紙の本
ラストは圧巻!。
2011/07/05 19:26
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者名の牧薩次は、大物作家のアナグラムになっています。
大物作家というより虫プロ系、大物アニメ脚本家といったほうが、いいかな?。
(これでわかるでしょ)
で、本書、数年前のミステリのランキングで上位に選ばれていました。
で、プロットが大変説明し難い、というのも、純粋に事件があってという
構成ではありません。一人の青年、究(きわむ)の終戦間際から
高度経済成長期にかけての年代記風、or、大河小説っぽい感じになっています。
事件としては、進駐軍がいたころのが一つ、究が成長してからが一つと
なっていて、これが、殆ど事件の調査、謎の解明もなされないまま、
どんどん小説は進んでいきます。しかし、この辺のリーダビリティは高い!。
謎が謎のまま進んでいくので、(推理小説ってそういうもん)
えっ、えっ、これミステリじゃないじゃんとか、思っていると
ラストでどかーんと謎解き。これが、すごい!!。ほんとにすごい!。
(推理小説ってそういうもん)
ランキング上位も納得の仕上がりです。
で、ネタバレでかけないけど、タイトルにもなった、恋愛小説としても
これまた、すごい!!。ラストの一ページか、数行にやられてしまいます。
著者のこのねらいにやられちゃった読者は多いはずです。
兎に角、ラストにやられちゃって欲しい一冊です。
紙の本
長い長いミステリ ちょっと長すぎ?
2015/04/04 16:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
ただ一途に一人の女性を愛した画家の、長い長いミステリ。
画家の一生にかけて伏線が張られるので、まあ話が長い。
しかもメリハリがなく時間が流れるものだから、途中で読むのがしんどくなっちゃいました。
でも、彼の人生すべてが伏線で、最終的にきれいに回収されますので、最後まで我慢できれば、「ああ、この長い話もエピソードも、すべて伏線として必要だったのね」とわかります。
ミステリとしては、面白かったです。
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読了。
なるほど。。。という感じです。
ネタバレをしたくないので、何もあまり言えませんが、納得したのにモヤっとという感じです。
名前を分けただけ有り、確実に作風も内容も辻真先と違います。
あと、何冊か読んでみたくなりました。
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だれ?この作家?と思ったら、辻真先の別名なのだとか。辻真先名で知名度もあり、名前だけで本を買ってくれるファンも居るだろうに、態々別名で出されていると知り、とても興味を抱きました。
読了後また感想アップします。
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前半はなかなか読むスピーカーが上がらなかったが、中盤以降はグイグイと読み進められた。
完全恋愛…最後まで仕掛けの中身に気付かなかった。
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「恋愛小説と本格ミステリの融合」と賞賛され、本格ミステリ大賞も受賞した作品。でもそれほどすごいとは感じなかった。もっとうまいこと両立させている作品はあるし、トリックも知ってるやつだったし。
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タイトルで損をしている気がする。
伏線が案外分かりやすく、タイトルを意識して読むと結末も何となく見えてくる。ところが実は、メインのトリックよりもそれを補完するトリックと伏線の方がうまい。
タイトルに似合った内容ではあるが、ジャンルは間違いなくミステリーです。
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2009年度宝島社このミステリーがすごい第3位、著者牧薩次氏は辻真先氏の別ネームです。
終戦間際の福島会津から物語は始まり、少年が成長し画家として大成する過程を日本の戦後史を俯瞰しつつ描いていきます。一人の男が胸に秘めた思いは…
「他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?」この一文がこの作品の全てを語っているといってよいと思います。
ネタバレを許す作品ではないので詳しくは書けません、個人的趣向ど真ん中の作品でした。あぁ~としみじみ想う読後感でした。
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雑誌のおすすめ本ということで購入。
何が伏線なのか、読めない。
ミステリーとしてはちょっと強引だけど、最後の最後のオチは見事。
おすすめできる一冊。
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犯罪があったことさえも悟られないのが完全犯罪ならば、想いがバレないことは、完全恋愛とよばれるのではないかー。主人公究は、離れに住む朋音に一目ぼれ。朋音は暗闇の中、究の布団に忍び込み一夜を明かす。しばらくして有力者夏刈家へ嫁ぎ、子供火菜を産む。朋音の父小仏に弟子入りし、画家となった究。祖父を訪ねてくる火菜を通じ、朋音に想いを寄せ続ける。究の弟子魅惑は山岸医院の娘と結婚し、と複雑に絡み合っていく。朋音、火菜が死にいよいよ究にも死期が迫る。その傍ら魅惑たちは真刈殺害や火菜心中の謎を解いていくー。実は究は双子で、身代わりをたて真刈を殺害したというちょいやり過ぎトリック。最後の最後魅惑の母究の幼馴染みの満洲子が、あの夜をともにしたのは自分であることをしみじみ思う。そう、火菜が自分の子だと思い込んでいたのは究の勘違いだったのだ。そのトリックには早い段階で気付いていたが、人物の心の動きはそれをひいても余りある。終戦から平成までを駆け抜けた究ー柳楽画伯。時代背景がマッチして人にすすめるにはおすすめ。
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むぅ...
出だしの文章は魅力的なのだが、
読み終わるとそれだけだったような...(^ ^;
後半の謎解き部分はかなり強引な展開(^ ^;
アイディアは面白いし、仕掛けも派手だし、
読み物として面白かったが...
文章が安っぽいんだよなぁ...(^ ^;
格調が感じられないというか、
余韻がないというか...
全体を通して「あらすじ」を読んでるような
味気なさが感じられてしまい...(^ ^;
読み進めてもずっと「傍観者気分」で、
登場人物に感情移入できないのが難点か。
あと、最後の最後の「どんでん返し」のはずが
伏線があからさますぎてかなり早い段階でネタバレ(^ ^;
きっとこうなるんだろうな、と思った通りになったので、
「裏切られ感」がまったくないのが残念(^ ^;
あと、作者自身が謎かけになっているのは
後書きを読むまでまったく存じませんでした。
が、だからどうした、って話ですけどね(^ ^;
同業者の評価は高かったようだが、
私には今ひとつだったなぁ...(^ ^;
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辻真先さんの別名によるガチミステリ作品。
しかも09年の「本格ミステリ大賞」受賞作という
オマケ付の作品。
これもネタバレを伴う感想になるので
非常に書き難いっす。
孤高の画家の一生を描いた作品ですが
その中に3つの事件が起る。その画家
である「本庄究」の幼少期から晩年までを
追う形で様々な人物が彼の最初にして
最後の「恋」の相手「小仏朋音」の
姿を思わせる。彼の数奇で純愛に身を
捧げた人生と事件...。ミステリと恋愛パートが
上手く絡み合っています。
ミステリパートとしては少々...強引というか
うそーん!!..なトンデモ展開ですが全く腹も立たないw。
むしろそんな事にまで展開するのか!と
痛快な真相でニヤリ。
そして「恋愛」パートとしては、ラストの
昇華は見事過ぎます。タイトルの「完全恋愛」
に恥ない、真っ直ぐに正直な記述によって、
正直、真相については予想した通りなのですが、
それでも読後の爽快感は大満足。
男の身勝手なファンタジー作品(褒めてますw)。
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画家 本庄究(柳楽糺)の生涯を描いたミステリー。
彼の生涯に3つの殺人事件が起こる。
2つ目、3つ目の事件は推理小説として成り立っている。
この事件を解決するだけでも1本の小説としてないたつのだけど
本書全体に仕掛けがあり、最期に「あっ!」と言わされる。
「ネタバレ」
本庄究は生涯一人の女性だけを愛するのだが、その愛は報われる事が
なかった。
若い頃にその女性を助けた事で、一夜限りむすばれるのだが、
その思いを生涯わすれることなく貫き、彼女の娘をも守ろうとする。
ある時、その娘は自分の娘ではないかというところからミスリードされて
いき、最後に全てが明らかになる。
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冒頭の文を常に意識しながら読みましたが、見事に騙されました。そこだったとは。。相手に一生知られずにいることが目的だったのなら、完全恋愛と言っていいのでしょうね。
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このミスベスト10、2009年版3位。何十年かにわたって2件の殺人事件が起きて、それとはあんまり関係なく話が進んでいく。ほいで、間をおいて事件が解決していくんだけど、仕掛けが大がかりな割にはなんだか説得力に欠ける展開だし、あんまり意外性も感じられず、えらい切れが悪い小説だなと思いながら読み進めてやっとこさ最終版を迎える。で、最後にあっと言わせるオチがあるんだけど、この落ちのためだけに延々盛り上がらない話を読ませられるのはちとつらい。
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タイトルは最後に回収。
小説内の時間が長く、その期間を考えると切なくなる。
おそらくこの小説の肝心なネタは、皆が気づく部分だが、長すぎて忘れてしまっていた笑