電子書籍
時間の逆行
2021/12/07 12:09
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
時間の逆行 というSFでは比較的ありふれたテーマではあるが、恋愛物語への適用 という 切なさを盛り上げるやり口はなかなかに良い。ただ途中のピストルのエピオードは明らかに興を削いでしまう。それでもラストにかけての切ない盛り上がりはとても良い。
紙の本
もうちょっと切なさを...。
2013/06/23 22:55
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投稿者:BACO - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベンジャミン・バトンの原形?
奇妙なストーリーだったが、登場人物の心理や重々しさがちょっと感じられなかった。
話題性(テーマ)重視といった印象。
もうちょっと切なさが感じられたら良かった。
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女性側が年老いた老婆から、若返っていくという恋愛を主軸においた物語である。ストーリー自体は意外な方には進んでいかないが、恋人間の会話で多くを語りすぎない朴訥とした味わいが本作の魅力の一つである。
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未来に向かう男と過去に向かう女の話。
彼らが生きる時間軸は正反対の方向に進んでいるから、彼らはその交点でしか重なりあうことはできなくて、すれ違い、離れていくことしかできなかったのだなと、人ごみに消えていく睦子を見送りながら思いました。
刹那い。
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内容紹介
時間を逆行し生きる女性と中年男の愛の日々
数ある山田太一の小説作品の中でも、初期の最高傑作。骨折で入院中の主人公・田浦の病室に列車事故にあった患者が運び込まれる。衝立ごしに出会った女性患者・睦子との不思議な一夜から、信じられない物語が始まる。主人公が再会した彼女は「若返って」いたのだ。老女から少女、そして幼女へ、さらには……。彼女は自らの若返りを止める術を持たない。二人はいつか訪れる関係の終焉を予感しつつも、互いを愛おしみ、逢瀬を重ねる。
「これは決して悲劇ではない。著者が二人の主人公たちと我々に見せてくれた、美しく壮大な夢の景色だ」(道尾秀介「解説」より)
この本を読んだきっかけは、読売新聞の≪ポケットの1冊≫足を骨折し入院した男へつい立越しの女性患者との不思議な一夜…「私を犯して下さいますか?」。女性の呼びかけで恥ます、男と女の声だけの情交は、よく笹、偶然に女が白髪の老女であった~5月12日の新聞。。。。ちょっと興味が沸き即図書館にネット予約し読みした。読み終えてから、アマゾンで1991年に 細川俊之、 石田えり 主演で映画化されベルリン映画祭に参加していたこと、2005年にDVDになっていたこと知りました。
映像で見るか?? 声だけで一夜の情事だったはずか、その後睦子がドンドンと若返って行く…なんか、本の中だけでこの物語の哀しさを感じる…若返った睦子が着物を着て、とっても古風な話し方をする。という描写があるのですが~その辺も思うと本を読みながら情景を思う浮かべることがこの本には似合う気がしました。
「飛ぶ夢をしばらくみない」このタイトル~私が見る飛ぶ夢は…自分の姿は見えない。。。でも目は地上を見ている…
それぞれに見る飛ぶ夢があるように、この本を読んでの感想も様々あると思う。山田太一さんの小説…実は初めて読みました。とっても不思議な本でした。
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淫らで美しく残酷な物語でした。荒唐無稽なスートーリーであるにもかかわらず、歳を重ねることの寂しさ、時の流れの容赦のなさ、二人でいることの、二人でいるからこそなお身に沁みる孤独感、生きることの空しさ、悲痛、寂寥感などがリアルに描かれていました。
ちなみにタイトルは、吉原幸子さんの〝ゆめ〟という詩から引用されたもののようです。
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新聞の書評を読んで図書館にリクエストした本。(本棚の本、ほとんどがそうだけど)
時間が経ちすぎてなんでこれをリクエストしたか、忘れてしまった。
書評はなんて書いてあったのか。(-_-;)
山田太一さんなのでどんな展開かと興味津々だったけど…ピストルの件辺りからなんだか興味は急降下。
ファンタジーと思えばそうなのかな。
うーん、ファンタジーなのか?
自分はファンタジーが不向きなので、★2つでした。
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退屈だった。
なんか全体的に、生理的に受け付けない感じがあってね。
若返りの話しなら市川拓司の「Separation」は泣けたけどねぇ。
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超常現象もの・・・と読むのがスムーズなのかな。
もしくは主人公の空想世界での出来事か。
の割に何かすごくリアリティがあったんですよね。
起こっている結果は説明つかないんだけど、結果に辿り着くまでの過程、結果から生まれる道程、
それぞれが緻密に繊細に描かれていて、何ら不思議じゃないような気がしてしまう。
女を嫌悪しつつも睦子を求めてしまう田浦の心境も、
仕事も家族もどうでもいい、どうでも良くないんだけどどうでもいい、みたいな厭世観も。
自分のすぐ隣にあるもののような気がしましたね。
睦子が時たま表す理不尽さも、理解する必要すらないような。
こんな状況で安定している方がよっぽど気持ち悪いですからね。
『こういうもの』としてそのまま受け止めるべきもののような。素材をそのまま食べているような感覚。
田浦にとって睦子は、世間に対する不安を関係ないものと割り切らせてくれる一方、
男冥利に尽きる新しい心配を寄越してくれる存在、
そんな感じだったんでしょうな。
ラストも綺麗でした。度々詩が引用されるように、1編の詩を読み終わった気分。
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自らのための備忘録
山田太一が亡くなって、色々な方の追悼文を読んでいたら本書が一番好きだという文章に出会い、それではと思って読み始めました。
率直にいって、どこがおもしろいのかわかりませんでした。物語の設定はともかく、なんだか著者が自分は教養があるんだぞと自慢しているような感じがしました。
ところで67才の女性とは、「老婆」なんでしょうか。「白髪と、頬骨のあたりの、生気のない老いた皺のある皮膚の色」って、いくら病人だからって、大地真央や浅田美代子が67才です。ピンクレディのケイは66才です。この本が書かれた40年前なら67才は老婆だったのかもしれないけど、私にとってはそこが一番驚きでした。
著者が本書で読者に何を伝えたかったのか、残念ながら私には理解できませんでした。とはいえ、私は山田太一の数々の脚本の大ファンです。