紙の本
「ニートの登山家」が綴る、感動的なメッセージ。
2010/01/17 09:23
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:反形而上学者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の栗城史多さんのことは、何年か前に「ニートの登山家がマッキンリーに登頂」というのをニュースで見た記憶があるが、私にとってはそれ以上の興味はその時湧かなかった・・・。
2010年を迎えて、家でくつろぎながら正月を過ごしていると、たまたまラジオのFM番組から、栗城さんをゲストに迎えてのインタビューが始まったので、そのままFM放送を聞きながら日本酒を飲んでいた。彼の話しを聞いているうちに、あの時の記憶がよみがえったきた。そう、「何年か前のニートの登山家だ」。ラジオから流れる彼の声はとても登山家とは思えないくらいに、「普通の青年」で、声だけ聞いていると、「テレビドラマ版・電車男」の主演を演じていた「伊藤淳史」と全く同じと言ってもいい程に、情けなく、か弱い青年が喋っているようだったのには驚いた。対談相手のサイエンスライター・竹内薫さんもやはり違和感を拭えないような調子で質問している。登山を始めた動機を聞かれると、東京に行って結婚しようと思っていた女の子が登山好きで、その彼女に「実はあんまり好きじゃなかった」という衝撃的な一言を言われて別れ、彼はどうしても彼女に未練があったので、彼女の好きだった登山というのはどういうものかという興味から、始めたという信じ難い動機を語った。本当に何もかも「電車男」である。それから、栗城さんの体格は「身長162cm」で、最近体力測定をしたら、同年代の男性と全く変わらず、特に優れているところは無かったそうである。
そんな栗城史多さんは、ニートをやめて北海道の大学に入り、そして登山部へ入部するが、登山歴たったの2年で「22歳」の時にあの「マッキンリー」へ単独無酸素登頂に挑戦することになる。周りの先輩たちからは、「絶対に死ぬからやめろ!」と言われ続けたが、彼はめげずに登頂を決行する。しかも栗城史多にとっては「初めての海外旅行」だというから、開いた口が塞がらない。
2007年のヒマラヤ遠征からは、自分の登山の様子をインターネット中継するという奇抜なことを行うが、ネット動画を見ている人々からは「オマエなんか死んじゃえ!」という内容のメールが殺到し、さながら「2ちゃんねる状態」になってしまい、そういうメッセージを聞きながら登頂に成功した。
登頂に成功すると、今度は一転して「感動を有難う!」というメッセージが殺到した・・・。
そういうラジオの内容だったのだが、私は聞き終えてから、「栗城史多」という27歳の元ニートの登山家に大変興味を持ってしまっていた。
身長は低い、これといった体力もない、極めて平凡過ぎる青年が、世界の最高峰を無酸素の単独登頂で、しかもネット中継を自分でしながら機材も持ちながら登るという過酷な条件。彼が登っている山は7000m超の山で、その高さになると酸素は地上の「1/3」しかない。本当に生死の只中での登頂なのだ。
さて、ここまで書評を読まれて、皆さんも「栗城史多」という人物に興味を持たないだろうか?
本書は、ゴーストライターやインタビューなどではなくて、栗城さんが自分で全て書いたそうである。これも立派なことだと思うし、ますます読みたくなる。
最後の栗城さんが言っていた言葉を書いて終わります。
「冒険は、生きて還ってこなければ、冒険じゃないんだ」
紙の本
「生きていればこそ。どんなことでも。」
2010/05/15 23:09
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かず吉。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一歩を前に踏み出すのに、とてつもない気力と体力が
必要な高山をアルピニスト・栗城 史多さんはいくつも
登っている。
この本を読むまで、登山のことにはあまり興味はなかった
けれど、何かでこの本が紹介されていて、面白そうだったから
読んでみた。
この本には熱いメッセージで溢れている。
それは「生きていれば必ず挑戦できる」
「生きていればこそ。どんなことでも」に
繋がっている。
最近、若い人たちの自殺が連日のようにニュースに
なるけれど、どうか若い人たちにこの本を読んで欲しい。
一歩を越える勇気。
それは高山だけに必要なことではなくて、
毎日の生活でちょっと躊躇してしまうことや、
嫌だなぁって思うことをやるときにも必要な勇気だと
栗城さんは書いている。
そして、そういうときに勇気を与えられたらと
重い中継機材を担いで、高山に登り続けているのだ。
単独・無酸素でエベレストに登ること。
それがどれだけ大変なことか、この本を読むと垣間見る
ことができる。そして、どれだけ努力をして、その
エベレストの風景を生中継でネットを使ってみんなに
届けようとしてくれているのかも、その気持ちも
痛いほど伝わってくる。
僕はこの本を読んでから、栗城さんのブログを毎日
読むようになった。
また彼は山にいる。
一歩を踏み出すのに「ありがとう」という思いを世界に
発しながら。
寝たら呼吸が浅くなり、酸素が足りなくなってしまう
高山で、またがんばっている。
それを思うと、日々の辛さも、もっともっと耐えられる。
「一歩を越える勇気」を栗城さんからもらった気がしている。
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単独・無酸素でのエベレスト登頂に挑戦する若きアルピニスト、栗城史多。これから絶対に有名になること間違いありません。彼の夢に向かう姿勢に感動します!!
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体力・体格は平均以下の著者が、
世界7大陸最高峰無酸素単独登頂を目指す。
残るはエベレストのみ!コレが成功すれば世界初!!
今私が一番応援していて、
尊敬していて、心配していて、
感動をもらっている生ける伝説兼ヒーローの著者。
以前から応援していて、本を買うことで応援できたらと思って購入。
山を登る理由。
死と隣り合わせの登山の戦い・葛藤。
夢を持つ大切さ。語る大切さ。
登山に目覚める以前の様子。
などのエピソードが描かれます。
語り口は軽く読みやすい。
若い著者は普通の人間だというが、確かに普通の人間で
歳も近いこともあって勇気をもらえるし、私も夢を持とうと思うようになる。
しかし普通の人間でもないところもあっておもしろい(どっちだw)
なんで卒業式直前に・・・・www
ただ登頂するだけが目的じゃない。
目的は感動を共有すること。それが死ぬ確率が高まろうとも。。。
本当に死と隣り合わせ。
コレを読んだ弟が言ってたが「なんで今生きているのかが分からない。」
確かに卒倒するほど馬鹿みたいに過酷な状況。
だって酸素が足りなくて目が見えなくなったり、
一歩足を出すのに深呼吸を10回もしないといけなかったり。
そんな過酷な状況へ果敢に挑む。
確かに死んでいてもおかしくない。
エベレスト登頂とはこういうものなのか。
喜びも悲しみも楽しみも勇気も感動も全部ゲージマックスで味わえる本。
彼を応援せずして誰を応援する!是非読んで!
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無酸素・単独エベレスト登頂を目指すアルピニスト、栗城史多さんの本。
お正月にNHKの番組で泣きながらダウラギリに登っていたのを観て、どんな人なのか気になってネットで調べ、本書を購入。
私自身が今進路に迷いを感じている事もあって、自分の好きな事に迷いもなく取り組んでいる人は一体どうやって打ち込めるものを見つけたんだろうと疑問に思った事、又、自分の進路に迷いを感じているというのは、実際は現実の嫌なことから単に逃げたいだけなんじゃないかとも思っていたので、頑張っている人の努力を知る事で自分の甘さを戒めたいと思った事から、読みたいと思った。
特に印象に残ったのは、「夢をかなえる方法」。 夢を周りの人々と共有する事で、夢は近付いてくるんだという事。今まで似たような事を耳にした事はあったものの、いまいちピンとこなかったのだが、「本気」と「無欲」である事が周囲の共感と支持を呼び、自分の夢の実現に大きな力になるという説明はとても納得できた。
「エベレスト生中継の資金は莫大で、どうしても必要だった。だが、僕は正直に言って資金が集まるかどうかというのはあまり重要ではないと思っていた。それよりも、今日の前にいる人の話を熱心に聞いていた。スポンサーになってくれる事はとれもうれしいが、その前に、人として人を大切にすることの方が重要だと思う。だから、社長さんと接している時でも、実は僕はよくを持たない。厳密に言うと、無欲と言うよりは素直なのだ。」
人間関係もコミュニケーションのスキル云々ではなく、目の前の相手を尊敬する事で出来上がっていくんだなあと改めて実感。 何かと気付きが多い本でした。
あと、お父さんと温泉のエピソードが素敵。
心があったかくなりました♪ くりきさんありがとう~
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普通の青年が、大学3年生のときに単独で北米大陸最高峰のマッキンリーに向かうところから物語はスタートする。
マッキンリーを皮切りに、南米大陸のアコンカグア、ヒマラヤのチョ・オユー、マナスル、ダウラギリを次々と登ってゆく。
162cm、60kgの普通の青年の苦悩と挑戦が綴られてゆく。
『成功の反対は何もしないこと』、失敗を恐れず踏み出す一歩が大切だ。
野口も栗城も、一歩を踏み出す勇気と行動力があるからこそ、普通の人と違うのだと思う。
彼の今後の活動に期待したい。
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日本人にとっては未知の領域に進んでいくひたむきさ、そしてそれを多くの人に伝え希望を与えて生きたいと思うパイオニア精神など学ぶ部分もいろいろある一冊でした。
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http://umagoon.blog17.fc2.com/blog-entry-1071.html
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自己啓発の本では全然ないのだけれど、自己啓発の本にかかれていることを集約してある気がした。しかも、夢を叶えている姿を実際に見せてくれているので、とっても説得力がある。
ヒマラヤ登頂ももうすぐ!
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登山に何も関心もなく、経験も知識も勿論まるでない私だが、この本はとても読みやすく臨場感に満ちていて、引き込まれた。
自分がまるで高山病、寒さ、不安、孤独と戦っているかのように。
シンプルな文体なのにダイレクトに響いてくる。
「そこまでして何故登るの?」なんていう愚問は不要。
極限状態を抜けたごく一部の人間だけが辿り着くことの出来るところ。
雲の上の真っ青な世界。
下界にいる人にもそれをリアルに体感させようという著者の夢を現実にする力。
「夢には二つある。自己中心的なものと、他人を幸せにしようとするもの。前者は応援する人がいなくなってしまうが、後者は周りのサポートにより実現していくのではないか」
山がこの人をここまで成熟させたのでしょう。
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栗城さんのドキュメンタリー「山のバカヤロウ!」をテレビで見てから大ファンになり、以来応援しています。
氏の山にかける意気込み、夢に向かって一途に突き進んでいくその姿勢に心がぐっと動かされます。
山登りをされない方が読んでも、分かり易く非常に読みやすい本だと思います。
オススメの1冊です!
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読みやすくて面白くて、久しぶりに一気読みした本。
・冒険家の役割は、挑戦している姿を見る人に勇気を与えるということ。
だから絶対に中継をしたい。
・逆らっても力は入らないし出ないけれど、苦しみなどを受け入れたときにそれができるということ。
(栗城さんはドMで、逆境ほど燃えるタイプらしいけれど。笑)
本を読み終わった後も、ツイッターで彼の今がわかるのが面白い。
エベレスト再挑戦に関して、
「お金がないからやらない、なんてことはしない」
と言い続けているのが印象的。
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夢を持つことの大切さ、そしてそのことを多くの人に語ること。
夢は10回口にすると叶い、11回口にすると吐くとなる。
当たり前の生活に感謝し、最期にありがとうと言える人生を送る。
自分の使命とは何か?自分にとって生きる意味とは?
いい本と出会えました。
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テレビを見てから彼の存在は気になっていた。
夢を実現するまでの過程が鮮やかに描かれた一冊。一気に読み切った。
生きることとは何か?ー
それは夢をもち、行動すること
そして彼は言う、叶えることができなくても夢をもつことに意味がある。と
そして、その夢を分かち合うことが彼のモットー
デスゾーンでも、何故無酸素で自分を追い込むことができるのか?ー
これでいいのだと受け入れること。
そうすれば体がそれを受け入れるという。
今後の彼に期待。
次のエベレストは生きて帰ってきて欲しい。
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たった一人で。無酸素で。エベレストに登頂した栗城さん。
男の夢の登り方。
教区大会前、書店で「何か」を探しているときに買いました。