電子書籍
これぞスプラッター小説の最高峰
2021/01/08 01:13
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジャック・ケッチャムのデビュー作。あまりの残酷さに、作者の意に反して相当な手直しをされた挙げ句、世の批判に版元がビビって暫く絶版状態だったという。その幻の問題作の修正前の超残酷バージョン。噂に違わず凄まじい酷たらしさが全編を覆う。原始人のような食人族一家の異臭までもが紙面から漂ってきそうな描写だ。もうサッサと殺してあげてと願ってしまうほどの恐怖をたっぷりと食材たちは味わうことになる。その方が肉が柔らかくなるとか。修正版とは異なるエンディング。やはり本作品の方が圧倒的にこの作品を際立たせると思う。
紙の本
まるで悪夢のよう
2002/04/11 08:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
残虐非道なスプラッタ・ホラー。ストーリーはないに等しい。避暑地に住み着く<食人族>と、そこへやって来た<都会人>が、殺るか殺られるかのデス・マッチを繰り広げる、ただそれだけの話。
とにかく血まみれの殺人シーンが延々とつづく、とてもここには書けないような描写の連続。これだけ人が死にまくる話も滅多にないでしょう。このテの話が好きな人にはたまらない一品。ただあんまり怖くないんだよなあ。こけ威しという感がなきにしもあらず。“この世に勝者はいない”ということを作者は伝えたかったらしいけれど、その割には人物たちの心理や行動が、イマイチ説得力に欠けるような、なんかウソくさい気がする。残酷なことばっかり書いていれば、残酷な話が出来ると思ったら大間違いだよ。僕は途中でちょっと笑ってしまった。
紙の本
夜に笑え
2002/06/24 03:13
4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカン・モダン・ホラー・ニューウェーヴの傑作。《スプラッタ・パンク》とも呼ばれるこのジャンルは何よりひとつの運動であったといえるかもしれない。スティーブン・キングとディーン・クーンツが開拓したアメリカ的な資本主義の悪夢を寓話というよりも《漫画》化するそのミもフタもないチープさからプロテスタンティズムをとりはらい、南部的な《敗残者》の主題でそのチープさはさらに加速してプログラム・ピクチャーやポップ・ミュージックの断片的意匠をちりばめオフ・ビート感覚で書き散らされた作品群は、過激であるよりもむしろ親和性が際立っている。
その後ジェイムズ・エルロイなどによって《ノワール》として受け継がれていくことになる主題論的展開の、空虚なまでに巨大な作品と比較するとき、二、三時間で読み捨てられることを前提としているような《スプラッタ・パンク》の速度には、何よりも《笑い》の要素が濃厚に存在していて、僕のような不真面目な読者にはそれがとても貴重なもののように思える。
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ケッチャムの処女長篇。
けっこう数奇な運命の小説で、読んでる人には常識だけど、取り敢えず。
最初刊行するとき、残酷シーンの書き直しやら削除やらが無数に入り、
オリジナル原稿は捨ててしまったそうだ。
それでも、出版社には抗議が来て、そのまま絶版。
後にイギリスで出すときに、オリジナルに近くし、それが邦訳されている。
残酷シーンはまだしも、オリジナルと最初に出版されたものではラストが異なり、
ケッチャムにとってはそれが一番嫌だったようだ。
そんなわけで、読もうと思う人は、ダグラス・ウィンターの序文とケッチャムの解説は絶対に最後に読むように。
ネタバレしてるから。
さて、あらすじは、オフシーズンの避暑地にやってきた主人公たちが食人族と戦う、というそれだけだとどうしようもなく聞こえるもの(笑)。
しかし、そこはケッチャム。
残酷シーンのオンパレード。
生きたまま舌を切り取っちゃうとかね。
ひたすらそれだけの話なんだよな。相変わらず、事件のバックボーンは出て来ない。
食人族の正体もわからずじまい。
ケッチャム作品が映画化されるとしたら(まずないけど)、案外この『オフシーズン』が一番映画化しやすいかも。
そりゃ、大幅な変更になるだろうけどね。
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J・ケッチャムの処女作。
とにかく壮絶!光が見えたと思ったら絶望→微かな光→絶望→絶望・・・。あまりに凄まじくて、一気に読めなかった。グロいの駄目な人は控えたほうが・・・。
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ニューヨークから6人の男女が、休暇のため避暑地にやってくる。
しかしその地には、「食人族」が住んでいた・・。
なんとも悲惨なストーリーに、残酷極まりない描写。
スプラッタ映画を見てるようよ〜。でも面白かった(笑)。
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6人グループの男女が食人族に襲われる話。
出版社がビビッて絶版していた処女作がやっと復刻。
食人族って・・・(当時は“あり”だったのかもしれない)と設定にチープさを感じるが、描写がかなりなスプラッター具合いなのでよろしいかと。
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グロ嫌いな人からしたらただの悪趣味小説で終わりそう。
でも私的には4つ半星くらい。
とりあえず5つ星つけたけど、ちょっと物足りない部分と余分な部分があった。
余分と言えばエロの部分なんだけど・・・。
私は常々ケッチャムの作品には無駄にエロが多い気がしてますw
このエロはなくてもいいのでは…と思うことが多い。
でもまぁどんなホラー映画でもエロは結構あるし、
殺される前にエロシーンが入るのはパターンなのかも(^^;)
内容ですが、実際にスコットランドで起きた人食い一族の出来事がモデルになっているようです。
実際の事件についてはソニー・ビーンやソーニー・ビーン、
Sawney Beaneなどで検索するといろいろ出てきますが、ざっと書くと
怠惰な夫婦が洞窟に住んで手っ取り早く強盗で生計を立てようとしたものの、
盗品の売買で足がつくことを恐れて金品よりも
殺害した被害者を食料にすることを目的にし、
近親相姦で家族を増やしていったというおぞましい事件。
本作では野人のような描写の人食い一族が都会から来た主人公たちに襲い掛かります。
都会からきた人たちは、文明の利器と知恵で立ち向かいますが…
エピローグのハラハラからうってかわってダレ気味のエロシーンはちよっと萎え。
でもそこから殺戮シーンへの切り替わりはさすがケッチャム!って感じ。
最後に救いがないのもケッチャム流。
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これはすごいです。びっくりするぐらいにグロい作品なのではないのでしょうか!兎に角ヒトが死にます、殺されます。その様子が非常に残酷に、さらに克明に描写されています。背筋が凍りつくというよりは、何かこう、グチョグチョしたものが体の奥のほうからこみ上げてくる作品です。しかし、そういうのが大丈夫なヒトにとっては面白い作品なのではないでしょうか。じわじわというよりは、非常にスピード感あふれる恐怖が常に隣りあわせで、次々とページをめくってしまいます。
ただひとつ、翻訳の壁を感じてしまいました。
ホラーがお好きなヒトはぜひ。
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たのしい。きもちいい。指がどんどんページをめくっちゃう。
ケッチャムのバッグの中身。
おんなのこのきもち。
くたびれた中年オヤジ達がたまらなくキュート☆
ケッチャムの本には、女性のモノローグの中に、男性の肌の感触の描写がたびたび登場する。
やたらくわしい女の子のバッグの中身の描写とか。
中年オヤジが付き合ってる若い娘のためにつくるブイヤベースのレシピとか。(やたらおいしそう)
。。こうゆうところがあるから,こんなにスキになっちゃうんだよけっちゃむさん☆
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後味が悪いと評判なジャック・ケッチャムの小説。
眠ろう眠ろうと思いながら結局ページを捲る手を止められず、珈琲を三杯くらい飲んだせいか、途中心臓がどくどくし苦しかった。食人鬼一族のカニバリズム描写が凄かった…が、それはまだ我慢出来るレベル。本当にぞっとしたのは、食人鬼一族の心の中だ。同じ人間なのに、人間がこんな風になりうるのかと。私も環境が違ったら、こんな一族の中に生れていたとしたら、ああなりうるのだと。そう考えたら、気持ちが悪くなった。
文明人側では、ローラに感情移入した。もし私があの家の中に居たとしたら、ローラみたいに現実逃避みたいなパニック状態に陥りそうだから。本当はマージーのような行動が出来たらいいなと思うのだが…、これからの人生においても。
ニックのラストだが、オリジナル版の方が確かに作者の言う通りずっといいと思った。ラストが引き締まる。修正版だと気が抜け小説全体への印象が悪くなりそうだ。
続編は「襲撃者の夜」
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「都会人VS食人族」の壮絶なお話。残虐描写てんこ盛り。「人肉ジャーキー」の作り方が学べます。
あまりの残虐描写ゆえに、相当な数の「不適切描写」が削除されてしまったというこの作品。ようやく削除・訂正前のオリジナルに近い形で再刊された、というらしいけど。これでそんなに批判されるなら、「殺人鬼」なんてどうなっちゃうんでしょうねえ?(笑)
ま、仮にも「人間」がここまでのことをやる、ってのは相当えぐいか(殺人鬼は人間じゃないもんね……)。そしてここまでのことを考えつくこの人、たしかにスティーブン・キング絶賛、ってだけのことはあるかな。もちろん残虐描写云々だけじゃなく、ストーリーもちゃんとしてるし。
でも、「序文」は先に読んじゃダメ。相当話の筋がばらされてて、読み進む楽しみが減るから。
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だいぶん前に読んだのですが、ものすごくグロいという印象が強烈に残ってます。古本屋で見つけてしまったのですが、裏に書いてある説明文を読んで、人食族と人の鬼ごっこみたいなもんかなぁと軽い気持ちで買ったのですが、とんでもなかったです。それでも最後まで読みました。怖いもの見たさのようなものなんでしょうかね。
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『隣の家の少女』の衝撃も覚めやらぬうちに、ケッチャムのもう1つの代表作である本書を読み始めた。頭をノーマルモードに戻したら、この本を読むタイミングを逸してしまいそうだったので。。。
amazonのレビューで散々な文句が書かれていたので序文を読まずに本文へ。確かに序文はネタバレしまくりだけど、ちゃんと初めての人は序文を飛ばすように断り書きもあったので、これに文句をつけるのはどうかと思った。
気になる内容はというとグチャドロのひとこと。『隣の家の少女』が柔なら、こちらの『オフシーズン』は剛といったところか。。。 タイプは違うが絶望的なのは同じだ。
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怖い。恐い。序文と後書きに冷静な分析がなければ夢に出てきてうなされるレベル…面白かったけど、できれば忘れたい…