紙の本
あおりを当てにしてはいけない。
2016/03/09 22:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:メロリーナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「母の愛の物語」「感涙のミステリ」なんてあおりで内容を想像すると肩透かしをくらってしまうかも。「母の異常なる執着」は凄いです。亡くなった子と同じ日に意地でも出産するんですから。前半は結構好きな感じでした。先が全然読めず、これも伏線なのかなあとかワクワクしながら読めました。それだけに後半はやや失速した感があり、ラストもうーん、というか。テイストは嫌いではなかったので、この著者の他の作品を読んでみたいと思っています。
投稿元:
レビューを見る
1982年4月、知可子は、波琉のために冷やし中華を作っていた。
冷やし中華は波琉の大好物だ。
夫が居て血を分かつ息子が居る。
望むもの全てを手に入れた自分は幸せだと思う。
その波琉を失ってしまった。
「母親失格」と、罵る声が聞こえた気がする。
悪夢から抜け出すためにやり直す。
それぞれの葛藤が
ヒリヒリと痛いほどに伝わってくる。
最後、全ての事は赦されるのか。
投稿元:
レビューを見る
1人の男の子の死で、かかわった家族や兄弟がそれぞれ悲しい思いを持ち続ける話。
守れなかった自分を責める母親。
生まれ変わりといわれ続ける妹。
生まれ変わりと信じてる女の子。
生まれ変わりと母親から怖がられた弟。
みんな心に傷が出来てしまった。
悲しいお話です。
投稿元:
レビューを見る
ミステリーなのかどうかいまいち不明。意外といえば意外な結末。
2013/11/16日に購入したのだが,積読状態のまま放ってあったのだが,2014/08/22の朝の通勤電車から読み始め。24日の夕方読み終わり。
ラジオで紹介されていたが,図書館にはなかったので,池袋のリブロで購入。
投稿元:
レビューを見る
何とも言えない読後感。苦しいような、そうでないような。親の気持ちもわかるけど、娘たちの気持ちはもっとわかる。親はだんだん癒されていくけど、子どもたちはだんだん苦しさが増していく。子育てってホント難しい。
次回作、サスペンスとか抜きにして、母と娘のドロドロ希望(笑)
投稿元:
レビューを見る
図書館で2ヶ月待ち。
あまりリアリティがなかった。なぜだろう?
登場人物、とくに女性に魅力がなかった。
冒頭から、あ。この話は子どもが死んだのだなと予想できたけど
なぜ死んだのか、理由がわかっても
いまいちあっさりしたオチでひねりがないっていうか(偉そうだけど)。
でも、子を亡くした母の「失いたくない、子どもを守りたい」っていう気持ちは痛いほどわかって苦しくなる。
亡くなった上の子を、そのあと生まれた子に「生まれかわり」として求めるのは、その子の人格否定だし、虐待的。
誰に「完璧」と言わせたいわけ?
この母が狂ったのは、夫・子ども・家があって平凡だけど「完璧」だったのに失ったから。
私もよく思う。失うことが怖い。失いそうもないのに、失った自分を見ることを恐れている。
投稿元:
レビューを見る
母親の愛情をテーマにしたミステリ。ううむ……なんだかものすごーく嫌な読み心地でした。全体的な後味は悪くないけれど、「いい母親」に固執する彼女の姿とか。子供を虐待する母親の姿とか。かなりどろどろ。子供に対する「愛情」には違いなくても、閉塞感があって痛々しいし。
彼女たちにはそれぞれの愛し方があったのだろうし、それが正しいとか間違ってるとかは他人に言えることじゃないのかもしれない。けれども。「完璧」とか「いいお母さん」という言葉が非常に悲しくなってしまうような作品でした。
投稿元:
レビューを見る
こわかった
子育てこわい
母親ってすごいよね
今更思う、夢中で通り過ぎてしまうけど
≪ 母として 愛と狂気を 抱えつつ ≫
投稿元:
レビューを見る
案外面白かった。
中盤から終盤にかけてミステリーになってきた
と、グイグイ読めたのだが
ラストはなんでしょうか、う~ん、もったいない。
感動ものにも、イヤミスものにもならず
中途半端に終わってしまった。
生まれ変わりの発想はいいのになぁ。
投稿元:
レビューを見る
とても不気味で歪んだ家族の話。この作品はミステリーなのだろうかと思ったがあらすじにはミステリーと書いてあるので、ミステリーなんだろう。母親の歪んだ愛が重荷に感じるし、狂気でもある。自分自身の事にだけ、完璧主義なら他人には迷惑がかからないが家族を巻き込むのはどうかと思う。こういう人がまさに毒親なんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
先が読めずグイグイ引き込まれて一気に読みすすめたが後半失速してラストが何だか登場人物全員が中途半端な感じで終わってしまった。伏線が上手に拾えてないからただの無駄になってモヤモヤが残った。もっと気持ち良く拾って最後に繋げて欲しかった。次作に期待。
投稿元:
レビューを見る
+++
友高波琉子(29歳)は、東京のさびれた商店街を歩き、目についたそば屋に入る。テレビのニュース速報で、女が転落した状態で見つかったこと、さらに自分が参考人として追われていることを知る。
私を抱きしめ愛する母は、私を兄の名で呼ぶ。
1981年4月、北関東のT市に暮らす主婦・友高知可子のもとに警察から電話がかかってくる。ひとり息子の波琉(小1)が池で溺れて死亡したという。不育症のため流産を繰り返していた知可子にとって、波琉は結婚8年目でやっと生まれた子供。波琉の誕生日と同じ日に子供を産むことで、波琉を復活させようと考える。波琉子の誕生後、兄の生まれ変わりと言われながら育った波琉子。誕生日には、兄と自分用のプレゼントを受け取り、ケーキには自分の年齢より7本多いろうそくが立てられた。「あなたの体も心も、あなたひとりのものではない」という母の言葉を受け入れ続け母の愛を乞う気持ち、母を憎む気持ちが生まれる。ある日知可子のもとに「さぞ、いい母親なのでしょうね」と一通の手紙が届くが……。一人の掛け替えのない息子の死。それによって歪んでしまった、二つの家族。悩み苦しむ三人の母親、自分の生命の意味を問う三人の子供。彼等が乞う愛、赦しをテーマに家族の愛を書き切る渾身のミステリー長篇。
+++
ミステリかどうかはさて置き、やり切れない物語である。自分を自分として信じられない生のなんと空虚なことか。空っぽの自分の裡側が、愛されるべきだった別の人格で満たされ、ほんとうの自我は否応なく封じ込められる。波琉子の兄・波琉が溺れて亡くなったことで人生が一変してしまった二つの家族の人生が、ある時ふとしたきっかけで交わる。そのことで、動き出したことがよかったのかどうかはよく判らないが、動かなければ何の解決にもならなかったのも確かだろう。完璧な母親がいい母親というわけでもないのだとやり切れない思いでいっぱいになる一冊である。
投稿元:
レビューを見る
次の子を生まれ変わりと信じて守りたい気持ちは、苦しかった。
苦しいけどぐんぐん読めました。
アタシだったらどうするだろう、どうなるだろうと考えました。
守りたい気持ちは同じ。
2014-08
投稿元:
レビューを見る
なんとも薄ら寒い内容でした。
オチがイマイチで途中までのハラハラ感台無しなイメージでしたが、こんな母親になってしまうかもしれない、なってるのかもしれない。と、ないとは言い切れない自分にもハラハラさせられました。
子供にとって何が大切か。
なんて、子供にしかわからない。
って、育てる側としてはとてもとてもおそろしいことなのかもしれない。
育て方で、もしもその子の性格や人生が変わってしまうなら、それもまた恐ろしいことなんではないか。。。
と、考えさせられる。そんな一冊です。
これを読むと、どんどん子供作って子供が子供のなかでなんとか自分の道を見つけたり、親もがむしゃらに育児してるほうが、子供の人生に影響を及ぼすような育て方、干渉のしかたをするよりはいいような気がしてくる、そんな恐ろしい一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
幼少期、過剰すぎる母の保護の下育った女性。
ネグレクトで満足に食事も与えてもらえなかった少年。
『お前何か生まれて来なければよかったのに』と、心身ともに虐待を受けて育った男性。。。
どんだけひどい母親たちなんだ!と、読んでいる間中
ムカムカと腹がたっていたのだけれど
2/3くらい読み終わったところで気づくのです。
聖人君子と言われる人から犯罪を繰り返す者まで
本当に様々な人がいるのが人間。
それが子供を産んだというだけで、全員が慈愛に満ちた聖母=完璧な母になんてなれるわけがないのだと。
別々の家庭で起こった二つの物語が
最後にどんな形で交差するのか・・・
ミステリー的要素も楽しめます♪