紙の本
17世紀から18世紀のドイツの哲学者であり、数学者であったライプニッツの代表作です!
2020/07/13 10:41
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、17世紀から18世紀のドイツの哲学者であり、数学者であったゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツの代表作です。ライプニッツによれば、モナド(単子)とは宇宙を形作っている究極単位のことだそうです。複合体がある以上、それを複合している単位がなければならず、その単位を複合している単位がなければならずというように進んでいき、最後に突き当たる究極単位、これがモナドというわけです。そして、ライプニッツによると、予定調和は魂と身体の間だけではなく、あらゆるモナドについて設定されているというのです。ライプニッツにとって予定調和は世界それ自体の根本原理となっているのです。このことを踏まえて、ライプニッツは「自然的世界」と「倫理的世界」の間に予定調和が存在すると論じています。同書の構成は、「モナドロジー」、「形而上学叙説」、「小品集」(対話―事物とことばとの結合、位置解析について―ホイヘンスへの手紙、学問的精神について、事物の根本的起原、必然性と偶然性―コストへの手紙、モナドについて―ワグナーへの手紙)となっています。
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予定調和がでてくる所はなんかインチキくさいと思うが、デカルトとはちがった世界観が構成できるのだと思える。「気のコスモロジー」にも通じるものがあるかも。
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私たちはいま、ライプニッツのモナドロジー的な世界観に生きている。ヨーロッパ・ロシアは多極世界を構築しようとしているが、その根底にはモナドロジーの思想が蠢いているように思う。僕の仮説が正しければ、EUというブロック経済圏の一形態も元はといえばモナドロジー的世界観の体現を目的としたものであったはずである。
ライプニッツは万能の天才である。おそよ学とつくものであれば何にでも手を出して、非凡な成果を上げた知の巨人。彼の思想の十分の一もきっと現代人は解明できていないのだろうと思う。
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読みそびれていたモナドロジー。面白かったです。ただ、形而上学序説は神様持ち上げすぎ。何でもあり的な論理で引いてしまいます。
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あらゆる可能世界の中から、神様が最善のものを選び取ってそれがナウみたいな感じですか。「懲罰と贖罪によってその悪意を正し悪を十二分に償う結果、ついには悪がまったく起こらなかったとするよりも過程全体においてはかえって多くの完全性が見いだされる場合には、神は悪を許すというべき」という文があって、少し救われたような気持になった。私個人的には、世界が沢山あるという哲学より、世界は一つしか無くて、今がザ・ベストというライプニッツの考えは共感できて好きです。大学生の時だったら、哲学の先生に質問に行けたのに、社会人になると不便。
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ライプニッツ モナドロジー
モナドの定義に始まり、神と人間の関係を論じた形而上学の本
宇宙やら神話やら、話が大きすぎてわからないので、ライプニッツは カトリックとプロテスタントの対立を調和するために、この本を書いたと仮定して読んだ。
モナドの意味は、神が 人間や世界に与える力〜森羅万象や自然のシステム
ライプニッツの調和プロセス
*神と世界の根本原理(形而上学)を統一させる体系を作る
*モナドにより、多様な世界において 調和を図ることを君主に説く
モナドの無窓性「モナドには、そこを通って出入りできる窓はない」の意味は、ここでのモナドは 信仰心や神であり、モナドを共有すれば、カトリックとプロテスタントは 互いに侵害することはないことを意味?
モナドの表象性とは、単一実体の中に 多様性を持っている状態〜神という単一実体の中であっても、カトリックとプロテスタントという多様性が是認できる存在であることを意味?
モナドとは単一実体。自然における真理のアトムであり、森羅万象の要素
モナドと世界の関係〜宇宙の活きた永続的な鏡
*個々のモナドは 内に世界を表出し、その世界は表出しあい、対応しあうモナドの総称
*世界は唯一でありながら、それが現象するとき、我々の視点の違いに伴い、無数の世界として現れる
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予定調和(心身問題)
【魂は自らの法則に従い、身体もまた自らの法則に従う。それでも両者が一致するのは、あらゆる実体のあいだに存する予定調和のためである。なぜなら、どの実体も同じ一つの宇宙の表現なのであるから。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】
「七八―――これらの原理によって、私は魂と有機的な身体との結合、すなわち一致ということを自然的に説明する方法を得たのである。魂はみずからの法則にしたがい、身体もまたみずからの法則にしたがう。それでも両者が一致するのは、あらゆる実体のあいだに存する予定調和のためである、どの実体も同じ一つの宇宙の表現なのであるから。
七九―――魂は目的原因の法則にしたがい、欲求や目的や手段によって作用する。物体[身体]は作用原因の法則つまり運動の法則にしたがって作用する。しかもこの二つの領域、作用原因の領域と目的原因の領域のあいだには調和が存している。」
「八一―――この説によると、物体[身体]は魂がないかのように(これはありえない仮定だけれど)作用し、魂は物体[身体]がないかのように作用する。」
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幾何学、科学への指向性、神学への指向性、デカルトなどポストスコラ哲学への批判という指向性、立場上言えないこともあろうというバイアス、これらが幅広い解釈に耐えるスタイルを作ってるように思う。はじめの解説を読んでから本編に行ったから楽しめたところ多い。形而上学序説のほうは途中でやめた。
合わせ鏡の複雑系の世界を描き、神はこれを秩序立てていることを、この解析によって解き明かす、「予定調和」の興奮。彼は孤独ではあったとしても、その瞳孔は常に濡れて開いていたのではないか。
しかしながら、この形而上学がどのように効いてくるのかわからない。スピノザはもうカンフル剤ですが。