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みんなのレビュー56件

みんなの評価4.1

評価内訳

56 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

こうした徹底取材はマスメディアが果たすべき基本である

2012/03/20 13:48

21人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る

 原発を巡っては、マスメディアが機能していないといった批判が多く聞かれる。事故報道はするものの、なぜそうした事故に至ったのか十分な説明がないという人が多い。「ただちに健康に影響のないレベル」という政府の発表を伝えるしかなかった事故直後の新聞・テレビ。
 マスメディアは権力から距離を置き、だれよりも厳しい目でその行いをチェックしなくてはならないはず。マスメディアもまた原子力をとりまく不可思議な磁場に絡め取られていたのだ。

 ただし、そのことの反省に立って、検証をし、自己批判をしながらでも、報道をすると決めたメディアがある。そのひとつが朝日新聞だろう。テレビではNHKだ。
 へたをすると読者を失うかもしれないことを、果敢にやってみせている。本書は震災および事故から1年以上を経てもなお連載が続く「プロメテウスの罠」を2月時点でいったん区切って、書籍化したものだ。この連載を切り抜いて保存していた人は少なくない。その切り抜きが必要なくなるのだからありがたい。

 特に、首相官邸で何が起きていたのか、可能な限り真実に迫ろうとしている点は貴重なものだ。東電が撤退して、福島第一原発を放棄しようとしたのか、それとも一時的に第二原発に待避して様子を見ようとしたのか、いまだ判然としない点がある。
 本書では、「官邸の5日間」の項で検証されている。官邸にいた菅、枝野、寺田、細野、福山といった人たちは、第一から撤退すると受け止めていた。撤退はありえないとしつつも、万一原子炉自体が爆発すれば、作業にあたる人員がいなくなり、首都圏も含めて日本の主要地域が人の住めない土地になる。ひょっとしたら、撤退もやむを得ないのかもしれないという空気が漂ったことを本書は教える。
 一方、東電は「作業に直接関係のない一部の社員を一時的に待避させることがいずれ必要となるため検討したい」といった、まわりくどい主張を今年の1月時点でもしている。
 こうしたところは、ほかにも出ている原発事故をめぐる類書と照らし合わせながら、事実関係を整理していくしかない。

 菅首相は怒鳴り散らす癖があるために、霞ヶ関、永田町では不人気となり、退陣した。しかし、その迫力が、東電の清水社長に撤退という選択肢をあきらめさせ、最後まで事故収束にあたらせる結果をもらたしたのは、たしかなようだ。それにしても、東電の清水社長(当時)は、きちんとメディアの前に出てきて、事故後にどういう方針を立て、どういう対応をしようとしたのか、説明すべきではないのか。
 いまだに原発事故の影響で生活の見通しが立たない方がたくさんいることを考えれば、引責辞任して、それで終わりという訳にはいかないだろう。マスメディアがまだやり遂げていないとすれば、東電の体質、経産省の有形無形の電力業界の後押しを歴代の社長や幹部に徹底取材し、明らかにしていくことだろう。

 学長の逮捕の項も興味深い。チェルノブイリ事故後に健康被害を調べたバンダジェフスキー医師が、別件で逮捕され、服役したことを書いている。同医師は内部被曝の危うさに警鐘を鳴らしている。一方で、この項では、ウクライナの検診センターのグーテビッチ副所長の言葉として、子どもの甲状腺がんは増えたものの、がん一般に関しては「とくに増えていません」と伝える。ただし、免疫力の低下の話となると同副所長は歯切れが悪くなることも記者はしっかり伝える。別の医師、ゴルディエンコから「確かに、がんがとくに増えているとはいえません。しかし、免疫系がダメージを受けているのは確実だと思います」という言葉を取材によって引き出している。

 放射性物質が飛び散ったチェルノブイリ事故の例があるのだから、健康への影響があるのかないのかよくわからないはずはない。この朝日の取材はその先鞭をつけている。日本の専門医や厚生労働省は、すでに海外で明らかになっている事実を日本国民にしっかり伝えるべきだろう。

 本書は、事故後のさまざまな関係者の動きをダイナミックに描き出すのに成功している。朝日新聞が好きとか嫌いとか、まったく関係なく、福島第一の原発事故後を生きていかなくてはならない日本人は、目を通しておいた方がよいと思われる。

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紙の本

原発事故のある真実…いったい何なのこの国はと、思う。

2020/11/05 15:47

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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は2011年10月から朝日新聞紙上で連載がスタート。あっという間に読者に支持され、ほぼ連日の掲載が長く続きます。そしてそれをまとめたシリーズも9作目まで発行。本書はそのシリーズ1作目です。
タイトルに使われた「プロメテウス」は、ギリシャ神話の神さまのひとり。プロメテウスは、良かれと思って人類に「火」を与え、ゼウスの怒りをかいます。「火」を手にした人類は、その後文明を発達させることができたけれど、多くの災いや争いも引き起こした。
そして、今「原子力」による「火」に振り回されている。
あれだけ大きな事故を起こし、今後もその危機に満ちている原発という存在。
人類は、「火」を我が物として自在に活用できる能力があると過信しすぎたのではないだろうか。少なくとも、日本の権力者に、原発を社会を真の意味で豊かにする方向に使いこなす才覚はない。
まだ1巻目しか読了しておりませんが、正直な読後感はこんな風です

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2012/04/14 04:07

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2012/03/15 21:26

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2012/03/25 23:13

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2012/06/21 00:22

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2012/04/27 08:28

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