかけるといった終末を予想するが、そこは歴史に名を残す劇だけあって、ノラは生きようと「人形の家」を飛び出していく。その決断に共感する人も多いだろう。破局を突き抜けて社会通念の彼岸に辿り着く。ある種のリアリズムといおうか、決断主義にはっとさせられる劇だった。

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紙の本

壮大な歴史劇

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ユリウス(実は女性)とイザークというピアノを志す2人の少年。物語はドイツの古都レーゲンスブルクの寄宿生活から始まるが、それからイザークのピアニストとしての活躍を描いたウィーン編、さらにユリウスが記憶を失ってたどり着いたロシア編に広がっていく。このロシア編が、ユスーポフ家のレオニードはじめとして魅力的な人物たちの織りなすドラマが良く描かれていて素晴らしく、ベルばら以上かもしれない。そこにロシア革命が起こって主人公たちを飲み込んでいく壮大な展開。最期は再び故郷のレーゲンスブルクに戻り、ユリウスは過去の罪の報いを受ける。ロシア編が圧倒的なのに比べると少し割り切れない結末。イザークもあれで良かったのか、と不満もあるがこれは傑作。

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紙の本

紙の本ウンガレッティ全詩集

2020/09/12 12:55

全詩が文庫に

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イタリア二十世紀を代表しているのにおそらく名のみ有名なウンガレッティの全詩を収め、それがこのような文庫シリーズにおさめた岩波書店は大した決断をしたと思う。初期の語単位に切断されたような詩句がちりばめられた短詩から始まり、次第に韻を重視した伝統への回帰、後年の難解な表現を駆使した長詩群、フランス語で書かれた詩や、散逸詩、さらには詩論まで入っている。一読してわかったとは正直言えないし、そもそもイタリア語を日本語という系統の全くちがう言語に移すのはかなり困難なはず。おそらく原文をできる限り忠実に、語順も生かして良い意味で直訳したのだろう。それこそ「訳業」というにふさわしいし、まず初めて訳し下ろしたというだけでも偉業というべきだと思う。
 最後にある『詩の必要性』には繰り返しイタリア詩の伝統について書かれている。中でもレオパルディは傑出した存在であるようだが、イタリアという文学の伝統が最も豊かなはずの世界が、あまり手に取りやすい形で流布していないのが現状なのはちょっと残念。

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紙の本

紙の本嵐が丘 下

2020/02/10 22:08

異常な傑作

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キャサリンは病に倒れてヒースクリフの野望はそれでも燃え尽きない。嵐が丘とステッシュクロスの2つの家族をめぐる愛憎は、その子や孫にまで3代にわたって続く。こう言うのは安易だとは思うが、言葉では表せない異様な表出力で、ヒースクリフや周囲の登場人物たちを突き動かす宿命そのものを描いているようだ。ヒースクリフとキャサリンの激しい関係性はやはり異様な言葉の応酬で極彩色に彩られて社会通念や善悪を顧みず、片方が死んでからも肉体を超え出て、子孫たちさえも突き動かす。ヒースクリフの死は、悲劇を完成させるご都合主義なものでなく、必然的だが不可解なもの。この小説は劇薬だが、早く読めばよかった。

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紙の本

紙の本英仏百年戦争

2019/07/17 03:17

イギリスとフランス

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

高校世界史ではイギリスとフランスが海峡をはさんで100年以上戦争を続けたと習う。内実はフランス語を話すフランス人どうしの闘いというのが実際の姿で、それが次第に両国の形が戦争を通じて形成されて、イギリスとフランスという国としてのアイデンティティも生まれた。この見方が新鮮で、いまの国単位の視点から眺める歴史観の方が歪んでいるのを感じる。エピソードの数々も興味深く、この時代のことを語らせればまさに十八番。オススメ。

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紙の本

紙の本ヴェニスに死す 改版

2019/03/26 01:46

マンの快作

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

休暇でヴェニスを訪れた作家アッシェンバッハ。そこで出会ったポーランド貴族の少年タジオ。アッシェンバッハは少年の美しさに心奪われる。精神的、ギリシャ的なあこがれ。老いた作家は少年の姿を追い求めるうちに命を差し出す。その最後の場面は比類ない。最高傑作と断定するほどこの作家を読んだわけではないが傑作であることは間違いない。それにヴィスコンティの映画も有名だとはいえ、やはりこの原作の方がはるかに良いと思う。名作の名訳。

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紙の本

紙の本地球の長い午後

2019/01/24 00:27

想像力の極限

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

はるか未来の地球。自転が止まり植物が支配する世界で人間は文字通り小さくなってかろうじて生き延びている。グレンという主人公もいるのだが、主役はやはりこの異様なこの世界そのものだ。いくらなんでもあんなやり方で月にまで行けてあいまうのはどうだろうと思っても想像の限りを尽くしているのでこの世界に幻惑される。ポンポンがうっとうしいとか、あの生意気なキノコ(アミガサダケ)の野郎は何なんだとかどんなにけなしても、そうした短所の数々はこの異世界そのものの存在感に圧倒される。そして結末で語られるこの世の黙示録のような終末ビジョンにもやられてしまった。オールディスはこれ一作でも名を残すにちがいない。

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紙の本

紙の本遠い声遠い部屋 改版

2019/01/23 23:35

大人からみると他愛もないかもしれないが

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今もし読めばきっと他愛のない内容だと感じるかもしれない。ジョエルという少年の目で見た南部の地方都市。ジョエルは幼稚でわがままだし、周辺の人物もみな奇矯でこんなのあるわけないと思う。筋も一貫していないし書きようも思わせぶり。ゴシックそのものの異様な作品世界で、確かに壊れている。でも、始めて読んだ時には大げさでなく衝撃的だった。文章表現がすごく凝っていて、例えばジョエルがようやく着いた新居ではじめて目を覚ます場面。美しいばかりでなく、異様で怪しく歪んでいるジョエルの目を通して見た作品世界。子供の世界にこんなことがあっていいのかと言いたくなる最後の場面まで忘れがたい。早いうちに読むほうがいいと思うが、今読んでも、他愛なさを遥に上回って鮮烈な印象を受ける。

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