紙の本
「銀河鉄道の夜」のやり直し
2002/07/16 07:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:boogie - この投稿者のレビュー一覧を見る
普通の感覚で読めば、雰囲気だけの話か、ただのわかりにくい話としか感じられないだろう。しかし題名の「カンパネルラ」から「銀河鉄道の夜」を想起して読めば作者の意図が明確になる。これは登場人物の二人をジョバンニ・カンパネルラに重ね合わせて銀河鉄道では成し得なかった「永遠の同行」を実現させようとしたものである。作者の「銀河鉄道の夜」にむけた切実な思いはひどく胸を打つ。
紙の本
兄への思い。
2001/11/09 19:31
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投稿者:ゆうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
弟が兄へ抱く感情が巧妙に描写されており、頷ける部分もある。だが、はっきり言って何を言いたいのかがいまいち伝わってこない。話の内容も、突拍子なところがあって理解できない。
不思議な雰囲気を出したかっただけかもしれないが、それだけの作品という感じがする。兄弟の遣り取り以外は別段見るべきところも無い作品だ。
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あとがきで長野まゆみが宮沢賢治のカムパネルラについて語っているので買った。
本編は長野まゆみワールド全開。兄と親しくしたいのに、兄は何かに気を取られて構ってくれない。しっとりした雰囲気でゆっくり読みたい作品。
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装画:長瀬典子
装丁:泉沢光雄
“<「兄さん、あの署名、……あれはどう云う意味。自分の名前を記せばいゝのに。」>”(裏表紙解説より)
何故長野さんの描く少年たちは皆密やかに死に向かうのでしょうか。
或いは、それが一つの少年性なのかも知れませんが。
(文庫版)
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自分だけの秘密の場所を持ったことはありますか?そっけない兄が正午何処へ行っているのか。弟は兄を知る為に川を登り、ひっそりと生える銀木犀を見つける。そっけない兄と兄を追いかける弟のお話。真夏の森林浴のイメージ。
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長野さんの作品の中で一番好きな話。兄弟のすれ違ってる感じとか、でもきっと、同じ事考えてるんだろうなとか、いろんな事考えながら読んだ記憶が。あんな場所に行ってみたいと言うか住みたい。
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舞台は気怠い夏の深い緑と川・・・年に1度しか会えないから、後姿ならはっきりと思い出せるのに、いつも不鮮明で思い出せない兄の顔。そんな兄が毎日出かける「隠れ処」・・・突如現れた少年・・・宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に出て来る少年の名前といえば、わかるかなぁ。霞みがかかったような景色の中での不思議で切ない数日間・・・
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よくわからなかった。
ただ、銀木犀の表現はたまらなく好きだった。
なんだか、切なくて、悲しい本だと思う。
どうしてこの人の書く兄弟はこんなに儚いんだろう。
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このゆるやかに呼吸をつく緑の中で、
唯一磨ぎ澄ました硝子の震えと、
飛び去る鳥の鋭敏さを持った少年。
それが、兄の夏織だ。
夏織はひとりでいることに慣れすぎている。
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風景の描写がすごい。木々の息づかいが伝わってきそう。後半の現実と幻想の曖昧になってゆく感じがたまらない。
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賢治先生→カンパネルラときたので、次は銀木犀を勿論読むでしょう。偶然だけど素晴らしい順番で読めて幸せ。
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幽幻な雰囲気の話です。
早朝の霧のような先の見えない森のなかのような…。
夜読んでたらすごく怖かったです。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-35.html
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よくわからなかったけど、この人の作品は内容より描写を楽しむものと思っている節がある私なのでこれもやはり好きです。
やっぱりこの空気感、澄んだ表現、たまらない。
「銀木犀」と似ているけれど、なにか関連があるのだろうか。
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今まで読んだ長野さんの作品の中で、雰囲気と場面設定は一番好きかもしれない。
この本のあらすじは?って言われても、言いようがない感じ。ストーリーというよりはこの世界観全部を感じて読むみたいな。
涼しくなるお話。相変わらずうつくしい。
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長野まゆみらしい小説なのだが…
一度読んだだけでは意味が今ひとつ分からない。
銀河鉄道の夜に出てくるカンパネルラにかかっているのだろうけれどね…。