紙の本
ああ哀愁の私立探偵
2004/07/08 17:31
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GANTAN - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台はベネチア、水の都。
主人公、伊万里マリエルは薄幸の私立探偵である。
なんというか、お金がない。それもこれも、名探偵のじいさんが残した宿題「盗まれたForget me not(絵の題)を探すべし」のせい。これが出来ないと、莫大な遺産は相続できない。その上、相続人(候補)は宿題放棄ができないから探偵を辞められない。
死んだじいさんの執事兼財産管理人はきっちりしていて、すぐ傍に見える屋敷に入れても貰えず、生活のためにマリエルは日々、浮気調査などの地味〜な仕事をこなしていくしかない。刺激といったら、大怪盗ベッキオを追い、とっ捕まえる算段を練ることくらいか。
伊万里マリエルのあっけらかんとした性格がすがすがしいです。むしろ、貧乏生活が性に合っていて楽しそうです。
そして、鶴田謙二の描くベネチアの空気の素晴らしいこと。行ってみたくなります。読んでいるだけで水の匂いがし、石畳の固さを足の裏に受け、脇をすり抜ける猫の毛並みを感じられそうです。絵の美しさ、精密さは勿論、人々の滑稽さも面白く、読み終わった後に重さが残らないことが一番の特徴でしょう。何度読んでも、街の気持ちよさは変わらず伝わってきます。また、主人公を取り巻く人々の個性がしっかり出ていて一人ずつ見ていくのもまた楽しい。
怪盗ベッキオとのその後、「Forget me not」の行方がどうなるか今後が期待されます。が、2巻が出るのは一体いつになるやら…。
紙の本
水の都と怪盗
2017/11/24 07:07
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヴェネチアの街並みが美しく描かれていました。予告状を送り付ける、古風な怪盗との対決シーンも良かったです。
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この作家の描くほのぼのとしつつもSFチックで・・・まぁ、これを言ったらお仕舞いかもしれないが、宮崎駿の作風に色気とマニアックなSFテイスト、それゆえの分かりにくさを加味したような世界観は結構好きだ。ストーリーの深みや面白さ、キャラクターの魅力などはあくまで余得であって、結局この作家の描く世界観を楽しめるかどうかが鍵となるし、絵柄がまずありきでそこから世界観を構築しているように見受けられるので、絵柄が好きならおそらく楽しめるだろう
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2003年 満を持して出版。 初出いつだっけ... と思ってたら、97年でした^_^;
テーマは一応探偵物ですが、仕事をしている場面より街角でボーっとしている場面の方がコマ数が多そうな独特の空気が漂う作品です。
舞台のヴェネツィアには昔行ったことがありますが、あの街の持つ"間"が、研究を重ね、よく表現されていると思います。
実際訪れた人間にしかわからないと思いますが^_^; 上手く伝わるといいなぁ。
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とにかく絵がきれいです.ブックカバーの裏にもまたイラストが書いてあってちょっとびっくり.舞台はヴェネチアなんですが,この話みたいにアンニュイな雰囲気が味わえるなら行ってみたいです.
なぜか読んでて黒田硫黄の『セクシーボイスアンドロボ』を思い出しました.主人公が適当に探偵稼業やってるからかな?
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初めて読みました、鶴田謙二さんの作品。細部まで描きこまれていますね。素敵です。
読んだきっかけは最近ずっと憧れているイタリアの中、ヴェネチアが舞台と言うこと、蟲師を読んでいらっしゃる方で鶴田さんの作品も読んでらっしゃる方が結構いらっしゃるらしいこと、の2点からだったのですが、当たりだったようで嬉しいです。
探偵、怪盗、刑事、執事、メイド・・・この言葉からは自分には想像できなかった雰囲気を持った水の都の作品。初読みでは掴みきれない部分が多かった気もするのでこれからまたじっくり読んでみます。
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探偵もので恋愛もの。…というか絵もコマ割りもネームも、常に小洒落ていて、自分的には恋愛ものはこうあるべきという王道を行く人でもある。
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この人の絵がものごっつい好きでして、話もどことなくファンタジーな気がして好きだったり。
あらすじは探偵モノです。としか言えないかなぁ。
まだ一巻なのでサワリ程度しか話進んでないし。
あ、殺人系ではなく怪盗系の探偵ってところです。(って尚分からんな)
とにかく。面白いですよ〜。これ。良ければ読んでくださいな〜。
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鶴田さんも昔から愛読。この本は「1」と記されているのに、「2」はいつ出てくるのやら??主人公の女性がカワイイ(これは外せない理由ですよね)。ゆったりとした時間の流れの中で、テンポのある会話のやり取り。この本も複数回読んで、「ああ!なるほど」という発見があります。(私が鈍いだけか)
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絵が好きですね。
探偵モノだけど探偵らしくない探偵モノ。
まぁこんなだらーっとした探偵もいんでないかな。意外とやるときはやるし(笑
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舞台は水の都ヴェネツィア。
日本人とイタリア人のハーフである私立探偵、伊万里マリエル。
ほんとは祖父の莫大な遺産があるのだが、遺産相続の条件は20年前に盗まれた絵画を取り戻すこと。
その絵画の題名は「Forget me not」
そんな彼女に、ある日イタリア中を騒がせている怪盗ベッキオから挑戦状が。
ところがそのベッキオの正体というのが…
寡作で知られる鶴田健二さんのオリジナル作品。
とにかく絵がすばらしいです。
感情の細やかな機微さえも、ちょっとした表情の違いで描き出している、その表現力の豊かさ。
美しくて、思わずため息が出てしまいます。
ぐーたらな探偵マリエルのキャラもいいです。
「第1巻」となっていますが、6年たった今も続刊は出ておらず…
でも、いつになってもいいから、続きが読みたい!
そう思わせるほどの良質の漫画です。
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世界観あるなー。トーンを使わない手書き感ばりばりの絵もイイ。女性の描き方も好みだ。2巻は無いのか…。
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鶴田さんが描く、憧れの都市ヴェネツィアを舞台とした探偵物語。
ゆったりとした、この雰囲気。素敵じゃないはずがない!
カヴァーをめくってもイラストがあるのが何とも嬉しい。
6年が経つけど、まだ2巻は出ないのでしょうか…。切望。
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なんなんだろう、これは・・・
読んでも読んでも上手く話が頭に入ってこない。でも、絵の素晴らしさにページをめくってしまう。探偵の話みたいだけど、なんかそんなことはどうでもいいというか、そんな気持ちになる。
冷静にふりかえると「よくあるマンガ」の描き方(文法)とは違うんだな、と思う。そういえば擬音とか全然でてこないし、集中線みたいなものもない。
作者は絵を描くのがとても好きなのだろう、と思わされる。
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美しいヴェネツィアの街に住む少女探偵と宿命のライバルである怪盗、というシチュエーションだけでワクワクさせられます。
ただ、ストーリー展開にはあまり重きを置いておらず、少女探偵のいる日常といった趣です。絵と雰囲気に浸るための作品だと思います。
続編はいったいいつ出るの…?