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紙の本
詩人の美しさとかなしさ
2009/03/06 12:47
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しい表現も、もちろんたくさんあったのだが、根底に流れるものはかなしい。詩人といわれる人たちは、みんなかなしい生き物なのか・・・。
中也はずうっと悩んでいたのだという。
「じぶんの詩はこれでいいのか。」
「じぶんの生き方は、詩人でいいのか。」平たくいうとこんなふうに。
詩を愛し、詩にすべてを注ぎ込み、詩に生命を吹き込むことを
使命とした人生。カッコいい。
どこまでも、どこまでも、作品を極めていきたいという理想と、
苦悩だらけの現実とのはざまで、中也は精一杯生きたのだ。
苦労には本当にいろんな形がある。
たとえば、病気や経済苦。人はたやすく「たいへんね」と言う。
それは、辛さを想像してあげやすい、目にみえるかたちの不幸だから。
もちろん、本当の辛さは本人でなければわからないのだが。
でも、中也のような、内面の自己との闘いというのは、
人に見えにくいぶんだけよけい辛かったりするのではないか。
創作というのは、じぶんの内面をみつめてさらけ出していく作業だから、
進めていく途中で、きっと何度も何度もじぶんの弱さや甘さを突きつけられる。
そして時にはかなしい思い出に囚われたりもする。
怒りが治まらないときもある。苦悩の連続なのだとおもう。
その苦悩を突き抜けたときに、ランナーズハイのような快感を覚えるのだと。
苦悩せずにつくられた作品はきっと共感を生まないのだろうし。
ここをこうしていかなければ、とか反省しながら。
あるいはもうイヤになった、ともがきながら。
それでも前に筆を進める人を、作家というのだとおもう。
紙の本
中也詩集を初めて買うなら最適かも
2013/09/18 19:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしま - この投稿者のレビュー一覧を見る
「山羊の歌」、「在りし日の歌」、そして詩集に含まれなかった「未刊詩篇」から詩が収録されており、初めて中也の詩を読むには充分だと思います。
語注もあり、読みやすいです。
厚くないので持ち歩きも可能です。
中也(関連のある人物等も含む)の写真も豊富に載せられていますし、カバーは「テガミバチ」で有名な浅田弘幸さんが描いているので、ビジュアル的にも飽きません。
私はこの集英社の中也詩集を読む前に新潮の中也詩集を読みました。
そのあとにこの集英社の中也詩集を読んだのですが、何だか物足りなく感じました。未刊詩篇の詩をもっと入れてほしかったな、と感じています。
秋元康さんの鑑賞、というものがありましたが、うーん。
なんというか、秋元さんのオシャレなエッセイはあまり私には必要ないと感じてしまいました。
新保さんの解説は(新潮に比べると)少し読みづらいところがあるかもしれませんが、中也をもっと知りたいと思っている方にはとても読みごたえがあると思います。
初めて中也詩集を買うなら、この本が最適だと思います。
中也詩集おためし本、という感覚で購入すると良いかもしれません。
紙の本
表紙が素敵
2020/04/30 21:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うれい - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ゆふがた、空の下で、身一点に感じられれば、万事に於て文句はないのだ」30歳で夭折した中原中也の詩集。ゆあーんゆよーんがずっと頭の中でループする。