紙の本
細川ガラシャ
2019/10/26 20:28
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ が辞世の句だそうです、壮絶な最期に驚きました。
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歴史小説ではありますが、心理描写が多くて読みやすかったです。
主人公のガラシャは、この話では現代人にすごく近い感覚を持っている女性。
決して自由とは言えない身分ある立場でいて、それでも己の信仰を貫かんとする姿勢が眩しく美しかった。
しかしそれ故に相容れなくなっていく忠興との愛の擦れ違いが切ない。
時代がもっと違うものだったなら、と思わずにはいられないです。
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この本の細川夫妻はほんと愛し合っててすてきです…!忠興の一方通行じゃないよ!(笑)けれどやっぱり最後には、ふたりは別世界の人間になってしまうんだなぁ。お互い想い合っているのは確かなのに。くるしい愛情。
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明智光秀の娘ガラシャが信仰というものを通して自分を貫く話。
ガラシャの内省的な性格、というか自分の精神に興味がいく性質は現代人に近い気もする。
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歴史に仮定は許されない。しかし、それを考えてしまわざるを得ないのも歴史の宿命。「もしも光秀が謀叛を起こさなかったら」という無意味な仮定。明智光秀の娘と生まれたために背負わされた運命に翻弄され、信仰に頼らざるをえなかった戦国女性の悲劇が描かれます。
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母親の書棚から借りて読みました。1981年第6刷の文庫本で、当時の価格280円です。
それはさておき、お玉(細川ガラシャ(恩寵))の物語です。
彼女は、明智光秀の娘で、戦国武将の細川忠興の妻です。
子供の頃から、屈託なく無邪気で類まれな美貌の持主。
けれど芯はつよく、頑ななまでに真直ぐです。
荒木村重、父の光秀、夫の裏切り(家名を重んじるばかりではあるのですが)に遭い、いつしかキリスト教に救いを見出します。
「信はすなわち不信、不信はすなわち信。」
登場人物の心は揺れ動きます。これがこの物語の軸です。
あえていえば、光秀が「不信」の賽の目に賭ける部分を描いてほしかったけれど、これは歴史物語ではないのでしょう。
久しぶりに遠藤周作も読みたくなりました。
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細川ガラシャ。旧版蔵書。
永井路子の本はほぼ読破しています。最も好きな時代作家。残念ながら手元に残っていない本を「読みたい」カテゴリ登録してるけど、かつて一度は読んだ(笑)。
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細川ガラシャ。戦国時代を生きた女性の中でも好きな人だ。やはり凛としていて潔い。
随分前だが、ガラシャが幽閉されていた味土野に行ったことがある。行き着いたところは道の終わり…山の中。ガラシャがいた証の碑がそっと建てられていた。こんなところに何年もいたなんて…とガラシャの気持ちを思わないではいられない場所だったことを思い出した。
生き様が清々しい。心が美しい。
改めてガラシャの強さを感じた本だった。
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「信と不信」の狭間で揺れ動くガラシャの描写がとても好きです。「信と不信」はこの物語の核でもあり、光秀、忠興、キリスト教、そして最後に自己を信じるか否か、その心理描写が内省的でありながら軽やかな筆致でつづられています。
「見つめることは傷つくこと」、「互いに愛し合っていた故に別の世界にいることを確かめあってしまう」など、何度読んでも心に刺さる文章が多いのも特徴です。
忠興との関係もどちらかが一方通行なのではなく、理解しあい、尊重したいと思うたびに相手と自分の幸せは違うのだと痛感してしまうとがとても苦しい。愛し合っていても幸せになれないところが細川夫婦の描写としてとても素晴らしいなと思います。