紙の本
じりじりと切ない雰囲気
2007/07/16 10:35
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
マルタが蓑崎に戻されて7年が過ぎた世界
心をオスタスに残したまま、オスタスへの手がかりを求め続ける日々
一見大人びた様でいて変わらないマルタの姿が切ないです
現実の中であがきながらそれなりの生き方を見付け、自分の居場所を好きになってゆく
戻りたい気持ちと残りたい気持ち
段々と心を開き、丸太からマルタへと戻っていくのに安堵します
・・ずっと切ない感じできて、ラストは超展開でした
いつものボケボケした雰囲気に戻ったともいえるのですが、ちょっともったいなかったかも
紙の本
都合の良すぎる展開
2007/08/22 15:20
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もんちや - この投稿者のレビュー一覧を見る
マルタが蓑崎に戻されてから7年後のお話。
興信所の所員として働きながら、オスタスに戻る方法を探し続ける丸太青年の姿が切ないです。
しかし気になったのは、丸太青年を取り巻く人々です。
野梨原さんが作り出すキャラクターに見られる、軽妙で寛容な強さと言いますか…。
「まーいーんだけどさー」
とか言いつつ、理不尽や不可解なことを受け入れる性質というのがあります。こういったキャラクターは1作品に1人いると、作品に華があり話をスムーズに展開させてくれます。
しかし今回登場した人々は、漏れなくそういった性格の持ち主。そんな彼らが展開する会話は実にこじつけがましくご都合的で、読んでいて違和感を覚えました。会話だけで無理やり話を展開させているように感じます。
ラストは綺麗にまとまりましたが、よく考えてみると辻褄が合ってません…。
野梨原さんの作品は好きなので、今回はちょっと残念です。
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眼鏡フリルシャツ鷺井丸太(青年)と少年マルタ、一冊で二度美味しい。オスタスに戻れて本当に良かったよう。
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穏やかな日常がとても切なく感じられて、何気ないシーンで泣きそうになってしまいました。早紀ちゃんが本当にいい子だなぁ…と。叶うことのない優しい未来図を語った彼女が本当に愛おしく思えました。蓑崎で出会った人たちの思いを抱いて、これからマルタは歩いて行くんですね……。
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相変わらずの野梨原クオリティ。涙腺が崩壊しました。オスタスに戻れてよかったのか、どうか。早く次を読みたい!
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野梨原さんは本当にいい人たちを書くのがうまいなあ。
わかってて送り出してくれた蓑崎の人たち、別れと再会。
オスタスに帰れば、またやってくる別れに辛くなる分マルタも成長したんだなあ。
森川さんも信も早紀ちゃんもわかっていた。わからなかったのはマルタだけ。
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再読して気がついた。
マルタ泣きまくり。
海で花火で男2人のところが大好き。
(09.07.28)
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マルタがマルタなんだけど成長してて凄い。♯ あらすじらしきもの
異世界オスタスで名探偵をしていたサギーが
日本に強制送還されてから7年がたっていた。
興信所で働きながら情報を集めていた彼は、
ある人探しにオスタスが関わっていることを知り…。
・・・・・・・・・・・・・・・・
サギーが私より歳上になっていて、背とか伸びてて眼鏡もかけていたりして、でもサギーはサギーのままで、変わっていなくて変わっていて、なんか凄くサギーな感じでした。
野梨原さんの筆運びは、言葉と言葉の狭間にあるものをひとつひとつなぞっていく感じで、こわくてきれいでやさしくてかなしくて愛しいです。
マルタ・サギーシリーズは特にそんな感じ。
サギーが弟と呼ぶ彼なら、ここで叱りつけるんだろうなぁ、と思う度に別の人に叱られてたりしてあぁそうかここは日本だっだと思って。
マリアンヌさんを真似た真っ直ぐさとかそこらへんの文章が素敵で。
でもきっと7年を分かることはできないだろうなぁ、まぁそら分かんないよな。
体動かそうと思いました。
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読了8/19朝方より手前。前回、強制的にカード戦争から排除されて、蓑崎に戻って7年語から戻るまでの話、マルタが普通に格好いいに分類される一般的なオトナの顔してるのがおかしい。。蓑崎の人々。うっかり雨の中マルタを拾った所長の森川さん。事務所事務でマルタを好きになった早紀ちゃん、事体が動くキーになった、そしてこっちでの初めてのお友達wの才谷。個人的には早紀ちゃんが。あんまりこういうタイプは好きでないんだけど。振られた後が健気で、そして格好いい。
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“色々あったが、丸太はバーチが好きだった。
あんな男になりたいと、あんまりにもかけ離れていたからそれは思うことはなかったが、それでも尊敬していた。
彼の正体がマリアンナだとわかったけれど、それでも別に問題はなかった。
たとえばマリアンナがどんな姿でも、丸太はもう、マリアンナを忘れられない。
いつの間にこんなに魂の中に彼女が入り込んでいたのかと思う。
デートに誘わなかった悔恨が、彼女への思いを強くさせているのかと考えたが、それならそれで、もう、いい。
バーチがマリアンナなら、バーチも愛する。
それはなんだか滑稽に感じたが、少しの笑いもこみ上げてこない。
蓑崎で七年経って、何にも自分は出来ていない。
丸太の心はオスタスに囚われたままで、マリアンナと共に死んだままで、たとえこのまま年老いて死んでも、誰かと出会って何かのきっかけで結ばれたとしても、マリアンナを愛している。
それは単純に丸太にとっての事実だったから、こうして炎天下の蓑崎で、ビーチサンダルで歩きながら考えていても、気持ちが揺れることはなかった。”
嬉しいんだか悲しいんだか。
手に取り戻したものと、その手から失ったもの。
丸太、強いなぁ。
彼はきっと、なくなってしまった七年間の蓑崎のことを絶対忘れないのだろう。
うー、泣きたいのに何故か泣けない。
涙腺が緩む前に胸が軋んだ。
苦くて切なくてどうしようもなくて、でもバーチ=マリアンナだと知ったこの後のマルタがどう動くのかすごく気になる。
“今を大事に生きるって、森川さん、僕もわかんないけど。
でも森川さんたちに恥ずかしくないように生きていくことが、もしもそういうことだとしたら、僕はそうしようと思います。
「なんでもします。ありがとうございます。忘れません」
さようなら。
シシャが横目でマルタを見て言う。
「よくわかんないけど、僕、頃合い見てまた来るからね。……逃げようだなんて思うなよ」
一瞬シシャは顔の半分ほどにも目を広げ、口を耳元まで裂いて笑った。そして姿を消す。
春の風が吹き渡る。
どっ、と、固まりになって身体に当たる、生暖かく湿度を持ったその風。
マルタの涙を奪って散らす。帽子を飛ばされたが気にしない。
排気ガスの匂いのしない空気。その代わりに石炭や木材の燃える香りがする。
風に煽られてどこからか街路の花が、花びらが舞い上がる。
舗装されていない道路もある。公園も庭も多い。そこから吹き上がる土埃。
オスタスの風。
野次馬たちの声が風に乗って上がってくる。
目の前のバーチが動き出す。
七年、ずっと、思い焦がれた瞬間だ。
バーチ。
マリアンナさん。
僕はあなたをなんて呼んだらいいんだろう。
でも、時間はまた動き出した。これからまた始まる。繋がっていく。”
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ひとさまのレビューというのは、
本当に当てになるものだと実感。
もともとそんなに興味のなかったこの本を読もうと思ったきっかけは、
ブクログのレビューからで。
『5巻からぐっと面白くなる』
『こんなに”喪失”を書ける人だと思わなかった』
このふたことが印象に残って読み始めたシリーズ。
本当だった。
この巻、すげえ。
というか、このくだりを差し込む事でこの物語が一気に昇格。
最後のくだりでぐっとくるシーンが何度もあった。
マルタの虚無感。新しい関係、成長、達成、そして、喪失。
マルタの成長がとても切なかった。
そして、アウレカとの再開。
アウレカもどことなく切なさを感じさせる。
私SSすっとばしてきたから、シシャ様とかわからなかった。
失敗したかな。
アウレカのスピンオフもあるんだろうか。気になる。
俄然おもしろくなってきた!
後にさつ。
どうなる。