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紙の本
身近だからこそ考えなかったこと
2015/09/16 09:35
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
神々が人間に溶け込む実験地である実尋市の曙光山学園には、天秤の会という互助組織がある。そのメンバーが住む寮であるニュートラルハウスに住むことになった半天使(ネフィリム)の名塚天人は、北方の冥界神にしてひきこもりの氷室亜夜花と巡り会い、寮長にして最高神である御子神てとらの代行者としての能力を開花させた。
そして戦神の柚原千那と柚原万那、獣神のウルリカらに鍛えてもらいながら、かつて彼自身が失った理想を取り戻し、吸血鬼となった幼なじみの羽村梨玖や、魔術師の和泉小詩を闇の中から救い出して来た。そんな彼女たちは天人に大きな感謝をしているのだが、本人はそれに気づかない。
そして訪れた夏休み。ニュートラルハウスに天人の妹である名塚奏が訪ねてくることになる。彼女ももちろん半天使だ。久しぶりに会う奏は相変わらず良い子で、我がままのひとつも言わない。ちょうど、ヤマネミツカズと名乗るロリコンオタクの幽霊に憑依されていた天人にとってみれば、そちらの解決を優先するのにちょうど良いともいえた。
他の神々には気づかれたくないというミツカズではあったが、柚原千那には気づかれてしまい、彼女の携帯のマスコットに宿った兄の柚原一二三の示唆もあって、彼女はこの問題の解決に協力してくれることになる。
久しぶりに会った夏休みに妹と出かける天人。図書館、衣料品店、プールと遊びに連れて行くのだが、梨玖に揶揄されて意地になった亜夜花はもちろん、コウタや戦神姉妹、そしててとらさんまでついてくる盛りだくさん状態。
たっぷり遊べて楽しめただろうと自己満足している天人だったが、奏に問題があるということを、亜夜花たちから気づかされるのだった。
他人のために自分を削ってでも働く天人だが、意外に足元は脆いのだということを示している。身内であるがゆえに踏み込まず、気づけない部分もあるのだ。
だが、自分だけでは気づけないことも、他人の目を通せば気づけることもある。そして兄弟姉妹の仲が良い千那の目からと、逆の境遇であり、孤独を友としていた亜夜花の目からとでは、気づけることもまた違うのだ。
一旦気づいてしまえば、空気を読まずに無理矢理解決にもっていくことは主人公の常套手段。そうしてつなぎ直された絆は、容易に切れることはないだろう。もっとも、他者からの介入があれば別なのだが…。
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